MaaS・CASE関連の最新ニュース(24 / 65ページ目)

物体を認識して分類せずに直接意思決定を行うGhostの自動運転・衝突回避技術 他

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7月5日 衝突回避の技術がまた一歩進展した。Ghost Locomotion(自動運転システム開発)は、シリーズDラウンドで111億円の資金調達を実施した。同社はユニバーサルな衝突回避技術の開発に取り組んでいる。開発されているシステムは、自動運転システムが衝突回避する前に、セオリーとされていた物体を認識(位置の特定、大きさ、距離などの把握)、分類する過程をスキップ、あらゆる物体あらゆる大きさを検知し、それに対する距離と相対速度を得る。分類を行う前にデータから直接意思決定(衝突の回避)を始めることが出来る。判断の複雑さが増すと言われる都市部で、本システムの有用性が証明されれば、衝突回避技術分野でのパラダイムシフトが起きたと言えよう。また、車載センサー分野においても、これまで主だった「レーダー(電波)」「カメラ(可視光)」「ソナー(音波)」「LiDAR(赤外線)」に、「4Dイメージングレーダー(電波)」が加わろうとしている。従来のレーダーは、距離や速度、水平方位角を識別していたが、コンチネンタルが開発した「4Dイメージングレーダー」は、ここに高度(上下方向)の概念が加わる。これにより、レーダーでも対象物の形を認識することが出来るようになった。レーダーの利点は天候に左右されにくい点であり遠距離までの識別が可能である点だ。反対に弱点は対象物の形状把握は苦手とされていた。レーダーの検知範囲は今のところ300mだという。LiDARに比べて低コストで導入できるといい、既にドイツの自動車メーカーの車両に搭載されることが決まっている。今後は、LiDARや、その他のセンサー類との共存が進み、自律走行車両の安全が高まり、低コスト化に貢献、何よりも事故低減に貢献することを期待したい。国内MaaSアプリにも新たな動きがあった。この6/17、JR東日本(JR東日本アプリ)とJR西日本(WESTER)のMaaSアプリ内に、それぞれ互いのアプリへのリンクボタンが設置された。また、例えば「JR東日本アプリ」で経路検索を行った際、検索結果画面にJR西日本の営業範囲にあたる「特定の駅」を着地とする検索が行われた場合、結果画面にJR西日本のMaaSアプリ「WESTER」へのリンクバナーが表示される。「WESTER」上で経路検索をした場合は、結果画面に「JR東日本アプリ」へのリンクバナーが表示される。今のところ特定駅とは、東京、品川、渋谷、新宿、池袋、上野、新横浜、仙台、長野、JR西日本側は、金沢、京都、新大阪、大阪、三ノ宮、岡山、広島、博多となる。今後両社は一部線区の走行列車位置を表示できる検討をしており、JR西日本では「WESTER」の「マイ駅機能」にJR東日本の主要駅を掲出できるよう検討中だ。UIに対する利用者の利便性の追求は、一朝一夕にという訳にはいかない部分もあるだろう。今後両社のアプリの普及率を上げるため、企業の総務や営業部、経理、出張の多いビジネスマン、一般旅行者、ホテルや代理店などの旅行業界、鉄道ファンなどの愛読紙だった「JR時刻表」や「JTB時刻表」が蓄積した利便性や、路線検索アプリ、フリーペーパー各社とのコラボレーションなどが生まれないか密かに期待したい。

