MaaS・CASE関連の最新ニュース(6 / 65ページ目)

「大阪・関西万博」を見据えて大阪メトロなどと共同で行う次世代都市交通システムの実証実験で、自動運転バスの走行および遠隔監視業務を実施 他

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3月31日 昨日は、最近各地で盛んに実証実験が行われたり、導入が進む「MaaS」(Mobility as a service)において、その決済手段の一つである「Visaタッチ」周辺の話題について書かせていただいた。本日はクレジットカード系タッチ決済以外のQRコード決済と、顔認証決済についてお伝えしたい。まずQRコードからだが、全国の交通事業者の導入事例を俯瞰すると、さらに①「QRコード乗車券方式」と②「QRコードをスマホ上に表示、乗車時にリーダーにかざす方式」に区分することが出来る。①は東武鉄道「TJライナー」(着席整理券確認システムに導入)、ゆいレール(Alipay/QR乗車券)、北九州モノレール(磁気式の切符をQR券に切替え)、JR東日本(高輪ゲートウェイ駅/Suica)、阪神電気鉄道(2020年3月~2021年2月/QRコードを使用した乗車券の実証実験)などで実証・導入が行われている。②は、大阪メトロ(2019年12月10日~2020年9月30日/QRコード改札+顔認証実証実験)、近畿日本鉄道(2022年春~改札機にQRコードリーダー設置)、福岡市地下鉄(2022年3月~Visaタッチを活用した一体型改札機通過に関する実証実験)や南海電鉄が実証を行っている。うち南海電鉄は、2020年12月からVisaタッチ決済とQRコードによる改札機の入出場の実証実験を発表し、2021年4月3日~12月12日まで、同社の16駅32改札に専用改札機を設置している。同時に9時以降に入場可能な「時差通勤応援きっぷ」を発売した。JR東海は、新幹線における訪日外国人向けサービスを2021年春から実施している。(うち、stera transitを導入する事業者は、一部PayPayや、楽天ペイ等でも、QRコードでの運賃決済を可能としている。小田急電鉄は、今年2月22日にEMot等で販売するQRコード付き「デジタル箱根フリーパス(小田急線乗車券付き)」を対象に、小田急線全70駅の有人改札にて専用端末によるQRコードを利用した改札認証を開始すると発表した。利用者には、有人改札付近に設置する専用端末に取得したQRコードを読み込ませ、改札を通過してもらう。近鉄も2021年12月1日に、自動改札機にQRコードリーダーを設置、2020年春からクレジット決済で購入出来るデジタル乗車券の販売を始めると発表している。近鉄が初めに手掛けるのは、近鉄名古屋駅から伊勢志摩方面の観光地などを周遊できるデジタル乗車券で、QRコードリーダーの付いた自動改札機は近鉄名古屋、伊勢市駅、宇治山田駅、五十鈴川駅、鳥羽駅、鵜方駅、賢島(かしこじま)駅の合計7駅に設置する。QRコードによる支払いも、QRコード乗車券方式から、徐々にQRコードをスマホに表示させ、リーダーで読み取らせる方式へ移行しつつある流れが分かる。前述したが「Visaタッチ」の普及に伴い、PayPayなどのQRコード決済ブランドで乗車する方式も増加傾向(クレカタッチ方式+QRコード決済)にあると言えよう。公共交通事業者にとっては、交通系ICカード等が普及したとはいえ、普及率は100%とは言えない。或いは首都圏でも鉄道を利用しない人や海外旅行客など、ICカードを持たない利用者も一定割合存在する。またICカード乗車券を導入していない地域も存在する。その中で一定の利用がある紙の乗車券を廃止し、チャージなどの手間のあるICカードへ完全移行してもらうのは困難であり、ICカード乗車券では自動改札機のコスト削減は可能だが、紙に印刷できるQRコード乗車券よりもコストがかかるようだ。海外では、紙の乗車券の代わりにトークンを利用する事業者も存在するが、トークンの場合、預かり金を徴収し、降車駅で払い戻すか、出口側の改札でトークンを回収し再利用することで、運用上のコスト膨張を抑制している。この点、QRコード乗車券であれば、紙に印刷した乗車券は基本的に使い捨てとし、自動改札機の機械的な可動部を減らすことが出来る。複数のQRコード決済ツールとの連携も可能となるため、海外で普及しているQRコード決済ツールとの連携を図ることで、訪日観光客の利便性向上にも寄与することも出来る。顔認証は、交通機関を利用した際の決済のために、現金やクレジットカード、スマートフォンなどを持ち歩く必要がない。暗証番号の入力やアプリの立ち上げの手間がないため、スムーズに決済を完了させることが出来る。またマスクを着用したまま認証できるシステムも登場している点も技術的に優れたシステムだと評価される。サービスの提供側となる公共交通事業者にとっても、釣銭の用意やクレジットカードやQRコードを読み取る手間がなくなる。さらに改札業務や日々の売上の締めに費やしていた時間を削減し、接客に充てたり、自動改札機数を削減しスペースを有効活用することで、駅などの売上増加が期待できる。利用者にとっては、クレジットカードやアプリの決済時に必要な本人確認用のパスワードの入力が必要なくなるため、パスワード忘れや入力時ののぞき見などのリスクから解放される。また決済時は画面に顔を向けるだけなので、電子マネーの使い方が分からない利用者も、利用しやすいシステムと言える。しかし、一方では、認証端末との距離や設置場所、光の当たり具合などの条件で正確な認証が出来ない場合もある。このため輪郭やパーツ位置に加え赤外線センサーにより立体データとして認証する「3D認証システム(IR方式)」が奨められているという。また、万が一顔認証システムの情報が漏えいした場合、パスワードのように変更が出来ないため、利用者が高いリスクに晒されるとの評価もある。このため、導入企業では情報漏えいを防ぐためにセキュリティソフトを導入したり、セキュリティレベルの高いサービスを利用したりする等の対策が必要とされる。実証実験例では、2021年2月に群馬県前橋市で行われた自動運転バスの実証実験において、運賃決済を見据えた乗降時の顔認証システムの実証が、限られた場所で高速・大容量の第五世代通信規格(5G)を利用する「ローカル5G」も使い行われている。実証実験の際の顔認証では、事前にマイナンバーカードの情報と顔写真の登録が必要とされ、市のホームページからアンドロイドのスマートフォンを使い、専用のアプリで登録を行った。バスの乗降時にはマスクを一時外し、乗降口付近に設置されたタブレットに顔を近づけると、乗客の顔がシステムに認証され、運賃が無料となるとの内容だった。また、2021年9月から千葉県佐倉市のユーカリが丘ニュータウンにおいて、新交通システムユーカリが丘線とコミュニティバスの複数の交通サービスを非接触でシームレスに利用するための顔認証乗車実証実験が行われている。本実証実験ではパナソニックが提供する顔認証技術とジョルダンが提供する決済・チケット管理システム「JorudanStyle3.1」を用いている。鉄道駅にはパナソニック コネクト社(旧:コネクティッドソリューションズ社)が開発したフラッパーレスでポール型の新デザインを採用した顔認証ポール(ご参考:https://news.panasonic.com/jp/press/data/2021/09/jn210913-1/jn210913-1.html)を各駅に設置している。東京都も京王バスと共同で、2021年12月15日に新宿駅と都庁を結ぶ自動運転バス(京王バスと都バスが共同運行する「CH01」系統)において、翌年2022年1月から実証実験を行っている。本日実験では、LINEの専用アカウント「TAMa-GO」から顔写真などの登録を行い、乗車時に車内の端末で顔認証を行っている。顔認証時はマスクを外す必要はなくなっているが運賃は無料としている。今のところ実証実験の進み具合としては、顔認証システムだけに閉じた実験と、決済システムと連動させるところまで実証するケースとに分かれるが、「ユーカリが丘版MaaS」のように地域の交通体系を亘る、非接触・非対面での本人確認とチケット確認、乗車管理を実現させたケースは、まだ少ないようにも思える。従来の乗車券・交通系ICカード決済から、クレジットカード系タッチ決済やQRコード決済、顔認証決済への置換えは、すでに交通機関の運賃決済だけでなく、様々な周辺のさまざまな経済活動と一体となったMaaSの実現に不可欠と言える。特に地方の交通事業者にとっては、自社独自の決済システムやアプリ開発はコストがかかり、利用者のアプリのインストール・利用も進みづらいことなども課題とされている。LINEやPayPayなどの決済手段を利用すれば、既に多くの利用者がいるため、インストール数の課題から解放されやすく、開発コストの低減が可能になるのではないかと思う。

