トヨタとイオン東北、水素燃料の移動販売車 福島で投入 他

MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、運営主体を問わず通信技術の活用により、マイカー以外の交通手段による移動を1サービスとして捉えシームレスにつなぐ新たな移動手段の概念です。AOSデータ社は、MaaSをより安心して利用できるよう、リーガルテクノロジー(自動車フォレンジック)で貢献します。

自動運転時代、保険はどう変わる 損保が急ぐ「稼ぎ頭」の変革


SIP-adus Workshop 2022の開催について ~戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」~


トヨタとイオン東北、水素燃料の移動販売車 福島で投入


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Impressions:6月2日 トヨタと水素の関係が活発化してきた。6月1日 福島県の双葉郡双葉町(伊澤 史朗町長)と同郡浪江町(吉田 数博町長)の2町で、トヨタ自動車㈱とイオン東北㈱のFCV(燃料電池車)による食料品や日用品の移動販売が始まる。4者は、この5月31日に「特定復興再生拠点区域等における水素燃料電池自動車を活用した移動販売事業に関する基本協定」を締結している。本協定の目的は、参画する2つの自治体と企業が資源やノウハウ等を共有し、持続性や環境への配慮、東日本大震災からの復興を念頭に、移動販売を実施、買い物環境に困っている町民を支援、地域の課題解決や行政サービスの向上、「未来につながる持続可能なまちづくり」を実現していくことだ。本協定取組みの一環として、イオン東北が事業主体となり、6/10(金)から2町において、特定復興再生拠点区域等、買い物支援の需要が高い地域を対象に、移動販売を実施する。2町は避難指示解除に向け、イオン浪江店を拠点とした買い物環境の充実・整備を行い、町民や新たに町に移住する人々が安心して暮らせる地域社会の実現を目指す。さらに2050年カーボンニュートラル社会に向け、当該事業で使用する車両は、トヨタ自動車とイオン東北が水素を燃料とした「世界初*」(*2022年4月現在 トヨタ調べ)となる燃料電池移動販売車を導入することとした。これ以前に、浪江町、双葉町、南相馬市、日産自動車㈱、フォーアールエナジー㈱、福島日産自動車㈱、日産プリンス福島販売㈱、イオン東北㈱、日本郵便㈱東北支社、㈱長大、㈱ゼンリンは、令和4年3月29日に、「福島県浜通り地域の3自治体と全国8企業、未来のまちづくりに向け共同声明を発表-先進技術とサービスで、持続可能なまちづくりの実現を目指す-」を発表しており、浜通り地域のまちづくりに向け共同声明を発表している。この発表では、浜通り地域において、わくわくする先進技術とサービスで、人とひとがつながり夢があふれる住み続けたいまちの実現を各自治体の復興状況やニーズに合わせて、段階的に目指していくとしている。こちらの内容は、1.実証が進むスマートモビリティのまちへの定着および自由な移動の実現を目指す。2.電気自動車およびそのバッテリーの蓄電池活用などを通じ、再生可能エネルギーの地産地消によるRE100*を目指す。3.地域コミュニティの中で、新しいヒト・モノと出会える機会を創り出し、にぎわいの創出による未来につながるまちづくりを目指す、というものだ。南相馬市が入るか否かに違いはあるが、「特定復興再生拠点区域等における水素燃料電池自動車を活用した移動販売事業に関する基本協定」と「福島県浜通り地域の3自治体と全国8企業、未来のまちづくりに向け共同声明」の三分の二は地域が重なる。「まちづくり」には、日産が、そのうちの一角を占める「移動販売」にはトヨタが参画する構図となった。2021年2月2日に日産が発表している「福島県の3自治体と全国の8企業、「福島県浜通り地域における新しいモビリティを活用したまちづくり連携協定」を締結」の概要においては、(1)新たな移動手段となるモビリティサービス、(2)再生可能エネルギーの利活用、低炭素化に向けた取り組み、(3)コミュニティ活性化、(4)強靭化が発表されており、うち(1)では過疎地や復興地域においても持続的、かつ、期間・交流人口の段階的な増加にも対応しうる公共交通サービスの構築を目指すとし、生活の利便性の向上、経済、産業の活性化へも貢献する、自由な移動や物流手段の実現を目指すこと、(2)では、電気自動車や定置型再生バッテリーを利用したエネルギーマネジメントシステムの構築と合わせ、各種施設や域内店舗での再生可能エネルギーの利活用を向上させ、低炭素化への取り組みを加速させるとしている。一方、「特定復興再生拠点区域等における水素燃料電池自動車を活用した移動販売事業に関する基本協定」における【本協定に基づく4者の主な役割】のトヨタの項目を見ると、同社は買い物支援策の実施にあたり、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ、「地域社会の皆さまの幸せ」をサポートする、より良いモビリティ社会の実現を目指すとしながら、世界初の水素燃料電池移動販売車による、次世代を見据えた車両提供を実施します、としている。自動車メーカー2社が「フクシマ」において織りなす構図は、電気自動車(EV)vs水素燃料電池自動車(FCV)の「競演」でもある。周知の通り「フクシマ」(福島県浪江町)には、2020年3月7日にNEDO、東芝エネルギーシステムズ㈱、東北電力㈱、岩谷産業㈱が建設してきた、世界最大級の再エネを利用した世界最大級の水素製造施設「FH2R」(福島水素エネルギー研究フィールド)が完成、稼働を開始している。同施設は、製造・貯蔵段階では、風力、太陽光、地熱などから電力を得、水素を製造・貯蔵し、輸送段階では、水素を需要に応じて輸送する。