2021年度東京臨海部実証実験の参加者を決定 他

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7月2日 NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が、管理法人を務め内閣府が実施する、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」において、①2021年度東京臨海部実証実験の参加者(22機関)を決定した。また、あわせて、②2019年10月~2020年度末まで実施した東京臨海部実証実験の成果を公表している。①については、交通環境情報の更なる広範囲での利用促進に向け、これまで整備したインフラ情報に加え、新たに公衆広域ネットワーク(V2N)を利用した「交通環境情報」を整備、実証実験を行う。本実証実験では、車両プローブ情報(実際に自動車が走行した位置や車速などの情報を用いて生成された道路交通情報のこと、その他ワイパーの使用頻度から天候情報、ブレーキングや燃費情報まで、様々な情報生成が期待される)を活用し、車線別の渋滞情報、交通規制情報、落下物情報、気象情報、緊急車両情報、事故車に関する情報などの「交通環境情報」を提供、本年秋以降に実証実験を行う。また、SIP自動運転では、自動運転システムの外界との接点となるカメラ、Radar、LiDAR等の各種センサーを同時に評価するシミュレーション評価基盤を構築するため、様々な交通環境を仮想空間で模擬できる実現象と一致性の高いシミュレーションモデルを開発しており、今後臨海副都心地域を中心に仮想的な安全性評価環境を構築し、参加者を募集し、本年度秋以降に実証実験を実施する。気になる②に成果報告ついては、3地域(A.臨海副都心、B.羽田空港、C.双方を結ぶ首都高)に分け、A.では、信号(ITS無線路側機)からの信号情報提供環境と信号情報とリンクした高精度電子3次元地図など、B.では、信号(ITS無線路側機)からの信号情報提供環境と磁気マーカー路線、仮設バス停、専用レーンなど、C.では、合流支援情報提供環境とETCゲート情報提供環境、車線別交通規制情報提供環境などのインフラが整備され、車載機器とともに実証された。A.では悪天候下や逆光などカメラや肉眼では認識が困難な状況でも信号灯火色の識別したり、信号が変わるタイミングを先読みし、急制動を防ぎ安全かつスムーズな車両停止に成功している。また、一般の自動車、自動運転車、歩行者等が混在する実交通環境下における影響評価を行っているが、交差点の右左折時の交通量や、歩行者の挙動に顕著な変化は観測されなかった。しかしながら、ジレンマゾーン(黄色信号切替え時点で、通常減速度では停止不可、かつ、現在速度維持で黄色信号中に交差点(停止線)通貨不可となる領域)の挙動では、自動運転車の判断とトライバーの判断に差が発生し、後続車が急制動を行う事象が観測されている。B.では、介助なしで車椅子の乗降を実現するバス停への正確な幅寄せの実現や、バス優先の信号制御により、平均所要時間の短縮及び運行の定時制などが検証された。C.では、高速道路上で視界を遮断する壁があるような合流地点でも、事前に本線を走行する車両を把握したり、ETCゲートを視認する前に開閉情報を取得し、安全かつスムーズな走行を可能とすることを検証した。今回の成果報告により、インフラ導入の効果の明確化、自動運転に必要なインフラ配置のあり方や、インフラおよび自動運転車が道路交通に与える正負両面の影響などについて整理を進め、更なる課題の抽出が出来たようだ。