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3月30日 交通決済について。まずは簡単に交通系ICカードのお浚いをして見ると、全国で使われているカードは10種類ある。Suica(JR東)、PASMO(㈱パスモ)、manaca(名古屋市交通局、名古屋鉄道など◆)、PiTaPa(スルッとKANSAI◆)、SUGOCA(JR九州◆)、はやかけん(福岡市交通局◆)、ICOCA(JR西◆)、TOICA(JR東海◆)、Kitaca(JR北海道◆)、nimoca(西日本鉄道◆)となる。※◆はモバイル非対応。何れも、全国相互利用サービス対応の交通系電子マネーだ。これらの電子マネーであれば、その1枚で基本的には「対応している全てのエリア」の電車やバスへの乗車、加盟店での支払いに利用することが出来る。原則として各電子マネーのエリア外で使用できるのは、電車・バスの乗車券機能や加盟店での電子マネー機能といったすべての相互利用可能電子マネーに共通の機能となる。*但し、PiTaPaは、PiTaPaエリアでの他の交通系電子マネーによる加盟店利用、PiTaPa以外の加盟店でのPiTaPa支払いとも非対応。チャージに関しても、駅の券売機や加盟店レジなどベーシックなチャージ方法はエリア外でも利用できるケースが大半だが、「オートチャージ含むクレジットチャージのような各電子マネー独自のチャージ方法はエリア外では原則として利用できない」。「ポイントサービスもエリア外での利用はポイント付与の対象とならない」ケースが殆どだという。また、特に注意が必要なのは、交通系電子マネーでは、全国相互利用エリア同士であっても、エリアを跨ぐ利用は原則不可能となっている。PiTaPaの名誉のために?補足すると、PiTaPaは運賃割引サービスも利用でき、提携クレジットカードの優待も豊富なので、近畿エリア在住の方については利用しやすいカードと言える。エリア外での制限が多い交通系ICカードの中で、唯一の例外はモバイルSuicaだ。モバイルSuicaは、ネット経由でチャージが可能なため、エリア外でのオートチャージにも対応している。交通系ICカードの特徴を押さえたところで、最近各地で盛んに実証実験が行われたり、導入が進む「MaaS」(Mobility as a service)において、その決済手段がどのように変化して来ているかを見てみたい。交通系ICカードから移行が考えられるのは「Visaタッチ」と「QRコード」、「顔認証」の3つの決済方法だ。「Visaタッチ」はクレジットカード系のタッチ決済だ。海外の交通機関においては採用例が多いが、日本では交通系ICのFeliCa(ソニーが開発した非接触ICカードのための通信技術)に比べ、決済処理に時間がかかるとされ、これまでクレカ系のタッチ決済の導入は進んでいなかった。「Visaタッチ」の全国の導入事例を見てみると、茨城交通(2020年7月~)や京都丹後鉄道(2020年11月25日~)での導入が早かったようだ。京都丹後鉄道では、日本で初めて距離制運賃の支払いを可能にしている。駅や列車内に設置された読取り端末のVisaタッチリーダーにカードをかざすだけで運賃の支払いが可能となる仕組みを導入している。みちのりホールディングス傘下の茨城交通、福島交通、会津乗合自動車はキャッシュレス決済対応の路線を拡大している。車内ではVisaタッチ決済と共にPayPayなどのQRコード決済を利用できる。茨城交通は、東京駅~ひたちなか市東海村を結ぶ勝田・東海線で導入をはじめ、秋葉原と益子・笠間を結ぶ「関東やきものライナー」にもこの決済方法を導入した。「Visaタッチ」は、上記2社以外でも、大阪国際空港、関西国際空港、神戸空港、JTB提供のC→REX端末を設置する旅館・土産物店、MoT(Mobirity Technorogies)*決済機能付きタブレット搭載車両、やんばる急行、みちのりHD*タブレット端末搭載車両、いわて県北バス、福島交通、会津バス、京福バス、長電バス、北都交通、南海電鉄(2021年4月より実証実験中)など交通各社で採用されている。これまで課題だった改札通過速度も問題ない。車両用電装製造(バスの運賃収受機器や運賃表示器などが主力)の小田原機器によれば、キャッシュレス運賃収受対応タブレット端末「SELF」は、「Visaのタッチ決済」「PayPay」「ALIPAY」「LINE Pay」「楽天ペイ」など多様なキャッシュレス決済に対応し、Wi-Fi環境があればどこにでも使用可能でバス車内だけでなく、販売窓口に設置することも出来る。加えてアプリ搭載・回収により機能追加も可能、他の車載機と連動しないので、単独での導入もしやすい。これら車載機の中に導入されている決済プラットフォームは、三井住友の「stera transit」だ。乗客の手持ちのカード(クレジット、デビット、プリペイド)やスマートフォンで電車やバスの乗車を可能にする。このような決済プラットフォームの導入により、これまで観光地の交通機関利用時によくある決済時の課題、例えば海外から訪れる旅行客が改札やバス停、車内などで留まってしまったり、言語が異なる観光客への(操作)負担をかけてしまう、或いは現金で切符を購入してもらわざるを得なかったなど、観光客が本国で利用しているカードやスマホで決済可能、或いは係員とのコミュニケーション(機器の操作説明など)が不要となる利点がある。また、駅員やバス乗務員等の業務する現場では、現金や切符を取扱う設備(券売機や乗越精算機など)コストや独自のICカードの原版コストやサーバコストが削減出来、シンクライアントシステムのため、改札機等の単価、現金を取り扱いに関するコスト(運搬、計算、管理等)も削減可能だ。MaaS時代の核ともいえる、乗降データの取得やクレジットカード等の消費データとも掛け合わせたデータ解析が可能になる(これらは三井住友カードの場合は、別に分析サポートサービスが用意されている)。結果、インバウンドの積極的な取り込みがし易くなり、交通系ICカードと比較し、導入コストも安価となる。今後、交通系ICカードの導入が難しかった地方交通にも、キャッシュレス決済の導入が進む可能性がある。自社の沿線に天橋立や由良川橋梁などの観光資産を擁する京都丹後鉄道や、地元ターミナル駅と羽田や成田、茨城空港を接続するエアポートライナーに注力、笠間や益子などの伝統工芸品の産地も擁する茨城交通の導入が早かったのも頷くことが出来る。(続く)

