【導入事例】これからの損害調査には、画像解析技術が不可欠です
あいおいニッセイ同和損害調査株式会社 株式会社 様
ドライブレコーダーの普及、自動運転化など、自動車業界が大きな技術変革期を迎える中、損害調査にもデジタルデータに対応したより高い技術力が求められています。業界に先駆けてAOS画像解析フォレンジックツールを導入された、あいおいニッセイ同和損害調査株式会社 理事/能力開発部部長 駒形三雄氏にお話を伺いました。
多数のアジャスターを有する、独立した損害調査専門会社
Q.貴社の沿革、会社概要などを教えていただけますか?
弊社は、あいおいニッセイ同和損害調査株式会社グループの損害調査専門の会社として1975年(昭和50年)に設立されました。現在、全国約200拠点に、高い技術力を持つ多数のアジャスター(保険事故の損害調査を行う資格取得者)を配置しています。
今、損保業界の中では、独立した損害調査会社というのは弊社を含め2社しかなく、他は内製化しています。弊社としては、“独立した調査会社”として調査をしっかりやっていこうと考えており、立ち合い調査、つまり現実に車を見たり、現場を見たりと言う調査を非常に重視しています。また、CDRやドローンなどの最新技術を使った立ち合い調査に強く、グループ会社の仕事だけでなく、一部他社の調査なども請け負っています。
技術革新に対応し、“事故状況の真実”を迅速に把握するために導入
Q.もともと、解消したかった課題や用途をお聞かせ下さい。
現在、自動車保険業界は100年に一度と言われる大きな技術変革期を迎えています。弊社としても最新のテレマティクス技術を使い、カーナビから取得した走行距離や運転特性等を安全運転アドバイスや保険料に反映させる「タフつながるクルマ保険」、ドライブレコーダーを活用したリアルタイムアラートと運転診断レポートで安全運転をサポートする「タフ見守るクルマの保険」を販売しています。
そういった中で、今までの調査は損壊した車や事故の後の現場、お客様からの情報などを見て、経験などから推測して解決していた部分もありましたが、今後は画像などのデジタルデータを重視して、真実の事故状況を把握し、迅速に解決していかなければなりません。
たとえば、自動運転が実現すると、運転者さんは前を見て運転しなくてもよくなるため、どういう状況で事故が起きたのか、なかなか把握しづらくなります。すると、画像などのデジタルデータが重要な証拠になっていきます。また、ドライブレコーダーが普及していく中で、すでに「事故後にデータが消えていた」「過って消してしまった」「写ってはいるが、はっきり判別できない」といったことが多くなっています。そこで、こうした課題を解決し、できる限り画像を鮮明化するなどして証拠として扱えるデータにできないか、という需要が多くなっていますし、今後ますます増えていくでしょう。
今日もさきほど、現場から「データが消えているので、フォレンジックで復旧できないか」という相談がありました。そういう需要がけっこうあるんです。
Q.AOS画像解析フォレンジックサービスを知ったきっかけは何でしょうか?
たまたまAOSさんに同級生がいまして、同窓会に何十年かぶりにたまたま顔を出したら、こんな会社にいるんだよという話になったんです。「じゃあ、こういうデータの復元とかできる?」と聞いたら「できるよ」と。その後、詳細の説明を受け、どのように役立つかを検討した上で、購入を決定させていただきました。
Q.他社や他製品との比較はしましたか?
それはしてないですね、一切。というか、このようなものが他にはないですからね。
精度の高い調査につながるツールです
Q.AOS画像解析フォレンジックツールを導入いただいた際に、決め手となった点を教えてください。
まずは、弊社の現場に需要があったということです。現場担当者が困っているわけで、それを少しでも解決したかった。それともうひとつ。先進技術が次々と出てくる中で、調査会社として「調査が出来ない」とは言えませんからね。弊社としては、業界における第一人者として、先進技術を先駆けて導入していきたいというのも本音ですね。
フォレンジックサービスではなくツールを購入したのは、使用頻度を考えると、そのほうがリーズナブルだったからです。また、ツールを購入すれば他社からの依頼も受けることができ、ビジネスとしても有効だろうと判断しました。
Q.ツールを導入するにあたり、苦労した点をお教えください。
弊社では、しょっちゅういろいろな研修やトレーニングを販社からしていただいていて、その後、社内で独自でやっていくというのがウチのやり方なんです。
たとえば、自動車には、飛行機に搭載されているフライトレコーダーのような事故記録装置EDR(イベント・データ・レコーダー)が搭載されているんですが、そのデータを解析するCDR(クラッシュ・データ・リトリーバル)に関しても、まず本社で購入し、研修やトレーニングして、CDRアナリスト資格を取得してもらいます。さらに、有資格者を全員集め、統一的にきちんと対応ができるように社内でも研修指導を行っていきます。
ですから、フォレンジックツールに関しても、今後わからないところは教えていただきながら、精度の高い調査につなげられるようにしていきたいと考えています。
技術力最優秀のプロフェッショナル集団を作りたい
Q.トレーニングにかなり力を入れておられるんですね。
もちろん、スキルのレベルは個人よって違うと思いますし、経験値も違います。そういった中で一定の品質を確保するためには、トレーニングによってレベルを調整し、平準化を図るということが必要だと思います。最近は調査員の若手が減少していますので、若手を育てるためにも、研修やトレーニングに力を入れ、技術力最優のプロフェッショナル集団を作り上げたいと思っています。
Q.導入後に、効果があった点、あるいは今後効果を期待したい点はありますか?
根本にあるのは、やはりお客様にご満足いただきたいという願いです。保険事故で不安を持っていらっしゃるお客様に、迅速で正確な調査を行って裏付けをし、迅速な解決に繋げていくというのが我々の仕事だと思っています。ですから、“真実の事故状況”がベースになければならないと思います。それにはやはり、「画像」が一番客観的な真実ですからね。
今後、自動運転化など車の進化に伴い、事故の把握や原因調査の確実性を向上させる上で、デジタルデータがますます重要になってくると思います。画像解析フォレンジック以外にも良いツールやサービスがあれば、これからも紹介していただきたいと思います。
あいおいニッセイ同和損害調査株式会社 様 プロフィール
あいおいニッセイ同和損害調査株式会社グループの一員として、高い技術力を持った多数のアジャスターを有する損害調査専門の会社。アジャスター人材を最大の資源と位置づけ、技能の育成と活用を積極的に計るプロフェッショナル集団。CDRやドローンなどの最新技術を積極的に使った立ち合い調査に強いことでも知られる。