MaaS Tech Japan、交通データ×人流データによる混雑予測情報提供を通じた行動変容効果の検証結果を公表 他

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7月1日 MaaS Tech Japanは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」の助成を受け、4/22には、移動情報統合データ基盤「TralSARE」(トレイザー)β版の開発を完了し、交通機関×人流データによる混雑情報ダッシュボード「PeopleFlow」を公開、ゴールデン・ウィーク明けの5/14には、「TralSARE」×LINE×Microsoft Azureとともに全国各地のMaaS普及拡大の支援を発表していた。5/24には「TralSARE」のサービスサイト(https://traisare.maas.co.jp)をオープンさせ、この6/29には混雑予測情報提供を通じた行動変容提案の可能性に関する評価検証を行い、その結果を公表した。「TralSARE」は、2019年から開発が進められ、各事業者などに多様な形式・フォーマットで保有されているモビリティデータを連携させ、様々な分析や予測を可能にするための「MaaSデータ基盤」だ。技術的にはその他、モビリティデータの「リアルタイム活用」(事業者のアクション策定に役立つ)、「解析の高度化」(シミュレーションに基づいて計画やオペレーションの改善・最適化に活用できる)などの特長を備える。その一つのユースケースに当たるのが、交通機関×人流データを掛け合わせた混雑ダッシュボード「PeopleFlow」だ。「PeopleFlow」を利用すると、交通機関の混雑を避けたいが従来は難しかった、ある期間中の、任意の時間の、鉄道駅周辺エリアや混雑多発エリアの混雑情報を、「人流データ」(どこからの流入が多いか?と言った人の移動経路を加味した分析)をもとに、事前に把握することが可能となる(平常時の混雑予測情報の提供)。そして遅延時の混雑参考情報(現在の鉄道等の遅延情報に類似した過去の日時の混雑情報)の取得が可能となる。4月のβ版で活用されたのは、鉄道駅・路線データ(公共交通オープンデータ協議会)や、混雑統計データ(ゼンリンおよびゼンリンデータコム)で、対象は首都圏エリア(東京、神奈川、千葉、埼玉)だった。「TralSARE」のユースケースとしては、東京メトロ(「my!東京MaaS」)、広島県(地域公共交通の維持確保を目的とした基盤づくりを推進する「広域MaaS推進事業」)などの名前が挙がる。東京都のモニタリング会議は、専門家が都内の新規陽性者数の増加比が上昇、感染再拡大が指摘され、現在の増加比が継続した場合、4週間後には1日に1000人を超える規模となると指摘、菅首相も東京オリンピックの観客の扱いについて「無観客もあり得る」と明言しており、来週にもその決定がなされる見通しだ。大会組織委員会は6/23に発表した観客の行動ルールを示したガイドラインで大声での応援の禁止の他、自宅と会場との「直行直帰」といった感染防止対策への協力を呼びかけている。

運転記録装置、新型車に搭載義務化 | 共同通信 他

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6月30日 自律運転車両は常に車両の周囲の状況や、自車位置、交通規制情報などをLiDARを始めとするセンサー類から収集し、或いは周囲の車や信号などのインフラ設備、歩行者(が持つ端末)、ネットワークから情報を得、車両の操作履歴や挙動などのデータを車上端末に蓄積、必要に応じてサービサーにこれらの情報を提供している。6/29に米道路交通安全局(NHTSA)は、自動車メーカーと先進運転支援システム及び自動運転システムを装備した自動車オペレーターに対し、衝突事故が起きたと分かった場合、1日以内に報告する命令を発した。一方、我が国の国土交通省は6/28に「今後の車両の安全対策のあり方 ~交通政策審議会自動車部会報告書の取りまとめ~」を発表した。交通事故の状況は、近年改善傾向にあるものの、令和2年においても死者数2,839人、重傷者27,774人であるなど、依然厳しい状況だ。今後5年間の対策の方向性は、①交通事故の更なる削減のため「高度な安全運転支援技術」の開発・実用化・普及促進がカギ、②少子高齢化が進展する中、高齢運転者の交通事故防止と子供の安全確保が重要、③死者数の半数超を占める「歩行者」「自転車乗員」の安全確保が重要、④交通事故の抜本的な削減に資する「自動運転技術」の開発を促進、となる。同省では、令和3年の「第11次交通安全基本計画」を踏まえ、今後の車両の安全対策の方向性及び目標を検討するため、交通政策審議会自動車部会の下に技術安全ワーキンググループを設置し、報告書を取りまとめた。報告書は「交通事故のない社会を目指した今後の車両安全のあり方について(概要)」「交通事故のない社会を目指した今後の車両安全のあり方について」となっている。前者の中身を拝見すると、重点項目の4番目に【自動運転関連技術の活用・適正利用促進】の中で注目したいのは、安全運転支援装置等の搭載加速化・性能向上の項目の下に「事故自動通報システムの搭載拡大、課題検討」、自動運転車の開発促進・安全確保の項目の下に「自動運転車のデータ記録安全基準の拡充」、またその他車両安全対策の1番目にある「車両安全対策の推進体制」の<今後の方向性の例>の中には、高齢運転者の運転特性等の把握や車載記録装置の活用の促進に関する項目があり、その配下に「EDR(イベントデータレコーダー)やドライブレコーダー等から得られる車両データの事故分析等での活用促進」との項目があることだ。自律運転の時代を迎え、車両の走行や運転に関わるデータは、普段からカメラやセンサなどの車上装置等により記録され、通常は車上の記憶媒体かクラウドに管理されることとなり、有事にはこのデータが事故状況などの検証・証拠データとして分析され、事故処理や保険、或いは訴訟、そして同じ事故を繰り返すことがないよう事故防止対策等に活用される流れが定着しそうだ。