自動運転車へのサイバー攻撃、米国の研究チームが実証 レーザー銃で「偽物の車が前から突っ込んでくる」錯覚攻撃 他

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3月29日 昨日3月28日より、医療業界やワクチン接種に取り組む自治体、サービス運営が困難な企業などの支援を目的とした車両開発・車両提供を行う共同事業体「メモラボ」(MEDICAL MOBILITY LAB.)を運営するキャンピングカー株式会社に、在宅にて医療的なケアが必要な子ども「医ケア児」の災害避難手段・一時避難場所としてキャンピングカーを活用するアシストネットワーク事業「ひなんピング」を運営する特定非営利活動法人輝くママ支援ネットワーク「ぱらママ」が事業参画した。キャンピングカー株式会社(代表取締役 頼定 誠氏)は、キャンピングカーレンタル事業「JAPAN C.R.C」やアウトドアメディア事業「JAPAN C.C.N」「くるまの旅(https://kuruma-tabinavi.com/)」や農業IoT事業「ファインファームSelect」「岡山晴れ娘」、ペット事業「ワンダホー」、防災・災害対策事業「キャンピングカー防災プラットフォーム(https://japan-crc.com/bosai/)」、防犯事業「東京360°」などを運営している。また、女性の社会参画を支援している特定非営利活動法人輝くママ支援ネットワーク「ぱらママ」(代表理事 藤井 弥生氏)は、災害時の要支援者となる「医療的ケアが必要な子ども」のいる家族の一時避難場所としてのキャンピングカーと避難場所を必要とする家族のマッチングシステムを構築している。*「医療的ケアが必要な子ども」とは、生きるため日常的な医療ケアと医療機器(気管切開部の管理、人工呼吸器の管理、たんの吸引、在宅酸素療法など)が必要な子どものことを言う。同団体は2012年8月に設立され、これまで移動託児カー「ベビースポット」や「ママの働き方研究所」などの活動を行ってきた。キャンピングカーレンタル事業と女性の社会参画を支援するNPOの接点となった「ひなんピング」とは、どのような取組みなのだろうか。近年、日本列島で多発する激甚災害。東日本大震災や平成28年熊本地震、平成28年6月6日~7月15日までの豪雨による災害(熊本県・宮崎県)、平成28年8月16日~9月1日までの暴風雨および豪雨による災害(北海道・岩手県)等、過去5年でも24件が指定されている(参考:https://www.bousai.go.jp/taisaku/gekijinhukko/list.html)。被災地の「医療的ケアが必要な子ども」達はどのように保護されて来たのだろうか。厚生労働省が平成2年1月15日の「第17回医療計画の見直し等に関する検討会」の資料「医療的ケア児等の支援に係る施策の動向」によれば、全国の医療的ケア児(在宅)は約2.0万人と推計されている。内閣府の防災情報のページには、高齢者、障害者等の非難に関する作業グループ 第1回で配布された内閣府説明資料が掲載されている。このうち「高齢者、障害者等の非難に関する作業グループ会合における内閣府防災説明資料」という資料がある(参考:https://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/hinan/1/pdf/setumei.pdf)。このうち防災基本計画(令和元年5月(抄))は、市町村は市町村地域防災計画において避難行動要支援者を適切に避難誘導し、安否確認等を行うための措置について定め、避難行動要支援者の名簿の作成するものとしており定期的な更新や庁舎の被災等の事態が生じた際にも名簿の活用に支障が生じないよう名簿情報の適切な管理に努めるものとしている。名簿は避難支援等に携わる関係者、市町村地域防災計画に定めた消防機関、都道府県警察、民生委員・児童委員、社会福祉協議会、自主防災組織とうに対して提供され、多様な主体の協力を得ながら、避難行動要支援者に対する情報伝達体制の整備や、避難支援・安否確認体制の整備、避難訓練の実施等を一層図るものとしている。市町村は安全確認後に避難行動要支援者を円滑に避難場所から指定避難所へ移送するため、運送事業者等の協力を得ながら、移送先および移送方法について予め定めるよう務めるものとしている。しかし、公的避難所が利用できるのは、要支援者1名に対し介護者は1名と限定されており、家族で避難することは出来ず、また免疫力の低い「医ケア児」にとって、避難先で「3密回避できる環境」は必須条件となるが、これが得にくい点や、環境上の変化に弱い子供も多いため、避難所では精神衛生上の配慮も必要になるなど課題は山積しているようだ。また、命に直結する医療機器に必要な電源の確保が最も重要な課題となり、在宅避難時に有効な発電機や蓄電池を備えておくことが推奨されているものの、機器持ち運びの利便性や燃料、購入費用やメンテナンスなどの課題も生じているとされる。「ひなんピング」は、避難手段、また一時避難場所として、100Vの電源を備えたキャンピングカーの活用を想定している。さらに非難を希望する医ケア児家族と衛生面やプライバシーなどの環境と、電源確保が可能なキャンピングカーをマッチングするシステムを構築している(システムの構築には、岡山大学、キャンピングカー事業者、医師・看護師ネットワークなども参画)。事前に登録した個別避難計画書「イッツミー」を医師・看護師ネットワークと連携することで、医療従事者のサポートを受けることも可能としている。キャンピングカーには車載したサブバッテリーで100V電源が使用可能となり、医療機器(人工呼吸器や吸引機など)や冷暖房器具を稼働させることが出来る。また、冷蔵庫、給排水設備、ガスコンロ、大人5人分のベッドが確保されている。「メモラボ」は「ひなんピング」が行ってきた蓄電池や発電機の比較検証、医ケア児向け避難訓練の知見を活かし、医療機器の長時間使用に耐え得る「災害・医療特化型ポータブルバッテリー」の開発も視野に入れる。また、それぞれの事業は運用フェーズで車両と利用者の位置情報の取得が最適な車両配備と緊急出動時の迅速な支援の鍵となり、より確実な支援のためには電源使用率やバッテリー残量のデータがリアルタイムで収集できる必要があることから、車両のステータスを常時監視するシステム(GPSアプリケーション)の構築(共同開発)も考慮している。「ぱらママ」では、日常から自助の意識を醸成するため、各家庭の主体的な取り組みのきっかけとして、楽しく防災キャンプ「ひなんピング」などのイベントなども開催している。イベントには、防災士や看護師などの専門家が参加し、参加者の疑問や不安に応えつつ、防災グッズを試したり、非常食の試食なども行っている。看護師からはお奨めの医商品グッズなどの紹介もある。これらの取組みは医療MaaSの、氷山の一角とも言えるが、正式に各地の自治体などの採用段階に至れば、被災時に支援を必要とする「医ケア児」やご家族にとって、現実的かつ心強い支援策となることは間違いない。

