アメリカ政治では、膨大な個人情報をかき集め、それらを突き合わせることで、「この人はどういう思想なのか、政治家に何を求めているか」というように、どんな性格の持ち主かを分析し、それぞれの考え方の人に向けた広告(ターゲティング)を打つなど、政治利用の為のマーケティングが常識化していました。

今回問題になっているのは、イギリスに本社のあるケンブリッジ・アナリティカ(CA)社とその関係する者らが、Facebookを通じて5000万人にも及ぶ個人情報を不正流用していたこと、さらにそれを2~3年前から認識していたにも関わらず放置していたFacebook側の責任が問われています。

つまりは個人情報漏えいではなく不正流用が焦点になります。

例えば、Facebookをやっていると、「あなたの○○検定」などといったアプリで遊んだ経験がある方も多いと思います。
こういったアプリをクリックすると、最初に「”あなたの○○検定”が次の情報にアクセスすることが許可されます。公開プロフィール、友達リスト」という画面が出るのですが、ほとんどの人はそれを読まずに先へ進んでしまいます。

この時点で、アプリの開発者または配信者に対して、自分のプロフィールと友達リストの情報を自ら提供しているのです。ちなみにここまでは不正ではありません。
次にここで得た情報を外部で再利用するには、別に同意を求める必要があるのですが、それを回避して流用したことが今回の問題です。

Facebookは、CAがどのようなことにデータを用いたかを調査するためのフォレンジックチームを雇い入れたと発表しました。

このようなニュースを見ると、いつしか「データ」は「情報資産」に成り代わったことに気付かされます。

Facebook、データ流用の問題で外部企業にCambridge Analyticaの監査を依頼 – CNET Japan
フェイスブック問題で懸念強まるケンブリッジ・アナリティカの手法:トランプ大統領誕生「影の立役者」の今(前嶋和弘) – 個人 – Yahoo!ニュース
Facebook個人情報不正流用問題、24時間以内にザッカーバーグが公式声明との報。これまでの流れ