シダックス、長崎・対馬市に社員派遣 自動運転バス支援 他

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6月29日 国連の持続可能な開発目標(SDGs)を推進する対馬市とソーシャル・ウェルネス・カンパニーのシダックスは「持続可能なしまづくりに関する連携協定」を締結し、同社よりデジタルマーケティング専門の社員を派遣し、自動運転バスの導入支援に取り組む。対馬市は707.42㎢の広大な市域を持ち、面積の89%を山林が占め、標高200~300mの山々が海岸まで続く急峻な地形を持つ島だ。人口は28,511人(令和2年 国勢調査人口速報集計)。産業は第一次産業が19.88%(うち林業は5%)、第二次産業が13.09%、第三次産業が66.93%(うち56%がサービス業)を占める。対馬ではスマートアイランドの実現に向け、①公共交通、市民の移動手段の確保、コミュニティの維持等社会インフラの整備、②観光へのMaaS導入による産業の振興、③林業作業等自動運転技術の活用による産業の振興と環境の保全、④自動運転船を活用した漂着ごみ回収による環境の保全などを行い、少子高齢化の進む市の社会維持や活性化を図っている。島内には小規模の集落が散在、道路は南北の縦貫線を軸として、そこから枝葉となる支線が伸びる構造だ。公共交通の維持コストやバスドライバーの高齢化が進み、免許返納者が右肩上がりとなった結果、住民の移動手段の確保に迫られる。観光では訪日外国人がレンタカーで島内を走行するスタイルが増え、交通事故増加や、観光や買い物スポットの検索が困難であった。また約9割を占める山の材積量(立木を含めた木材の体積)は1300万㎥と試算されるが、林業従事者は平成27年現在、141人に減少、林業の衰退が進み資源の産業化が出来ない。またリアス式海岸である浅茅湾(あそうわん)を有する等複雑な海岸線の延長は915㎞に及ぶ。特に西海岸には、近隣諸国から流れ着く大量のゴミ(産業廃棄物)が押し寄せ、環境問題となっている。対馬市では、これらの課題に対し①コミュニティバスの維持等、市民の移動手段の確保、②観光路線でのMaaS活用、③自動運転の林業機械の導入による、森林資源の利用量を増やし、産業振興を図る。④自動運転船を活用し漂着ごみの回収を行うことで、コスト削減と、収集したごみのリサイクルを図るなどの方向性を示している。2019年8月に対馬市と明治大学研究・知財戦略機構自動運転社会総合研究所、SBドライブ(現:BOLDLY)などが連携し「対馬厳原港まつり」の開催に合わせ、自律走行バスの実証実験を行っている。当時の実証実験の目的は、自律走行バスの社会受容性の拡大や実用化に向けた課題の整理など。今回、自動運転バスの導入支援はシダックスの傘下にある大新東株式会社が、車両運行事業や情報通信技術(ICT)を担う。同社は車両運行管理アウトソーシングでは、民間企業や官公庁・自治体を含め、約1,100団体の顧客と約3,600台の車両運行管理を、旅客自動車運送事業においては、利用者減による民間バス会社の路線撤退、財政難の中での補助金の交付などを抱える自治体の課題解決を図るエキスパートで、路線バス撤退後の自治体バス(民間路線代替バス)の運行管理を各地の自治体から受託している。同時に要望に応じてデマンドバスの運行等の提案を行っており、2019年6月現在で98台~のコミュニティバスの運行管理業務を受託している。約1年前に当たる令和2年6月23日に行われた対馬市の「第2回 対馬市議会定例会会議録(第8日)」では、自動運転バスが運行できるエリアが拡大されないと(住民の)理解が進みにくい、との質疑に対し、比田勝尚喜(ひだかつなおき)市長は、自動運転関係を本年度も上地区で進める旨を回答し「AI関係を活用して進めるとして、今対馬の中でこの情報通信の部分がまだまだ脆弱であるので、この情報の脆弱さを是正する意味でも、インターネットの基盤関係をもう少し整備する必要があろうかと考えているところであり、今現在総務省の地域情報化のアドバイザーである鹿児島大学の先生のご支援を受けて、対馬市の情報通信基盤整備の策定に着手している」旨を回答している。このやり取りは、自動運転バスを導入する自治体は、自動運転バス自体に係る導入費や運用コスト以外にも、市域の情報基盤の整備コストを考慮する必要があることを示唆している。実証に参加したSBドライブ(現:BOLDLY)の力を借りたいところでもある。その後の経過が気になるところだ。