会員登録数、目標の5千人を達成 沖縄MaaS実証実験の最終報告 他

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3月28日 3/25に沖縄県の沖縄MaaS事業連携体(沖縄都市モノレール、石垣市・浦添市、宮古島市、今帰仁村、伊江村、座間味村、竹富町、ゼンリン、TIS、琉球銀行)は、これまで行ってきた「沖縄MaaS」の実証実験が本年度末で終了するため、実験結果についての報告会を沖縄モノレール本社で行った。同実験は、2020年12月23日に第一フェーズとして一部の交通事業者と観光施設の電子チケットを取り扱う形で始まり、2021年3月17日に第二フェーズとして電子チケットの取り扱いを沖縄県内全域の交通事業者、観光施設に拡大、検索や地図サービスなどを加え、本格的なサービスの社会実装を目指し取組みを継続してきた。2021年9月16日に発表された「沖縄MaaSの実証実験期間の延長について」により、実験期限を2021年9月30日までに設定していたが、これを2022年3月31日まで延長している。延長の理由については、新型コロナウイルスの検銭拡大に伴い、沖縄県に緊急事態宣言が発出されたため、離島の事業者を中心に計画通り実証実験が行われておらず、本格的な実施に向けた判断が正しく出来ないためとしている。この延長に際して、日付指定チケットを除く購入済みの電子チケットの有効期限も、2022年3月31日まで延長とした。また、延長期間となった2021年10月1日以降に利用可能な電子チケットは、事前の9月28日から発売を開始したり、沖縄MaaSのWebサービスのチケット購入画面にチュートリアル画面を追加したり、観光エリアから希望するチケットを選択機能や、目的地タグ(訪問したい施設名称の一覧)から関連チケットを購入できる機能を追加する等、或いは2021年11月10日から、MaaSの認知度の向上を目指し「うちなーぐるっとスタンプラリー」を開催、県内の48箇所に設置したスポットで電子スタンプを集め応募すると抽選で商品が当たるなど、関係者の地道な努力の積み重ねが功を奏し、最終的な結果として、会員登録数は当初目標としていた5千人を超え、6千人を獲得することが出来た。本実証実験は、県全域のモノレール、路線バス、オンデマンドバス、船舶等の交通手段と商業、観光施設などの交通分野以外との連携、さらに他のMaaSアプリなど幅広い連携をAPI/オープンデータ化により実現する「観光型MaaSの提供」でもあり、沖縄県における交通、観光の課題を解決し、MaaSの「継続稼働」や「地域住民への展開」を見据え、有用性の検証を検証することが目的とされていた。実証実験のオブザーバには、沖縄県や内閣府沖縄総合事務局運輸部なども参画していた。実験当初にMaaSの提供により解決したい地域の課題として挙げられていた ①バスの輸送人員が全国平均よりも大幅に減っており、地域の足としてのバス路線の維持が困難である点、②特定の有名な観光地、観光施設に観光客が偏っており、他の魅力あるスポットへの送客が十分でない点、③観光産業に対する住民の期待は大きいものの、マイナスの影響のトップが「バスや自家用車の混雑等により交通が不便になる」となっており、「レンタカーによる事故」や「道路の渋滞」、「違法駐車」などがあるなどの点、④沖縄を訪れる観光客側からは、二次交通の多くは現金での利用(決済)が殆どであり、行き先や系統も分かりづらい点などについても、今回の実証実験を通して解決の糸口がつかめていれば尚のことである。ちなみに国交省から発表された「令和3年度 日本版MaaS推進・支援事業 12事業について」によると、これらの課題に対し「沖縄スマートプロジェクト(沖縄県によるMaaSの社会実装)」では、これらの課題は「様々な交通モードを実績のあるMaaSアプリ「my route」で繋げることや、①'AIオンデマンド交通走行による二次交通へのアクセスを向上させることなど、シームレスな移動の実現と③'交通分散を図り、地域課題を解決するとしており、④'また非接触、キャッシュレス手続きなど感染症対策による利用者の安心感の醸成やモーダルシフト、EV利用などカーボンニュートラルの取組を行うことで持続可能なモデルを構築する。②'さらにデジタルの特性を活かし、得られた情報を交通事業及び交通以外の行動変容に利活用すると共にタイムリー且つ効果的な情報発信をしていくことで周遊性の向上及び地域経済の活性化を促進する」としており、事業自体や参画する自治体などは「沖縄MaaS」と異なるようだが、MaaSを社会実装する起点となる「県の課題」には持続的に取組んでいく方向性が見える。さらに「令和3年度~」には、当初課題とされていなかった「感染症対策による利用者の安心感の醸成、モーダルシフト、EV利用などカーボンニュートラルの取組」といった新たな視点も組み込まれるようになった。そして新たな評価指標は、サイトアクセス数、各モビリティの乗車率、各デジタルチケット販売枚数、アプリ経由の予約数、アプリ利用満足度、周遊性・滞在時間の拡大した結果、サービスを追加した割合、MaaSをきっかけに公共交通を選択した割合などが設定されることとなった。地元への経済効果に対する評価も、むろん大切だが欲を言えば、観光型MaaSを導入する傍らMaaS本来の使命とも言える地元の交通弱者への配慮などの指標が付け加わると、なお良いのかもしれない。

観光型MaaSサービス「STLOCAL(ストローカル)」長崎創生プロジェクト事業に認定 他

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3月25日 株式会社ゼンリンは、3/23に長崎市によりゼンリンが主体で行っている観光型MaaS実証実験で「STLOCAL」(ストローカル)が、第71号「長崎創生プロジェクト事業」に認定されたと発表した。長崎市の「長崎創生プロジェクト事業認定制度」は、同市の「第2期長崎市まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、基本目標や特定目標(総合戦略の推進、人口減少や地域経済の縮小を克服することで、将来に亘り活力のある長崎市を維持するなど)に適合した事業者の取組みを認定する仕組みだ。実施期間は令和2年度~令和6年度までとされており、認定の対象となる事業は、以下に示す総合戦略の施策のいずれかに該当する必要がある。総合戦略の施策となっているのは、【基本目標1】経済を強くし、新しい人の流れをつくる。【同2】子どもをみんなで育てる、子育てしやすいまちをつくる。【同3】「まちの形」「まちを支えるしくみ」をつくる。【特定目標】交流の産業化の4つだ。ゼンリンの「STLOCAL」は、この内の交流の産業化に適合する事業として採用されたものだ。ちなみに「STLOCAL」は、Stroll(散歩)、Street(道)、Station(駅)、Stay(滞在)、Story(旅物語)など、まち歩きからはじまる楽しみを、そのまちの魅力と合わせて、あなただけの旅物語に繋げたいとの思いを「ST」とし、地元の人とともに「その場所ならでは」(Local)を、あなたに届けたいとの思いを重ねた名称だ。ゼンリンは、昭和23年(1948年4月)に創業した住宅地図最大手。カーナビ向け電子地図データ販売が主力の会社だ。同社の表現を借りると「知・時空間情報」の基盤となる各種情報を収集、管理し、住宅地図帳などの各種地図、地図データベース、コンテンツとして提供、また「知・時空間情報」に付帯・関連するソフトウェアの開発・サービスの提供ということになる。国内に15社、海外に4社の関係会社を持つまでに発展した地図会社だ。事業としてはプロダクト事業、公共ソリューション事業、マップデザイン事業、オートモティブ事業、IoT事業、マーケティングソリューション事業などを行う。創業者である大迫正冨氏は、戦後に大分県別府市で観光案内の小冊子『年刊別府』、『観光別府』を発行し、善隣出版社を設立した。「善隣」とは、隣国や隣近所と親しくすることを意味する。これには「平和でなければ地図作りは出来ない」との思いが込められているそうだ。「STLOCAL」は、同社のMaaS事業にあたる「マイクロMaaS」の取組みの第一弾でもある。長崎市の持つ地形・歴史・文化をつなぎ、ストーリー化する周遊ルートの整備や、まち歩きのための公共交通を便利に利用するための機能を開発し、観光情報Webサイト、スマートフォンアプリで提供する。「STLOCAL」は、2021年12月より実証実験をはじめ、2022年3月に観光情報Webサイトと連携、同名のアプリの提供を開始している。アプリはiOS、Androidの双方に対応している。同社における「マイクロMaaS」ソリューションとは、どのようなものか?日本全国の狭域な地域(=マイクロエリア)が抱える様々な課題を「移動情報」と「地図情報」を活用して解決、あらゆる地域の活性化に貢献するというものだ。例えば、地域の駅周辺や目的地までのラストワンマイルに当たる地域など、狭域な地域が抱える人々の課題に着目し、人の「移動情報」を「地図情報」に重ね合わせて分析することにより、これらの課題の解決に貢献するとしている。住宅地図会社ならではの視点と言えよう。具体的には、一つの空間上であらゆるモビリティを可視化する「Mobility based Network」は、ベースとなる地域の地図情報に「自動車用ネットワーク」、「鉄道路線」、「駅構内通路」、「歩行者用ネットワーク」、「バリアフリー情報」など移動に必要な「モビリティを基準」に分類されたマイクロエリアのネットワーク(階層)を重ね、各ネットワークが交通結節点で接続することにより、MaaSに最適化された基盤データベースを提供するものだ。ここに収集した「人流データ」を加え正しい位置に補正し、交通モードと紐づけて管理することで、分析に最適化させたソリューションを提供する。これらの技術は、自治体の地域観光を支えるソリューションとなる。近年、注目される「マイクロツーリズム」など、地元における体験や学習を通じた「地域発見型」のツーリズムを支える一方、地域交通の利便性向上や、地域コンテンツの掘り起こしなどにも資する手立てとなるようだ。同社の視点が優れているのは、これらの階層の上に更に(有機的とも言える)地域における体験や学習スポット情報を収集・管理し、観光客(地域への訪問者)の知的好奇心を満たす最適ルートを提案することで、周遊を促すことが出来る点にある。同社は、マイクロエリアの体験や学習スポット情報を地域「経済」活性化に繋げる手立てを「マイクロMaaS」ソリューションという言葉で表現している。また「STLOCAL」が持つ経路検索は、様々な交通手段を利用した一人ひとりのニーズに合わせた「移動」を公共空間における人流・混雑情報を可視化することで、感染拡大防止に資する「混雑回避ルート」の提案も可能としている。観光地や市中の周遊を促進する一方、感染拡大防止を推進しなければならない自治体のニーズをよく理解した機能と言える。また、高齢者やベビーカー、車いすユーザーに配慮した安全・安心・快適な移動のために「マイクロMaaS」ソリューションが提供する、「歩道」や「駅構内」「地下街」などの地理空間情報も非常に有効だ。商圏や観光地などの中心(交通結節点)となる巨大なターミナル駅において、ハンディキャップを持つ利用者が効率的に目的地に移動できるよう、動的情報(エレベータの工事情報や運行時間などの情報)や、バリアフリー情報が、狭域となる駅の構内図と紐づけられている。長崎市やゼンリンには、観光面だけでなく地域経済への貢献や、ユニバーサルMaaSまで俯瞰・包括した「STLOCAL」を駆使した「長崎創生プロジェクト事業」の仕上がりを期待するとともに、同事業を多くの人にアピールし利用してもらうことで優れた「視点」を生かした、より多くの課題の抽出や結果の公表も期待したい。*アイコン画像提供:「© Nagasaki Prefecture Convention and Tourism Association」The permission of the Archdiocese has been obtained for posting the photos.