供給・利活用段階では、FH2Rで製造された水素が、水素発電(燃料電池)で利用され、電力を市場に供給したり、水素ステーションで利用され、燃料電池車や燃料電池バスなど、モビリティ用途で利用されたり、産業用途においては工場などで利用されるとの仕組みだ。浪江町の吉田町長は、今年4月1日に掲載された同町ホームページの「【町長インタビュー】令和4年度の取り組みについて」で、今年度は特定復興再生拠点の準備宿泊が始まり、帰還困難区域の解除に向けての取り組みについての質問に対し「末森、室原、津島の特定復興再生拠点は、令和5年度春の解除に向け整備が進む。解除には町民が安全安心に生活できることが大前提だとし、津島地区には活性化センターに役場支所を置き職員も配置すること、また、拠点内には公営住宅や消防屯所を整備、少しでも買い物ができるよう移動販売車を計画している」とコメントしていた。また、多くの復興事業が行われている浪江町は、水素の利活用や駅周辺の再開発などを町の魅力として発信、「浪江町は面白い」と皆さんに思っていただくことで「帰りたい」「住んでみたい」「行ってみたい」につなげたいとしている。*ちなみに同町の駅周辺の整備事業には、隈研吾氏が参画している。双葉町の伊澤町長は、5月31日に双葉町産業交流センターで行われた「特定復興再生拠点区域等における広域移動販売事業実施に伴う基本協定締結式」において、「双葉町では現在、町内でスーパーやコンビニエンスストアが再開していないことから、避難指示解除を間近に控える双葉町にとって、この移動販売事業は町内の買い物環境整備に向けた第一歩として大変意味のある取組だと考えております」と挨拶を述べている。イオン㈱とイオンリテール㈱は、2016年11月17日に~「地域エコシステム」が生み出す新たな顧客体験~千葉市花見川区でのお買い物支援「移動販売車」の運行開始を発表しており、「移動販売」に一日の長がある。この際は、同社が進めていた「地域エコシステム」における「ヘルス&ウエルネス:身も心も豊かに暮らせるまちづくり」の一環として、増加する高齢者人口を見据え、特に高齢者の買い物を支援する目的で移動販売を行っている。また同時に千葉県千葉北警察署と結び、「移動販売車」の営業を通じ、高齢者の運転免許自主返納の情報提供や促進、「移動販売車」に搭載されているドライブレコーダーを活用した地域の犯罪捜査などへの情報提供、事件・事故、災害などに関する情報の相互共有、地震・台風などの自然災害時に、警察署の求めに応じた罹災者に対する支援などを念頭に置いた。イオン㈱はイオンサステナビリティとして「東北創生」にも取り組んでいた。東北創生には、柱として4つの方針が定められており、同社はこれを元に様々な活動に取り組んでいる。一つは事業を通じた地域産業の活性化、二つ目は雇用の創出と働きやすい環境づくり、三つ目は地域の未来を”ともにつくる”環境・社会貢献活動、四つ目は安全・安心にくらせるまちづくりである。同活動のニュースリリースの更新は、2018年2月26日「東北のさらなるにぎわい創出に向けて イオンは変わらず全国の皆様と東北の復興・創生に取組みます」で終了している。活動開始後、足掛け7年時点の情報だが、同社は地域産業の活性化を目指し、東北の優れた産品を販売するフェアとして、本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」約300店舗で、東北6県の産品最大270品目を集めた「にぎわい東北フェア」を開催したり、東北地区の「マックスバリュ」において東北応援商品の特設コーナーを設け、産品の購入を通して、東北を応援したいという消費者の想いに応えた。また、2012年にイオン労使で立ち上げた「イオン 心をつなぐプロジェクト」では、2021年までの10年間に、延べ30万人の従業員によるボランティア活動、東北沿岸部での合計30万本の植樹を実施することを目標に掲げた植樹活動なども行っている。また2016年には「イオン 未来創造プログラム」では、持続可能なコミュニティの再生を目指し、地域住民や従業員の交流を通じた課題解決に取り組んでいる。ちなみに、同プログラムの当時の活動地は釜石市、大槌町、遠野市米通地区、気仙沼市大島、丸森町耕野地区、南三陸町、浪江町、二本松市、南相馬市小高区、鏡石町であった。日経新聞によると、2町に投入される「水素燃料電池自動車」はトヨタの「MIRAI」の約1.2倍の水素6.6キログラムを搭載、350キロメートル走行することが出来るという。前述の福島水素エネルギー研究フィールドなどが供給する水素を浪江町内に2ヶ所ある施設で充填するという。この「移動販売車」には、冷蔵、冷凍、温熱庫があり、150キログラムの商品を搭載できるという。福島民友新聞によれば、食料品、日用品など最大500品目を扱う。避難指示が解除された地域9ヶ所と帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域にあるJR双葉駅前の計10ヶ所(双葉町:町産業交流センター前、JR双葉駅東口、浪江町:幾世橋住宅団地、請戸団地、棚塩、立野、川添、苅宿、上ノ原、高瀬)を巡回する予定だ。浪江町では来春以降、津島、室原、末森地区の3ヶ所に拡大する予定だ。「移動販売車」の稼働は週5日。営業時間は午前10時~午後4時となり、曜日別に決めたルートで1日最大4ヶ所を訪問する計画だ。現在は「様々な課題を抱えつつ」ではあるが、今後も水素ステーションやEV用の充電ステーションが、全国津々浦々に増設され続けていくのではないかと思われる。2町で行われる電気自動車、水素燃料電池自動車の「共演」と水素エネルギーが、まち復興の力として持続的に利用され、住民の方や帰還される方の日常生活を支えるあらたな事例となることを願いたい。

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