「気仙沼線BRTにおける自動運転バス試乗会」開催 JR東日本/ソフトバンク/NEC/京セラ/ジェイテクトなどが連名で発表 他

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6月28日 三陸海岸沿岸の自治体にとって、いまや生活に欠かせない足がBRTだ。このBRTは主に2路線あり、「気仙沼BRT」と「大船渡BRT」だ。2011.3.11の東日本大震災で被災し、不通になった鉄道路線を再活用させる手段として活用されている。前身はJR気仙沼線(前谷地駅~気仙沼駅間の17.5km、6駅)、うち柳津駅~気仙沼駅間が不通となった。同じくJR大船渡線(一ノ関駅~気仙沼駅間の、62.0km、14駅)、被災したのは竹駒駅~細浦駅間の各駅と大船渡駅、橋梁は陸前矢作駅~竹駒駅間の気仙川橋梁など3箇所が流失等の被害に遭った。震災後の復旧には目を見張るものがある。大船渡線の復旧には凡そ400億円が必要と試算されたが、鉄道での復旧を要望していた気仙沼市、陸前高田市、大船渡の3市は、うち270億円の公費負担が困難であることを踏まえ、平成15年12月にBRTに転換し、路線の存続を図る方針を示した。当初の風潮は「BRT受入れ、やむなし」の感もあった。それから18年の歳月が過ぎた。JR東日本は、この6/25に気仙沼BRTに新駅「大谷まち駅」「東新城駅」、大船渡BRTに「内湾入口(八日町)駅」を、2022年春に開業すると発表した。工事はこの7月から始まる。何れも専用道上に駅が設置される。また、気仙沼BRTにおいては、JR東日本、先進モビリティ、愛知製鋼、京セラ、京セラコミュニケーションシステム、ジェイテクト、ソフトバンク、日本信号、日本電気、BOLDLYは、同じく6/25に地域住民の方向けに「自動運転バス試乗会」を9月(開催:9/14~9/19まで)に開催することを発表している。試乗区間は、柳津駅~陸前横山駅間(4.8km)、試乗会の目的は、これまでの実証実験などの成果を乗り心地や安心感を含め、地域住民の方をはじめ、多くの方に知っていただくためだという。自動運転走行は時速60km、トンネル内走行(磁気マーカ使用)、障害物検知による自動停止、対向バスとの行き違い(LTE+ITS無線を使用)、車内モニタリングなどが盛り込まれている。試乗会においては、緊急時に備えたドライバーが同乗する。また、柳津駅・陸前横山駅では正着制御を実施するなど、技術的な見どころも豊富だ。また、地上側に設置された風速計が自動運転システムと連携、強風時はリアルタイムでドライバーに運転を引き継ぐなどの対策も施されている。いつの日か気仙沼の「黄金龍のハモニカ飯」*片手に自動運転バスに揺られてみたい。*ハモニカとは、気仙沼メカジキの背びれの付け根部分、煮付けた脂(トロ)の旨味が最高らしいです。