グーグル兄弟会社のWaymo、運転者なし自動運転タクシーの商用運行が可能なレベルに 他

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3月24日 ENEOS株式会社、トヨタ自動車株式会社は、3/23に静岡県裾野市でトヨタが建設するウーブン・シティでCO2フリー水素の製造と利用を共同で推進するため、共同開発契約を締結した。両社はトヨタの子会社であるウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社とウーブン・シティにおける水素利活用の取組みをさらに加速する、とした。ENEOS及びトヨタは2021年の基本合意に基づいて検討を進め、水素ステーションの建設・運営、水素ステーションにおけるCO2フリー水素の製造、並びに水素ステーションからウーブン・シティとFCEV(燃料電池車)への水素供給に着手するとしていた。さらに水素の需給管理システムについても具体的な検討を進めることに合意している。2024年~2025年のウーブン・シティの開所前に水素ステーションの運営開始を目指す。水素ステーション内には、再生可能エネルギーでCO2フリー水素を製造する水電解装置を水素ステーション内に設置し、製造したCO2フリー水素を乗用車や商用車など様々なFCEVに供給するとともに、パイプラインを敷設し、ウーブン・シティ内にも水素の供給を図る。ENEOSが建設・運営する水素ステーションに設置される水電解装置により、再生可能エネルギー由来の水素(グリーン水素)を製造し、ウーブン・シティに供給される水素は、同敷地内にトヨタが設置する定置式の燃料電池発電機(FC発電機)で使用される。また、水素ステーション内には、停電時用のFC発電機が設置される。FC発電機は、貯めておいた水素を用いてFC発電機で水素充填装置を稼働させることで、停電時でも水素をFCEVに供給することが出来るようにするための装置で、これによりFCEVの外部給電機能を活用し、電力が必要な場所で電力サポートを行うことが出来る。基本合意時の検討項目では、ウーブン・シティや近隣における物流車両のFC化の推進とFCEVを中心とした水素需要の原単位の検証、その需給管理システムの構築、同敷地内に設置予定の実証拠点においては、水素供給に関する先端技術研究を行うとしていたが、今般の共同開発契約においての決定事項で、この部分については、ウーブン・シティのコミュニティエネルギーマネジメントシステム(CEMS)とENEOSの水素製造を最適化する水素EMSの連携を検討とした。構図としては、水素をつくるENEOSと、水素を使うトヨタFCEV、ウーブン・シティとのかたちになる。これらの取り組みにより、3者はカーボンニュートラルの実現に向け、ウーブン・シティを起点に誰もが気軽にクリーンなエネルギーを使える社会の実現を目指すとしている。そもそもトヨタは「水素の活用」にどれくらい本気なのか?その疑問について、一つの解となりそうな話題が「トヨタイムズ」にある。トヨタの豊田章男社長は、昨年4月に水素エンジン車(FCEVではない)でレースに出場すると発表している。参戦するレースはガソリン車でも完走が難しいとされる24時間耐久レースである。しかも、水素には爆発のイメージが伴うため、安全の証明のため、自身がドライバーとして参加するとした。このレース車両に使われたのは「GRヤリスのエンジンを転用したもの」だった。水素エンジンは、エンジンそのものは従来のエンジンと変わらない。課題は「既存の内燃機関技術をなるべき活用し、水素エンジン化する」というものだった。これが達成されれば、既存の車のエンジンを水素化し、カーボンニュートラルに貢献できるからだ。水素はガソリンよりも発火温度が高い。この特性を踏まえ、水素エンジンには、3つの技術革新が必要とされた。一つはインジェクター(燃料噴射装置)。二つ目は水素の搭載技術。3つ目は高温、高圧、高回転に強いエンジン(=GRヤリスのエンジン)である。(参考:トヨタイムズ「富士24Hへの予備知識 第1回 水素エンジンとガソリンエンジンの違い」)。水素エンジン車が24時間耐久レースを走り抜くために必須となるのが「水素充填作業」。ガソリン車で言うところの給油作業だ。通常レースで車両がピットに入る際に行われるのは、ドライバー交代、タイヤ交換、給油等。通常はピットに給油塔が設置されているが、もちろん既存のピットには水素充填設備はない。それでは、ピットにおいて水素充填はどのように行われたのか?ちなみにトヨタの「MIRAI」は、全国で144個所(2021年5月現在)ある街中の水素ステーションで、この水素を充填するシステムだ。水素ステーションは「定置式」と「移動式」の二つがある。ステーションなどに設置されたタンクに水素を貯めて置くのが定置式、移動式は水素を積載したトレーラーを指す。今回のレースでは、この移動式(トレーラー)を富士スピードウェイに配備する必要があった。水素はステーションに貯蔵される場合も、車両に積載する場合も同様に、高圧タンクに貯蔵されるのが基本だ。この高圧水素をステーション(トレーラー側)のタンクから、レース車両の燃料タンクに安全に移すため、「高圧ガス保安法」を始めとする諸規則にしたがって作業を行う必要がある。24時間レース決勝では水素ボンベを積んだトレーラー4台が待機する計算となり、その合計貯蔵量が一定量を超えるため「貯蔵所」として予め静岡県から認可を受ける必要があったそうだ。加えて、充填中のトレーラーからレース車両のタンクに水素を充填し続けると、トレーラー側のタンクの圧力が徐々に落ち、その結果充填まで速度(時間)が遅くなるため、充填作業はトレーラー2台を駆使、供給側のタンクの圧力が高い状態を保った上で充填を行う必要があり、1回の充填で2台のトレーラー間をレース車両が移動し充填を行うこととなった。また充填用のホースを外す際にも、ステーション側を減圧しホースを外す必要があるなど、ガソリン車にはない工程も加わることとなった。これらは皆、24時間耐久レース、かつ水素エンジン車両の話だが、この中のいくつかの要素はENEOSが建設・運営する水素ステーションでも必要とされ、今後洗練されたフローを構築し、商用サービスステーションのサービス品質に応えられる段階に持っていく必要がある。ちなみに、ENEOSの水素ステーションに設置される水電解装置により、再生可能エネルギー由来の水素は「グリーン水素」とあるが、これは水素の製造過程で排出されるCO2との関係で呼び分けされている。水素の種類には①「グリーン水素」②「ブルー水素」③「グレー水素」がある。③は化石燃料由来の副生製品を指す。②は③の製造過程で排出されるCO2を回収したりして、CO2が出ないように配慮したもの。①は水を再生可能エネルギー(太陽光や風力発電)で電気分解し、発生させたものとの区分がある。①のグリーン水素は、製造過程でもCO2を排出しないものだ。この24時間耐久レースでは福島県浪江町(「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」?)でつくられたグリーン水素が使用されたとのこと(参考:トヨタイムズ「富士24Hへの予備知識 第3回 もう一つの見どころ"給水素"」)。これらの24時間耐久レースなどの側面を見ても「水素の活用」や「ウーブン・シティ」がもたらす、近未来のスマートシティーやFCEVなどの新たなエネルギー需要は、既にトヨタを本気にさせていると考えて間違いないだろう。

