MaaS・CASE関連の最新ニュース(38 / 65ページ目)

自動運転バスの公道実証実験を塩尻市で実施へ…ドライバー不足や、運行とニーズとのギャップが課題 他

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11月25日 塩尻市で、11/24~11/27まで公道におけるバス型自動運転車両を用いた「塩尻型次世代モビリティサービス実証プロジェクト」が始まった。本実験で用いられる高精度三次元地図(ダイナミックマップ)は、塩尻市・一般財団法人塩尻市振興公社が実施する公設クラウドソーシング事業「KADO」が募った子育て中の女性など、地域住民が作成したものだ。クラウドソーシングとは、不特定多数の人にインターネットを活用し応募者を募り、自社の業務を委託する方式のことを言う。必要な時に人材やスキルを気軽に調達できる。「KADO」はコロナ禍で収入が不安定となった人やリモートワークを考えている層に、ライフスタイルに合わせ就労時間に拘束されない「働き方改革」を提案する格好だ。具体的には自動運転に必要となるダイナミックマップのタグ付け、地図作成などに市民の参加を募った。これらは実証実験後も、路線の設定毎に継続して雇用機会を創出できる。MaaS実証実験を新規雇用の創出に結びつけたアイデアはさすがだ。バスやタクシーのドライバーに遠隔監視業務を担ってもらったり、地元の高齢者向けのスマホ操作教室を開催したり、或いは新しい給電スタンドを設置したり、新しく生まれる交通モードが生み出す地元経済への波及効果にも注目していきたい。

スマート社会へ:公共交通機関のアプリ開発(福島県会津若松市)他

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11月24日 地方自治体へのMaaSを実装する際の担い手と言っても、大手私鉄の社員の方から地方のスマホ教室の経営者まで、多彩だ。福島県会津若松市では市内のICT関連企業や公共交通機関などで構成する「会津SamuraiMaaSプロジェクト協議会」は、参画する企業や団体など(【構成員】会津バス、アルプスアルパイン、会津若松市、会津鉄道、デザイニウム、三菱商事、KCS、JR東日本、NEC会津IC、福島大学【オブザーバ】ITS Japan、会津大学)が連携しつつ社会受容性を高めている。MaaSの普及にはビッグデータとアプリ以外にも、移動需要の創出や高齢者へのスマホ操作支援など、コミュニティの中に様々な人的支援層が必要とされる。同プロジェクト協議会では、相乗り型タクシーやダイナミックルーティングバスの利用前提となるスマートフォン教室(ソフトバンクが協力)を今年6月以降、月2回開催しているそうだ。高齢者を含む移動弱者の中には、これらの知識共有が必要な層が含まれるためだ。こうした着実な足場固めが出来る協議会はまだ少ないのかも知れない。今後とも同協議会の取り組みと成果に注目し、素晴らしい取り組みの共有を期待したい。

国交省、日本版MaaS普及に向け支援事業者を追加発表 キャッシュレス導入支援など 他

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11月20日 国交省はMaaS普及に向け、基盤整備の一環として地域の交通事業者への導入支援を継続している。本年5月にはAIオンデマンド交通導入(5事業者)、7月にキャッシュレス経済の導入支援(8事業者)、そして同ジャンルに新たに18事業者への交付・支援を発表した。また、運行情報等のデータ化においては、新たに10事業者への交付・支援を発表している。同省が目的とする全国へのMaaSの普及を考える。全国に先駆け、先に交付・支援を受けた各事業者はMaaS導入について、これら情報への感度も高く、積極的に取り組みを行える素地を有し、あるいは喫緊の課題解決を迫られている事業者と見て良い。だが、発表の中からは「今後」導入を図ろうとする各交通事業者への資金面以外での推進策が見え辛い。本当に支援が必要な地域の小規模事業者が「MaaSの必要性を意識し、行動を起こすに至る」情報が行き届いているか。同省としても「おんぶに抱っこ」までは出来ない側面があるのかも知れないが、小規模事業者に資金交付・情報支援が行き届いてこそ、本来支援が必要な地域においても、MaaSの普及速度が上がるのではないか。移動の自由について「格差」は広がってはならない。

長野県塩尻市で自動運転バスの実証実験、KDDIなど 他

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11月19日 長野県塩尻市で塩尻型次世代モビリティサービス実証プロジェクトの一環として自動運転バスを使用した実証実験が始まる。長野県の交通の要衝においても、人口減少・少子高齢化、また交通事業者の高齢化、担い手不足が進んでいる。持続性の高い交通体系の確保を目指し、バス型およびタクシー型の自動運転車両の走行実証実験、AI活用型オンデマンドバス「のるーと塩尻」の実証運行を行い、市民の足の利便性の向上を狙う。オンデマンドバスについては、11/1(日)~11/30(月)まで高出・桔梗ヶ原地区の全域と、大門・広丘郷原・洗馬・塩尻東地区の一部エリアで運行される。実証実験の成否や将来的展望を形作る要素の一つにコース取りがあると思う。今回の実験は、市街地の移動に重きを置いたイメージだ。塩尻は、県道258号線(旧中山道)沿いの「木曽平沢」重要伝統的建造物群保存地区や、「美しい日本の歴史的風土100選」に選ばれた「奈良井宿」などの観光資産を有する。またレジャー面ではみどり湖や信州塩尻農業公園チロルの森、平出歴史博物館なども擁する。走行条件をはじめ、様々な要素との調整や検討も必要になるが、次なる機会には市内から観光スポットへの往来や、お隣の松本市や諏訪市との往来も実験に加えることにより、経済的な持続可能性も検証できるのではないだろうか。