ウーブン・アルファ、三菱ふそうと自動地図生成プラットフォームの先進運転支援技術への活用に向けた共同研究を開始 他

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6月25日 トヨタ自動車の子会社であるウーブン・プラネットHDのグループ会社、ウーブン・アルファと三菱ふそうトラック・バス(株)は、従来のカーナビゲーション用の地図情報から、ウーブン・アルファ社が開発する自動地図生成プラットフォーム「AMP(Automated Mapping Platform)」を用いた共同研究を始める。手始めに三菱ふそうトラック・バスが開発するカーブ進入時速度超過警報装置にAMPを実装する。カーナビ用の地図情報の精度はメートル単位となり、自動運転車両には不向きであり、高精度な地図情報の生成や更新には専用の計測車両が必要とされ、コストがかさむ。共同研究では、道路車線や信号、標識などの変更情報を、道路を通行する「一般車両」や衛星・航空写真のデータを用いることで情報計測のコストダウンを図り、更新頻度や計測範囲を向上させ、商用車の事故防止に貢献する。ウーブン・アルファ社は、トヨタ自動車といすゞ自動車(トラック業界グローバルマーケットシェア5位)、日野自動車(同6位)と商用事業で協業を決め、Commercial Japan Partnership Technologiesを設立している。AMPの強みでもあり課題でもある「データ収集」の計測パートナー群に、三菱ふそうトラック・バスが加わり、ここにUDトラックスが加わる日もそう遠くはないものと思われる。また三菱ふそうバス・トラック(国内販売シェア3位)は、ドイツの大手自動車メーカーダイムラー(トラック業界グローバルマーケットシェア2位)の連結子会社でもある。その先はトラック業界グローバルマーケットにおいて、1位の東風汽車集団(Dongfeng Motor Corporation)や3位のタタ、4位の中国重型汽車(CNHTC, Sinotruk Group)などとの連携を図るのか、中国国内の地図情報サービスである、百度地図、アリババ傘下の高徳地図、北京四維図新科技、易図通科技「滴滴出行」の地図サービス「滴滴地図」など地図情報サービスとの連携も想定される。世界が互いに自動運転の恩恵を受けるためは、各国が「高精度地図」の技術的要求にいかに柔軟に対応するか、また現行の自動運転システムにおいて恒久的な更新を要求される「高精度地図情報」を、自由に流通させる市場を構築できるかが鍵となる。国交省は2020年5月の自動走行ビジネス検討会「自動走行の実現に向けた取組報告と方針」報告書概要Version4.0において「高精度三次元地図について、高速道路については全線での整備が完了しており、その活用や更新技術の開発を促進する。また、一般道についてはニーズに応じて優先順位を付けて整備を推進する」「国連WP29において、我が国は自動運転に係る基準等について検討を行う各分科会等の共同議長等として議論を主導しているところ。引き続き我が国が議論を主導して、高速道路でのレベル3自動車線維持機能や自動運転車の認証手法に関する国際基準の策定に向けた検討を進める」としている。