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3月23日 広島県福山市で実証実験後のバスが、実験後に同市の沖野上町の県道を走行中、右側の車線を走行していたトラックと接触する事故が起きた。実証実験は実施主体である福山市が、日本モビリティ株式会社に委託して実施していた。福山市によると、事故は3/22の13時20分ごろ発生したという。事故の影響で3/23、24に予定されていた実験は中止となった。実験は来るべき自動運転社会を見据え、高齢者の移動手段の確保や公共交通の維持を目的にバス車両を用いて行われていた。実験車両は、①市内中心部における運転席有人での自動運転(レベル3相当)で、福山市総合体育館出発後、駅前大通を北上、福山駅前バスロータリーでの乗降車のデモを実施後、ロータリーで折り返し、同体育館に戻る往復5.4kmの区間で走行する実験内容と、②遠隔監視による運転席無人での自動運転(レベル4相当)を計画しており、レベル4相当の実験については、みらい創造ゾーン内のフェンスで囲まれた閉鎖空間(一周約0.7km)において、遠隔監視による運転席無人の自動運転を行うものとしていた。NHKの報道を見ると「福山市総合体育館近くの多目的広場に設けられた1周700mのコースで、15人乗りのバス車両を使って行われたとあり、運転席には誰も座らず、車両の屋根に設置されたレーザーセンサーとGPSアンテナを通じて車内に搭載されたコンピュータが車両の位置を把握する」とあるので、②の実験を終えた後、バスがJR福山駅南口までの県道を走行していたところ、バスのミラーと右側の車線を走行トラックの側面が接触したとの状況のようだ。読売新聞の報道では、事故発生時には運転手がハンドルに手を添えて走っていたという。関係者によると、ドライブレコーダー及び車載カメラの映像を照らし合わせたところ、バスが右に寄ったためトラックに接触した疑いがあるとのこと。事故時にバスに乗車していた関係者は9人で、同市の枝広直幹市長や職員が報道関係者らと同乗していたが、幸い接触した2台の乗員にケガはなかった模様だ。福山市のデジタル化推進室では「システムに不具合があったかどうかも含め、原因を詳しく調査する」と話しているとのこと。群馬県前橋市に本社所在地を置く日本モビリティ株式会社は、次世代モビリティ導入街づくり計画コンサルタント、同システム導入事業、同関連商品の販売、架装及び仲介、次世代モビリティサービス提供、次世代モビリティに関する技術開発、設計、機器製造、販売、運営、保守管理及び各種情報提供サービス、損害保険代理業などを主な事業内容としている。同社はこれまでも渋川市、西武バス(飯能市)、前橋市、中部国際空港セントレア第2ターミナル制限区域、大分市、沼津市、岐阜市、熊谷市、埼玉高速鉄道(浦和美園エリア)、愛知県自動運転社会実装プロジェクト推進事業(常滑市/中部国際空港)、関市、桑名市などとも実証実験を行い、豊富な自動運転の実証実験の経験を有する企業だ。同社は自動運転の社会実装を目指した研究開発・実証実験を実施してきた群馬大学の小木津准教授(同社代表取締役会長)を中心に設立されたスタートアップ企業で、業界初の無人移動サービス導入プログラムを構築、自動運転の社会実装および無人移動サービスの導入などを支援している。過去に遡ると、2019年8月に愛知県豊田市で試験走行中の自動運転車が、後方から追い越してきた車両と接触した事故がある。実験は名古屋大学が所有する自動運転車両に(4人乗りのヤマハのゴルフカート)自動運転システムが搭載されていた。走行中に後方の一般車両が自動運転車両の右側から追い越し、その際自動運転車両が急に右側に寄ったことで接触事故が起きたケースもあった。この際の事故検証委員会によれば、自動運転車両の位置・方位検知機能が進行すべき方位を誤検知したことが直接の原因となっている。また、2020年12月14日に茨城県日立市で行われていた中型自動運転バスの実証実験中に発生した自動運転バスのガードレールへの接触事案では、走路の特性により二つの位置推定手法が使い分けられていたが、事故発生地点はそれらの位置推定手法(GNSS方式/磁気マーカー方式)が切り替わる地点であった。この際、車両開発事業者が走行前に自動運転システムを設定をしたが、位置推定を行うための情報を取得するGNSS受信機/磁気マーカー受信機の再起動が必要であるところ、一つの機器の再起動を行っていなかったため、再起動が行われていなかった機器で車両の位置や方向に関する情報を取得できず、情報が更新されなかった。その結果、事案発生地点で位置推定手法の切替えが生じた際、更新される前の車両の位置や方向に関する情報が使用され、それに基づき車両制御が行われ、ハンドルの誤った急旋回に繋がっている。引き続き、福山市と福山東署、日本モビリティなどによる事故原因の究明に注目したい。*アイコン画像はコミュニティバスのイメージです。