NearMeと三菱地所、都市型MaaSの実証実験を本日より開始 他

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11月18日 コロナと都市型・観光型MaaSについて。NearMeと三菱地所が東京都港区発着~中央区・千代田区と、世田谷区・渋谷区の2方面から「三菱地所のレジデンスクラブ」会員を対象に、オンデマンド型のシャトルを運行し、都市型MaaSの実証実験を始める。三菱地所は、入居者の満足度向上やエリアの価値向上のため、住まいのバリューマネジメントとしてサービス拡大を検討している。また、WILLER株式会社の村瀬 茂高代表は、この9月にバス事業者57社で「高速バス安心推進コンソーシアム」を設立している。利用者の不安点や要望を吸い上げ、利用者が「行きたいと思ったときに、安心して移動できる」環境を作り上げていきたいと考えているようだ。国内では、昨今、1日に2千人がコロナウイルスに感染するご時世だ。すべての交通機関利用者の切なる願いは、感染拡大防止対策、つまり「安心サービス」だ。NearMeと三菱地所の今回の取り組みは、自社顧客に対しての「小さな公共による安心感の提供」であり、高速バス安心推進コンソーシアムの取り組みは「大きな公共であることを前提に、事業者と利用者に感染拡大防止対策を啓蒙することにより、互いの安心を高める取組み」だと言えよう。いま、都市型・観光型MaaSはコロナ禍による、生まれて初めての試練を受け、それに適応しようと懸命だ。せっかくのMaaSアプリ、乗車中にアンケート協力のアナウンスを試みたり、アンケート機能を駆使して利用者の意見に耳を傾ける取り組みを強化してみてはいかがか。

5Gでトラクターの自動運転実験 農道の走行も目指す 北海道 他

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11月17日 北海道岩見沢市。明治15年11月13日、幌内煤田鉄道の幌内~手宮間が全線開通。翌年、札幌県勧業課岩見沢派出所が設置され、明治17年に山口・鳥取他10県から士族277戸、1,503人の集団移住により開拓が始まった。札幌から40km圏内、道内有数の農業地帯だ。平成27年の調査によれば、農家数1,041件、経営耕地面積は 1,733,866アール。収穫される主な作物は水稲、小麦、大豆、玉ねぎなど。農家戸数が減っていく反面、経営耕地面積は殆ど変わらないため、年々一戸当たりの経営耕地面積が拡大、農業従事者の高齢化も進む。このような状況を鑑み、北海道大学や岩見沢市、NTT、NTT東日本、NTTドコモは 2019年6月28日に「最先端の農業ロボット技術と情報通信技術の活用による世界トップレベルのスマート農業およびサスティナブルなスマートアグリシティの実現に向けた産官学連携協定」を締結した。北大は無人ロボットトラクターの遠隔制御技術研究開発・技術協力等、岩見沢市は農業者や住民のITCニーズに係る知見の提供や地方創生に向けた社会サービスの企画・検討などを行う。NTTグループはICTに関する最先端技術の研究開発・技術協力、自動運転農機を制御するための無線アクセス(ローカル5G等)を活用したネットワーク、通信デバイスおよびオペレーション等の企画・検討、スマートイノベーションラボ(AI・IoT技術の実証環境)の提供およびデータサイエンティストによる技術協力、自動運転農機実証実験における5G通信環境の提供、ロボティクス・自動運転技術を活用したスマート農業への5G実装に向けた技術協力、高精度位置情報配信に関する技術協力などを行う。市内には、利用者側となる生産者で構成される「いわみざわ地域ICT農業利活用研究会」がある。研究会では、実際の種まきに必要な位置情報の精度を確保するため、RTK-GPS等を導入、その為に必要な基地局も市やJA、関係団体と協力し設置、運用なども研修会を設け、使用方法を学習したり、その普及や基地局を有効活用する件数を増やすなどの取り組みも行っている。今後はリモートセンシングや、ドローンの活用なども視野に入れる。