柏の葉スマートシティに自動運転車などのテストコースを新設 他

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6月15日 6/12に新潟市とドローンの航路設計のインフラ企業TOMPLAは、新潟駅南口にある新潟副都心構想の先駆けとなった複合ビル「プラーカ1」の屋上から、およそ180m先の「プラーカ3」の屋上まで、ドローンを使用した貨物の配送実証実験を行った。今回輸送されたのは、新潟産の米粉を使ったパスタと書籍。ビルテナントのショップスタッフが商品を積み込むなど、実用時のオペレーションを確認、配達先となる「プラーカ3」のドローンポートで注文したパスタを待つ、新潟市の中原八一市長のもとに無事「非接触」で届けることに成功した。TOMPLAは、ドローン宅配やドローン運行管理業務支援、ドローンソリューションのコンサル事業などを行っている。現行の航空法では無人地帯のドローン目視外飛行(自律飛行)、有人地帯での目視飛行が認められているが、許可は降りにくい模様だ。2023年に向け有人地帯における目視外飛行を認める方向で法改正が進む。その意味で政令指定都市の中心駅となる新潟駅前でドローンの飛行実証が行われた意義は大きい。同社は今後市内での実用サービス提供を目指す。新潟市はドローン物流の先進地域、ドローン関連企業の集積地となる事を目指している。同市は過去に新潟地震や新潟・福島豪雨等による被災歴を持ち、市域の1/4が海抜0メートル地帯でもあり、冬季の日本海の厳しい風浪による海岸浸食や大雪、地吹雪などの自然環境下にある。また新潟駅は首都圏と日本海側の各都市とを結ぶ交通の要衝でもあり、油槽所やLNG基地を有する日本海側のエネルギー拠点でもある。新潟市の海岸線延長は、58.6km。同市や県警は沿岸部での警察活動を強化し、海上や沿岸部において不審な船舶や人物、車両、海岸に漂着するポリタンクや注射器・薬品ビンなど医療系廃棄物などの漂着を見つけた際の通報を呼びかけている。海保の新潟海上保安部では、治安確保や海難救助、海洋環境保全、自然災害対応など業務に基づき、海洋情報の収集や管理、提供を行っている。新潟市は海上自衛隊向けのUS-2などの救難飛行艇等の開発・製造、ボーイング社787などの主翼スパー(桁)など民間航空機のコンポーネント製造を担う、航空機産業の老舗「新明和工業」(ShinMaywa)の固定翼型無人航空機「XU-S」の研究開発も支援している。同機の主な使用目的は、観測や監視、通信などだ。全長2.5m、翼幅6.0m、飛行重量8.0kgの機体は繊維強化複合材を用い、無線操縦も自律飛行も可能だ。2019年10月に行われた実証実験では、新潟市より補助金と飛行場所の提供を受け、高度100mを目視飛行で1時間飛行、また2020年10月27~28日には、佐渡空港から加茂湖上空までの、高度30m~140m間において周回飛行させ、長岡技術科学大学とともに電波伝搬特性試験(169MHz帯域の無線通信の電波伝搬特性を解析、優位性の検証及び中継局のハンドオーバーによる通信エリア広域化の検証)を行っている(同月20日には、新潟空港にて性能検証試験を実施、3時間42分の滞空と135kmの飛行を実現している)。新明和工業は最大離陸重量20kg、ペイロード5kg以上、目視外飛行で4時間以上の滞空時間達成を目指す。電波伝搬特性試験が成功し実用段階に入れば、地上基地局や船上の基地局とし、越佐海峡(本土との最短距離約32km、新潟市から45km)を結ぶ、ドローンによる新たな空路が開かれることになる。

羽田空港の国内線出発ゲート全域で自動運転の低速モビリティが無料で利用できる WHILL自動運転システム 他

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6月14日 「TOKYO 2020」まで残り、39日。「選手村に滞在する選手や関係者の80%以上が(ワクチン)摂取して来日できる見込みについて、IOCは一層の確信を得ている」(6/9_IOC理事会後の橋本聖子会長のコメントから)。国内では大会によるコロナ感染の再拡大の不安と開催への期待が入り混じるも、アスリートも、IOCも、大会を応援する人々も、コロナ禍という、これまでにない運営環境において安全な大会の開催に挑もうとしている。オリンピック選手村で選手や大会関係者の移動をサポートしたり、空港のラストマイルで活躍するビークルも、実践投入を控え、いよいよ最終調整段階とみられる。トヨタの「e-Palette」(イーパレット)には「東京2020オリンピック・パラリンピック仕様」が存在する。全長5,255mm、全幅2,065mm、全高2,760mm。一台当たりの乗員は20名(オペレータ1名含む)、車椅子が乗車する場合、4名が着座し7名が立ち席となる。車内は選手の身長差を考慮、シートや手するの高さに変化を付け、色弱の過多に配慮し色に明度差がついた配色を床や手すりなどに採り入れたり、また照明は心理的に集中力を維持したり、リラックス出来る効果を考慮したものだ。ドア解放時には車内の半分以上の空気が換気され、手すりなど手の触れる場所にはウイルスコーティングや抗ウイルスフィルムを使用している。また選手以外の乗客についても、自動運転ながらスムーズな加減速やカーブ走行を実現、また高い正着性により車いすやベビーカーの乗降もし易い。車外では歩行者等への接触防止のため、歩行者の自動検知やフロント及びリアの表示装置による「アイコンタクト」で、道を譲る設計となっている。「e-Palette」の各機能(正着制御、横断歩道での歩行者検知、緊急停止など)の仕上がり具合は、トヨタ自動車株式会社のYoutube公式チャンネルでも公開されている。また、空港や病院、博物館、ショッピングモール、展示会場等、遠距離移動の伴う施設内のラストワンマイルでの移動を支援する「WHILL」も、6/10に「TOKYO 2020」の玄関口である羽田空港の「国内線」第1・第2ターミナル出発ゲートラウンジ全域に「WHILL自動運転システム」を展開させたと発表している*。歩行や移動が困難である利用者の移動補助とラゲッジ運搬を前提とし、空港係員との接触による感染拡大の回避にも寄与する(*第1ターミナルは、6/14から全域、第2ターミナルは6/14からは北エリアのみ、7月中旬から全域に展開)。自動運転システムは「マニュアルドライブ(搭乗者による手動運転)」と、オートパイロットをサービスパッケージとして選択出来、e-Paletteと同じく「衝突回避機能」も備えており、周囲の歩行客や設備などとの衝突リスクを軽減する。広大な施設においては、指定場所への「自動返却機能」もなくてはならない機能だ。開催までまさに前途多難と言える過程を経て来た本大会だが、傍らでともに寄り添って来た「おもてなし」の技術が、本大会後はよい思い出と共に、世界や国内の各地で移動に困難を抱える方々に利用されるようになる事を願いたい。

