自動車フォレンジック®
自動運転の実現のために、先進運転支援システム(ADAS)の開発が進んでいます。ADASの制御に用いる各種センサーからのデータを収集して、車両内に伝送するために高速な通信機能が使われます。ADASに必須とされる機能安全を実現するためにセーフティプラットフォームが動作しますが、この中に、自動車事故の原因を分析するための重要な情報が記録されています。自動運転を実現するために搭載される複数台の高解像度カメラの映像も重要な証拠として活用されていきます。自動運転システム、IoTに関するデータにおいてもさまざまな分析、調査が求められる時代に、AOSは、自動車フォレンジックの技術で事故後に破損したドライブレコーダ、EDR、カーナビ、IoT車載半導体から証拠データを取り出し、事故の原因調査、分析を支援いたします。
直近の目的地、お気に入りの場所、通話履歴、連絡先リスト、SMSメッセージ、メール、写真、ビデオ、車両の位置情報などの膨大なデータを取得します。
- 特徴
- ・論理的、物理的なデータ取得
- ・削除されたデータの復元
- ・データの検索と絞り込み
- ・CSV/XSLX/KML形式にてデータを
エクスポート - ・位置情報をマップ上にマッピング
- ・レポート提出
- 調査対象機器、メディア
- ・カーナビ
- ・ドライブレコーダ、イベントレコーダ(EDR)、クラッシュデータリトリーバル(CDR)
- ・上記接続機器(SDカード、オーディオ・動画プレイヤー、USB機器等)
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調査事例1
・カーナビゲーションの軌跡調査
走行軌跡の復元。内蔵HDDのデータを分析し走行軌跡データを抽出したところ、システム上には画面に表示される以上のデータが記録として残っており、詳細な位置情報データを抽出することが出来た。
調査事例2
・ドライブレコーダ PIONEER(SDカード)
事故発生動画の復元。動画ファイルが破損、ファイルサイズが0になっており、再生不可の状態であったが、未使用領域に動画フレームデータが残っていたため、復元し、事故発生動画を再生することが出来た。
自動車フォレンジックの流れ
ご相談に際して下記内容について確認させて頂きます。これらの情報を基にお見積りや調査スケジュール、注意事項についてご説明いたします。
- 調査機器の確認(カーナビ/ドライブレコーダ/SDカード)、機器・メディア種別、メーカー、モデル等
- 調査機器の状態(画面が割れている、起動しない、データを削除した等)
- 調査項目(走行軌跡、検索履歴、動画、音声等)
お見積り内容にご同意頂きましたら、お客様にて調査機器をお取り外しの上、弊社までお送りください。お客様自身での取り外しが困難な場合には、カーディーラーやカー用品店に取り外しをご依頼ください。
調査機器が弊社に到着いたしましたら、調査機器より記憶媒体(HDD等)を取出します。この際、調査機器を解体する場合があります。記憶媒体中のデータの証拠性を損なわないように、記憶媒体に記録されているデータを保全(全体または必要箇所を収集)します。この際、記録媒体にセキュリティ(パスワードロック)がかかっている場合には弊社にて解除させて頂きます。
保全したデータを基に調査項目の解析を行います。AOSの自動車フォレンジックサービスはカーナビ/ドライブレコーダ等から削除されたデータも含めて解析を行います。
調査結果をまとめたものを調査報告書としてお客様に提出します。走行軌跡などの位置情報データは緯度経度の一覧と合わせて、Google Earthで表示できるKMLファイルを提出いたします。
イベントデータレコーダ(EDR)の解析
イベントデータレコーダ(EDR)とは、エアバックが動作するような交通事故において、事故の前後の車の情報を記録するために、車内に設置される装置です。
衝突事故の前後に車の挙動がどうであったかを判断するためにイベントデータレコーダ(EDR)を回収して分析します。イベントデータレコーダは、航空機に使われているブラックボックスのように衝撃耐性が強い構造になっています。
従来、車両事故で複数の車が関係するケースでは、ドライバーのお互いの言い分が食い違うことも多く、お互いの責任の割合がどういう比率になるかを判断するためには、現場に残されたブレーキ痕や車両の一部の破片、周囲から証言などを基にして、推測で判断していましたが、イベントデータレコーダ(EDR)を活用することで客観的な分析が可能になり、搭載車における事故処理の迅速化が進んでいます。
米国では、損害保険会社が免許1年未満の運転者に対してEDRの無償貸し出しサービスも始まっています。
国内でも、EDRを搭載している車が増えています。EDRから、アクセルとブレーキの踏み具合や、シートベルト着用の有無、ハンドルの角度などの情報を取得することができます。
クラッシュデータリトリーバル(CDR)の解析
クラッシュデータリトリーバル(CDR)は、イベントデータレコーダー(EDR)に保存されたデータを読み出し、クラッシュ情報をCDRレポートの形式で出力します。 CDRレポートは、民事事件、刑事事件で証拠資料として法廷に提出されています。
- CDRのパラメータ例
- ・車速
- ・ブレーキのオン/オフ
- ・ステアリングの操舵角
- ・衝突の大きさ
- ・シートベルトの着用の有無
- ・エンジン開度
- ・アクセルペダルの開度
- ・シフトボジション
- ・エアバック装着情報
- ・助手席乗員検知情報
記憶媒体の種類と保全方法
現在、車両に搭載されているカーナビやドライブレコーダーには様々な種類が存在します。特にカーナビの場合、搭載されている記憶媒体の種類も多様であり、機種に応じた方法で保全を行う必要があります。記憶媒体にNANDフラッシュメモリが使用されている場合には、NANDフラッシュメモリのチップを基盤から取り外して(チップオフ)調査を行います。
ナビの種類 | ストレージ | 容量 | 保全方法 |
---|---|---|---|
DVD/CDナビ | NANDフラッシュ | 数MB~数百MB | チップオフ |
HDDナビ | HDD | 数十GB~数百GB | 解体後ディスク取出し |
SSDナビ | SSD | 数十GB~数百GB | 解体後ディスク取出し |
NANDフラッシュ | 数GB~数十GB | チップオフ | |
SDナビ | SDカード | 数GB~数十GB | SDカード取出し |
ドライブレコーダ | SDカード | 数GB~数十GB | SDカード取出し |
※メーカーによりHDDがパスワードでロックされている場合にはパスワードを解除して保全を行います。
データの特定・解析
メーカー、モデルによってデータの記録方法は様々です。自動車フォレンジックではデータの記録場所、記録形式を解析、特定し目的の情報を抽出します。
カーナビ内に記録されている位置情報データは独自の形式で記録されており、そのままでは読み取ることが困難。
抽出データのレポート
抽出データをExcelに出力
走行軌跡などの抽出情報は非常に膨大な量となります。絞り込みや検索ができるようExcelに一覧で出力します。特に位置情報は数値で起票され直観的に分かり難いため、国土地理院の全国位置情報を参考情報として付記します。
位置情報を地図上にマッピングし、直観的な調査を可能に
走行軌跡などの位置情報データは緯度経度の一覧と合わせて、時刻と対応する位置情報をマップ上に展開し、走行軌跡を線で表示することも可能です。これにより、より直観的に情報を把握することが可能となります。
*「自動車フォレンジック」は、AOSテクノロジーズの登録商標です。
自動車フォレンジック関連サービス(Related forensics services)
AOSデータ社の自動車フォレンジック関連サービスは、予期せぬインシデントが起きてしまった場合、事後対策として車載デバイスやメディアなどから、お客様の必要とされるデータの抽出・解析調査・レポーティングを迅速に行うサービスです。