日産の自動運転戦略(2022年最新版) プロパイロットの強みは? 他

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3月22日 三重県四日市市で19日から「まちなかの次世代モビリティ実証実験2nd in 四日市」が開催された。2回目となる実証実験の開催期間は3/19(土)~3/21(月)までとなった。*3/19は自動運転導入検討会議委員のみ。投入された実験車両は多彩で、自動運転バスを含む、超小型電気自動車、電動バイク、電動自転車、連接バスとなった。実証実験においてこれだけの車両が投入されることは珍しい。同市が今回の実証実験において、自動運転車両の走行に加え、環境配慮型の様々なモビリティを同時に走行させ、それぞれの走行位置を一体的に把握する実験を行ったためだ。自動運転バスとしては、NAVYA社の「ARMA」、超小型電気自動車には中国JIAYUAN社の超小型電気自動車「e-Apple」(アップルオートネットワーク株式会社)が、電動バイクにはFUTURE社の「GOGO!カーゴ」が投入されている。今回の実験における乗車申込みは、四日市市内在住者か、通勤・通学者に絞った。スマホでORコードを読み(https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1644835970643/files/mobility.pdf)画面に従い予約。その後スマホ決済(乗車は無料)し、乗車時は二次元コードをかざして乗車する仕組みとした。実験に参画するのは、マクニカ、三重交通、三岐鉄道、アップル、FUTUREとなる。「ARMA」はJR四日市駅と近鉄四日市駅間を、10:00-15:00まで片道6本、計12本が設定され、「レベル2」(保安要員同乗)で運行、連接バスは20日は三重交通が、21日は三岐鉄道が運行させた。ダイヤは時間帯としては、自動運転バスと同じ、10:00-15:00だが、こちらはJR四日市駅発は10時台、12時台、14時台は2本ずつ(その他の時間は各1本ずつ)、折り返しとなる、近鉄四日市駅発は11時台、13時台、15時台が2本ずつの設定となった。今回の実証実験は、四日市市の「自動運転導入検討会議」が、自動運転バスを走行させて、自動運転技術等、新たな交通手段の実装に向けた課題を探る目的で実施された。同会議は令和元年7月に第1回目の会議を開催し、令和2年度には自動運転車両を含む様々な次世代モビリティによる実証実験とパネルディスカッションなどを開催している。今回の実証実験は、通算5回目となる。また本会議は「四日市スマートリージョン・コア」*と連携し、スマートシティ創出に向けた自動運転の導入という形で検討が進められている。*「四日市スマートリージョン・コア」は、公民学が一体となり、地域の抱える様々な課題を解決するため、IoTやAIを含むICT等の先端技術を活用し、都市の機能と魅力を高め、活力あふれる都市(スマートシティ)を実現することを目的として、令和3年度に設立された協議会。マクニカは、自動運転移動サービスの実証実験運営の実績を生かし、中央通りを周遊する自動運転バスの運行と、自動運転走行に必要なデータ取得・セットアップ、技術的資料、取得データを提供するとともに、効果検証を行う。車両の走行データはマクニカ製の「マクニカモビリティデータプラットフォーム」*2に連携させることで、自動運転バスの走行情報を沿革のコントロールセンター側で確認することが可能になる。さらに遠隔監視システムを活用することにより、将来的に一人のドライバーで複数車両の管理を実現させることにより、社会課題である働き手不足の解消を目指す。同実験にて、芙蓉リースは自動運転バスを提供、将来的には新技術の導入後の運行主体となるであろう三重交通と三岐鉄道は、今回、自動運転車両内で運行中の車内外における安全を確保するための保安要員を担う。実際の自動運転車両導入を目指すに当たり、ノウハウを蓄積する貴重な機会となるに違いない。*2「マクニカモビリティデータプラットフォーム」は、車両に取り付けられたセンサー(GPS、カメラ等)と車両のCAN情報(車速、回転数、ステアリング操舵角等)を収集し、高品質な伝送方式を用いてクラウドへデータを保存することで、1人の監視者が複数台の車両を遠隔からクラウド越しにアクセス、リアルタイムでモビリティの状況が確認できる遠隔監視システム。その他、蓄積されたデータから過去の状況確認、データ分析、AI活用にも応用が可能。三重交通は三重県内を中心に、広域の公共交通として乗合バスと貸切バス事業を展開。また、名古屋、東京、大阪、京都への都市間高速バスや、中部国際空港行きのリムジンバスも運行している。その他名古屋市交通局の市バスの運行委託事業や自家用車両の運行管理を行う受託管理事業、運輸に付帯する貨物自動車事業、自動車整備事業、旅行業、保険業、広告業、観光コンサルティング事業、賃貸事業などを行う。次世代交通については、地域や関係団体と連携しつつ、研究を重ね、三重県内実施のAIオンデマンドバスや、自動運転の実証実験などに参画、伊勢市内においてはBRTシステム(連節バス)も運行している。三岐鉄道は、北勢地方を中心として、鉄道による旅客輸送及び貨物輸送事業を中心に、乗合バス、貸切バス、旅行業、サービスエリア店舗営業、ガソリンスタンド経営等を展開。地方経済の一翼を担うとともに、地方交通を支える公共輸送機関として、地域社会の発展に貢献している。四日市市の第一回目の「自動運転導入検討会議」議事録を拝見すると、舘副市長はあいさつの中で、同市が自動運転を検討するに至ったきっかけとして、近鉄四日市駅とJR四日市駅間が離れており、両駅をどのように繋げるか?という地域課題に対する解決手段の一つとして、自動運転技術が挙げられるとしており、またもう一つの課題として「物流におけるドライバー不足」の解決手段についても言及し、四日市市は、同市内の港湾においてコンテナターミナル新設に向け、経済界と国土交通省に要望していると発言、このターミナルに自動運転技術を活用したAIターミナルの導入することを関係者と研究しているとしている。貨物自動車事業や貨物輸送事業を抱える三重交通や三岐鉄道にとって、都市交通機能の刷新も含め、物流方面への自動運転技術導入という未来は非常に興味深いものであると思う。四日市市における物流経済とのセットも視野に入れた自動運転事業の導入事業は、全国の工業地帯や港湾を抱える自治体にとっても公共交通事業者と同様、興味深い事業となるのではないか。今後も、四日市市の実証実験の進展に注目していきたい。

しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト 他

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3月18日 静岡県は3/14に「令和3年度 第2回未来創造まちづくり構想会議」を開催した。本会意義では、実証実験中である令和3年11月15日に発生した歩行者との接触事案の「原因究明および再発防止策」が報告され、2024年度までに自動運転技術を公共交通に導入するため、有識者などからの意見も聴取した。会議には、国立大学法人 名古屋大学未来社会創造機構の森川 高行教授をはじめ、学校法人日本大学理工学部の藤井 敬宏教授、学校法人静岡理工科大学総合技術研究所 高橋 久客員教授、一財)静岡経済研究所の大石 人士シニアチーフアドバイザー、国土交通省中部運輸局交通政策部 伊藤 政信次長が出席した。令和3年11月18日~24日に予定されていた「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」実証実験は、伊東市内での実証実験前の公道審査時に歩行者と自動運転車両が接触する事案が発生したため、当面の間見合わせることとされており、この関係から同年12月に県内の沼津市と掛川市で実施される予定だった実証実験も原因が究明されるまで、見合わせることになっていた(松崎町の実証実験は10月に実施済み)。今回発表された「歩行者との接触事案の原因究明及び再発防止対策について」によると、事案は11月15日の午後に伊東市八幡野地内で発生しており、11月18日から始める実証実験に向け、遠隔操作の公道審査を実施していた下り坂に差し掛かった際、遠隔監視の電波状況が悪化、映像が乱れたため、遠隔操作者がブレーキを踏んだがブレーキ制御が効かず、左ミラーが歩行者と接触、異常に気付いた保安要員(*運転席は無人・助手席に乗車)が車両ブレーキを踏んだため、接触直前に車両は減速したとの状況だったようだ。被害状況としては、接触した歩行者への怪我や周辺構造物への物損、車両の破損等の被害は発生しなかった。事故後、11月18日から予定していた伊東市での実証実験については中止され、自動運転車のログやカメラ映像等を確認するなど事案の検証が始まった。けが人を出さずに済んだことは不幸中の幸いであった。さらに詳しく、「事案発生の時系列及び要因」のページを拝見すると、時系列に従った操作内容とその結果の機器側作動状況が克明に分かる。「自動運転車両のブレーキの仕組み」は、遠隔運転システム(遠隔操作者の命令)は、自動運転システムを通し、VCU(車両のシステム)に伝達され命令を受けた各機器を動作させるもの。今回、命令はアクチュエーターまで伝達されたものの、アクチュエーターと車両ブレーキの間で命令は伝達されていなかったとしている。その後、今回の車両に取り付けられていたアクチュエーターについて正常な車両のアクチュエーターと耐久性テストが行われた結果、30分程度連続稼働させると、動作不良が生じることが確認されている(温度が上昇し、保護装置が作動する。結果ブレーキの動作不良が生じた)。今後については、より耐久性の高い部品への更新が必要ととされている。システム面では、現在のシステムでは画像が乱れた際、遠隔側ではブレーキを踏むが、車両の動きを把握できない、車両側では、映像の乱れや遠隔運転手の操作を把握できないことが浮き彫りとなり、これらにより、遠隔・車両双方で正確な判断が出来ず、操作判断に遅れが生じたことが要因とされた。運用面では、正しい停止の手順は緊急ボタンを操作した後、その他の停止措置をとることになっていたが、今回は緊急停止ボタンを操作せず、とっさにフットブレーキを踏んだため、緊急時の正しい停止手順を徹底できなかったとされたが、これについては反射(操作)上、避けがたい要因とも考えられる。マニュアルの検討も必要となるのかも知れない。長年の経験や蓄積のある自動車メーカーなどの助言が必要とされる部分かも知れない。今回の再発防止策として、部品については、アクチュエーターメーカー立合いのもと、用途に適した耐久性の高い部品に換装(Futaba製→ヴィッテンシュタイン・ターナリ―製)されている。システム面では、不動作が起きた場合、車両が安全に停止できるよう、アクチュエーターの温度上昇の検知を行い不動作の兆候となる高温が確認された場合や、システムの速度指示と車両速度がずれた場合には、自動的に緊急停止指令が発され、同時にブザー及び表示装置で車両の運転手にも、不具合が発生していることを通知する仕組みに変更されている。運用面では、一般乗客を乗せた公道での実証実験は、二種免許を保有する運転手を乗車させることや、緊急時の運転手の対応を明確化するよう、手順書に緊急時の取り扱いを追記し、運転手への再教育及び訓練を徹底するとしている。また「実証実験の再開に向けて(再発防止策)」の結びには、当面、遠隔走行を行わず、運転手有での自動走行を行いつつ、遠隔型自動運転の再開は、自動走行と併せて映像の安定性等を検証した後、改めて検討としている。今回の報告内容には、CASEのC(コネクテッド)に当たる「通信面の原因」は記載されていない。引き続き、通信部分についても究明がなされることと共にプロジェクトの成功を祈りたい。