茨城・龍ケ崎市や関東鉄道、MaaS協議会旗揚げ 他

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6月11日 茨城県の龍ケ崎市で次世代移動サービスMaaSについて考える協議会が立ち上がる。今秋(11月~12月)に予定されている実証実験と交流人口の拡大に向け、地域が動き始めた。協議会名は「龍ケ崎市MaaS推進協議会」、協議会には龍ケ崎市地域公共交通活性化協議会(国交省関東運輸局茨城運輸支局、茨城県、茨城県竜ケ崎工事事務所、竜ケ崎警察署、一社)茨城県バス協会、関東鉄道労働組合、関東鉄道(株)、平成観光自動車(株)、龍ケ崎地区タクシー運営協議会、流通経済大学、筑波大学大学院、龍ケ崎市、同市商工会、NPO法人ユーアンドアイ、市民代表3名)、同市の商工会、流通経済大学、県立竜ケ崎第一、第二高校が参画する。ちなみに龍ケ崎市地域公共交通活性化協議会の会長は「関鉄レールファンCLUB」の十文字 義之氏(鎌倉市在住、写真家、物流専門紙記者)が務める。協議会や同クラブは「入地駅待合室のお化粧直し」、「お掃除し隊&石拾い隊」、「関鉄レールメイト」(関鉄PRのマスコットレディー)と連携した「駅コン」などのイベントを開催し、「竜鉄」(関東鉄道竜ヶ崎線の愛称)を支援している団体だ。*「入地駅待合室のお化粧直し」には地元の竜ヶ崎第一高校も参加している。龍ケ崎市の「龍ケ崎市地域公共交通網形成計画(平成29年3月*)」(*2017年3月)によれば、地域社会の状況は人口減少と少子高齢化、市街地が4地域に分散、自家用車への依存度が高い、牛久市やつくば市、東京方面への移動が多く、公共交通には本数の増加や運賃の負担軽減、乗り継ぎ、情報提供、移動時間短縮などが求められていた。当時の市内公共交通は、鉄道や路線バスの補完としてコミュニティバス、乗合タクシーが運行されていたが、利用者の満足度は低下しており、JR常磐線の利用者の減少、関東鉄道竜ヶ崎線および路線バスの利用者は微増、乗合タクシーの利用者は増加していた。このため、龍ケ崎市では地域公共交通の連携と交通結節点へのアクセス性の向上、まちづくりと一体化した交通ネットワークの構築、持続可能で利便性の高い地域公共交通の提供、広域連携を支える地域公共交通の確保を課題としていた。「竜鉄」への愛と地域社会の行動力が地方鉄道と地域の交通ネットワーク全体を「皆が乗りやすい」ものに変えて行くことを期待したい。

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