JR東日本、スマホ1つで東北旅行「TOHOKU MaaS」。キャッシュレスも推進 他

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11月2日 JR東日本は東北6県で2021年4月1日~観光型MaaS「TOHOKU MaaS」を開始する。同期間に始まる「東北デスティネーションキャンペーン(以下DC)」の開催に合わせる。展開エリアは青森・弘前、秋田・男鹿及び角館、一関・平泉、置賜及び庄内、仙台・宮城と会津エリアになる。新幹線のeチケットやモバイルSuicaを組合せ、スマホ一つで旅の行程や予約・キャッシュレス決済ができるようになる。これに向け、東北経済局、東北六県商工会議所連合会では、利用者の最終消費先となる地元経済の「キャッシュレス化」を進める。クレジットカードや電子マネーの利用先として考えられているのは、各エリアの観光スポットや商店街、宿泊施設、土産物店、飲食店、エリアチェーン(ドラッグストアなど)、移動に欠かせないタクシーなど。観光型MaaSが並走するDC成功には、地元経済のキャッシュレス化への理解と進展が大きく影響すると考えられる。この仕組みには、中間決済を担うカード会社や金融機関の協力も欠かせない。上記連合会の会長(会頭)となる仙台商工会議所では、12/9(水)にキャッシュレスとクラウド会計による業務効率化と題するセミナーを開催する。東北6県のDCは1985年以来、36年ぶりとのこと。東日本大震災(2011年)から10年目となる今年コロナ禍に揉まれる東北経済再興の一翼を担う。

MONET、「春野医療MaaSプロジェクト」に参加 他

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10月30日 10/19から、静岡県浜松市天竜区春野地区に於いて「春野医療MaaSプロジェクト」(磐周医師会、仁成堂小澤医院、MONET、杏林堂薬局、トラジェクトリー㈱、博報堂、浜松市モビリティサービス推進コンソーシアムが参加)が始まった。先に長野県伊那市で行われた「医療MaaS」(フィリップス・ジャパン、MONETが参画)の拡大版と言えるかもしれない。春野地区においても、伊那市と同様に、継続的な診療を必要とする通院のための移動困難者の増加や医師の人手不足(高齢化・負担増加)が課題となっていた。ここに移動診療車によるオンライン診療や服薬指導、ドローンや薬局の配送員による薬剤の配送が充てられる。一方浜松市は天竜区の佐久間町に於いて、地産した再生可能エネルギーをEVタクシーで活用するMaaSプラットフォームの導入計画も進めている。将来的に地域の経済として「持続可能な」移動・医療サービスを構築できるよう、診療システムにおける投入車両台数、稼働率など「×N倍」となる運用コストの低減も見据えているのではないか。

日野自動車、ダム現場でダンプ自動運転 作業を効率化 他

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10月29日 三重県伊賀市に建設中の川上ダムというダムがある。ダムがつくられる前深瀬川は、流域面積約56.2㎢、幹川流路延長約15.5㎞、昭和42年に当時の建設省が予備調査を開始、平成5年1月26日に建設大臣から事業実施の認可が下り、平成30年9月2日にダム本体工事起工式を行い、令和元年12月15日に定礎式を行った。本ダムでは建設作業員の高齢化や人手不足を補うため、今年2月よりKDDIと大林組、NECが共同で5Gを活用した建設機械の遠隔操作実験を行ったり、現場でロボットを最大限活用する実証実験が進む。タワークレーンから区画ごとにコンクリートを流し込む作業やコンクリートの締め固めという作業を行う重機も全て工事事務所のPCから管理する。同業の鹿島建設では自律作業できるブルドーザーやダンプカーを開発し、24時間稼働の実現に挑む。日野自動車と大林組は、11/1から本現場でLevel4相当の大型ダンプトラックの実証実験を開始、自動化に向けてデータの積み上げを行う。本工事現場の例のようにBIM・CIMなどの技術を用いて現実空間とバーチャル空間を結び、建設プロセスを高度化させる概念を、ロボティクスコンストラクションと呼ぶ。

「奥京都 MaaS」は1日乗車券ではなく24時間乗車券。JR東と京阪 他

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10月28日 京阪ホールディングスとJR東日本は、10/27~1/31にかけて京都の洛北エリア、大原・八瀬、鞍馬・貴船などで「奥京都MaaS」の実証実験を行う。Web上で、洛北エリアを周遊するモデルコースをわかりやすく提案、おトクな鉄道・バスの特典付き企画乗車券および飲食チケットの販売、デジタルスタンプラリーなど趣向を凝らした内容だ。企画乗車券も従来の一日乗車券とは異なり、24or36時間(最大一日半)まで有効だ。叡山電車・京都バス・叡山ロープウェイ・叡山坂本ケーブル(ともに京阪グループ)が利用できる(*選択コースによる)。なお子供料金は「すべて半額」です。この実験においても、コロナ感染拡大防止のため、利用者自身が混雑を避けられるよう判断できるドコモ・インサイトマーケティングの「モバイル空間統計人口マップ」が地図情報と共に提供される。また京都市・京都市観光協会が取り組む「とっておきの京都プロジェクト(https://totteoki.kyoto.travel/)」と連携し、穴場スポット情報が得られる上、大原エリアにおいては三次交通としてドコモ・バイクシェアの電動アシスト自転車で移動!との選択肢も設定されている。各コースの検索・手配・決済はJR東日本の「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」により構築されている。ぜひとも定番化して欲しい実証内容だ。

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