自動運転車、身代金要求型サイバー攻撃をどう防ぐ? 他

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3月17日 前回は、3/16に国交省で開催された「令和3年度第2回都市交通における自動運転技術の活用方策に関する検討会」の原点について、検討会の第1回(平成29年11月2日)の資料を主に検討会の視点から振り返った。今回は分科会の視点からも、自動運転技術導入の分析を試みる。ニュータウン分科会では、昭和40~50年代に全国で大量に造成されたニュータウンには、現在も人口が集積、そのため短距離の移動が高頻度で発生、またニュータウン開発当初に入居した世代の急速な高齢化により、今後さらに短距離移動のニーズが増加することから「自動運転サービス」への潜在的な需要は高い。これまでも各地のニュータウンで有人によるグリーンスローモビリティーなどの実証が行われている。またニュータウン内は道路インフラの整備が進んでおり一部道路の活用がし易く、一般車両(通過交通を含む)が、ニュータウン外の道路と比較して少ない等、実証実験を行うにあたり比較的制約の少ない環境を得られる。ニュータウンが持つ課題に目を向けると、丘陵地という立地における急勾配が自動運転の支障となっていたり、設置された階段などの上下移動は高齢化した住民の移動に制約を加えている。またマイカー利用を前提とした生活拠点の立地、生活圏の店舗や施設の減少、住民の高齢化に伴い徒歩やマイカー移動の減少、公共交通や近隣拠点施設の必要性は増加したものの、これまでのマイカー依存の結果、地域の公共交通のサービスは縮退している。ゆえに拠点施設へのアクセス性を維持するため、公共交通強化のニーズは高まるものの、財源不足や担い手不足が障壁となり、これらの課題を解決する方策が求められている状況だ。基幹的なバスについては、新交通(LRT・BRTなど)や路面電車とともにコンパクト+ネットワークを形成する都市の軸となる交通機関であり、バリアフリー対応や輸送容量の強化などの高度化がさらに求められている。バス事業者においても、担い手不足などが顕在化、自動運転技術を活用した課題対応の可能性も見込まれる。政府のロードマップでは、まず高速道路、限定地域での実現を目指す中、専用走行路や専用車線などを有する基幹的なバスは技術的にも導入しやすい。また先導的に実用化が進むことで、他のバスサービスの更なる高度化にも期待できるとされる。このため、分科会の検討対象として想定される「基幹的なバス」とは、都心の拠点・駅~郊外の拠点や駅を結ぶ「郊外アクセス線」や、都市拠点~都市フリンジ(周縁)拠点を結ぶ「都市フリンジ線」、「都心循環線」、都心の拠点~郊外居住地や郊外拠点・駅を結ぶ「郊外アクセス線」が想定されており、郊外の拠点・駅~郊外のニュータウンや工業団地を結ぶ地区アクセス線、都心の拠点~近隣都市を結ぶ「都市間高速線」は、分科会の検討対象になっていない。今回の直前「令和3年度第1回都市交通における自動運転技術の活用方策に関する検討会」(令和3年11月29日)における、バス分科会からの報告資料では、これまでの検討経緯(まとめ)とR3年度の検討の方向性が示されている。それによると「全国各地で実施されている基幹的なバス交通における自動運転技術の実証実験結果等から、社会実装に向けた課題の整理を行う」、「自動運転技術の社会実装を実現するための与条件の整理を行い早期実現するフィールドを検討するとともに、実証実験の課題等も踏まえて、自動運転技術の導入を想定した都市施設のあり方の整理を行う」など、実証実験を踏まえ、見えて来た現実に即した方策の取りまとめの段階に入った様子が伺える。検討会側では、当初は有識者へのヒアリングなどから始まり、自動運転の都市への影響に関する調査、都市交通・都市交通施設の在り方の検討、交通結節点(駅前広場)に焦点を当てた検討、交通結節点の段階的な整備方策、QOLを高める自動運転とICTを活用したサービスの組み合わせ・高度化などの検討を継続、令和3年度には限定空間内外の接続機能のあり方、自動運転技術を活用したサービスの持続的な提供、最新動向についての有識者ヒアリング等を行って来た。これと並行してバス分科会は、毎年今後の都市交通に関する課題を踏まえた自動運転技術の活用についての検討を続け、検証事項の検討、実証実験の実施、機運醸成会議の実施などを行い、検証結果についてのフィードバックを行って来た。令和3年度には自動運転バスに関する技術動向の調査、自動運転技術の社会実装を想定したウォーカブル空間等の都市施設の在り方の検討、新技術の導入機運醸成に向けた取り組みなどを行い、中間取りまとめに繋ぐ。中間とりまとめでは、自動運転技術の動向と公共交通分野における取組状況の説明、基幹的なバス交通への①自動運転技術導入の目的、②自動運転技術活用の動向、③自動運転技術の社会実装のあり方などを報告する。①については地方公共団体、バス事業者、②については①と同様、地方公共団体、バス事業者へヒアリングを行い、③については自動車メーカー等にヒアリングを行うとしていた。今回「令和3年度第2回都市交通における自動運転技術の活用方策に関する検討会」では、この中間とりまとめ(基幹的なバス交通への自動運転技術の導入の展望、自動運転技術活用の動向、自動運転技術の社会実装時の都市施設のあり方)が公表されることになる。成果に期待したい。

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