MaaS・CASE関連の最新ニュース(7 / 65ページ目)

自動運転が可能な車種一覧(2022年最新版) 他

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3月16日 国土交通省では、本日「令和3年度第2回都市交通における自動運転技術の活用方策に関する検討会」がWebにより開催された。第2回の議題は、1)自動運転技術の導入を見据えた都市施設等のあり方、2)自動運転技術を活用したサービスの展開に向けた都市施設等のあり方、3)基幹的なバス分科会からの報告となる。検討会は第1回(平成29年11月2日)から数え、通算9回目の開催となる。第1回当時の資料を読み返すと、検討会の設置については「開発が進む自動運転技術は人口が集積する都市の拠点地区を中心とした、公共交通基軸のバランスの取れた都市交通サービスの向上に貢献することが期待される一方、①自動運転の普及が都市構造・都市交通や交通施設にどのような影響を及ぼすか抽出・整理し、②都市にとって望ましい自動運転技術の活用のあり方を検討する」としている。①は具体的には都市施策取の関係について、都市交通との関係について、交通施設との関係についてを指し、②はニュータウンにおける高齢者の円滑移動、公共交通(基幹的なバス、BRT等)や末端交通等におけるサービス向上を指す。「検討会」においては上記の抽出・整理、課題整理と対応方針のロードマップの整理、自動運転を活用した施策、推進方策の検討を行い、「分科会」においてはニュータウン・基幹的なバスの課題の整理、課題解決に向けた自動運転の活用方策の検討、実証実験の実施に向けた検討がなされる。このため、分科会としては、ニュータウン分科会と基幹的なバス分科会が設置された。自動運転技術という黒船を受け入れるため、当時の国やステークスホルダの関心(社会受容への懸念)はどこにあったのか。一点目は、自動運転と都市施策についてだ。具体的にはコンパクトなまちづくり推進への影響だ。かつての「市街地」は中心部に基幹的な市街地があり、郊外では、自治体関連施設、人家や商業施設などが低密度で分散していた。昨今ではモータリゼーションの進展等の影響もあり、市域全体において都市化が進行する過程にある。国やステークスホルダとしては「市街地」を維持したまま、基幹的な公共交通沿いに集約拠点の形成を促進したい。社会的側面からこれを表すなら、意図的な集約(コンパクト化)をせず、現状を放置すれば「市街地」が全体的に希薄化(地域活力の低下、居住者の生活サービス提供が確保しづらくなる)する懸念がある、ということになる。これを避けるため、自動運転技術の導入により、コミュニティバスによる支線輸送、乗り換え拠点の整備、循環型の公共交通ネットワークの形成、拠点間を結ぶ交通サービスの充実、デマンド型乗合タクシーの導入など「地域交通再編」を行う際は、市民の居住の誘導施策や、生活サービス(福祉・医療・商業)の誘導などとの「一本化」(意思統一)を図った上で導入を進めて欲しいというのが、ステークスホルダーの関心と言える。二点目は、自動運転と都市交通についてだ。自治体は自動運転技術が生まれる以前から、総合的な都市の交通連携(様々な交通モードの役割分担や交通モード間の連携など)の青図を描いて来た。市内の鉄道駅などを交通結節点として整備し、都市機能の集約を図って来た。また駅から市内の各拠点までは路線バスなどによる幹線(路線バス・LRT・BRT)を設け、幹線沿線の居住推進地区を形成、駅周辺には歩行者区間を置き、幹線沿線には市役所や大学などを置き、交通の収入確保と共にパークアンドライド、サイクルアンドライド、トランジットセンターなどを採り入れて、同時に環境整備などの投資を行ってきた。自動運転技術を活用し、これらの「資産」の価値の最大化を図る必要があるが(まちのコンパクト化を図る上でも必要となる過程)、このため「バス路線再編」は必須条件とも言える。その他にもコンパクト化を推進する交通体系への影響、公共交通の役割の変化、(各地域の)インフラ供給量の充足、影響がある施設、公的・民間の空間・施設の役割の変化や対応、どのような路線、地域が対象となるか?過渡期における既存車両との混合交通時に必要とされる対応、優先順位等々、課題は山積する。(続く)

自動運転レベル4、いつから解禁? 他

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3月15日 北米では、モビリティ業界とエネルギー業界で脱炭素化に向けた社会的な潮流を背景として、相互に新規参入する動きがあるという。昨今、技術ベースではまだ時間を要するものの、以前に比べると道筋が明確化してきたモビリティ業界、しかし、市場への落とし込みを確実なものとする収益化に、一筋の光明が差すかもしれない。国内での動きについては、LiB CONSULTINGが2021年に発表した「EVXカオスマップ2021(EVトランスフォーメーション)」を参考にしていただきたい。マップ上の事業分野は大別すると、EV+電力小売り、充電インフラ、EMS(電子機器の生産/Electronics Manufacturing Service)などの「エネルギー系事業」と、BCP(事業継続計画/Business Continuity Plan)、EV MaaS、VPP(仮想発電所/Virtual Power Plant)、VtoH(EVやPVHなどの車両に蓄電した電力を家庭用の電力に用いる技術/Vehicle to home)、EV導入サービス、EVフリートなどの「モビリティ系事業」に分かれる。菅前首相時代(2020年10月)に発表された「2050年カーボンニュートラル宣言」(国と地方の協働・共創による地域における2050年脱炭素社会の実現に向け、特に地域の取り組みと密接にかかわる「暮らし」「社会」分野を中心に、国民・生活者目線で2050年脱炭素社会に向けたロードマップ及びそれを実現するための関係府省・自治体等の連携のあり方等について検討し、議論の取りまとめを行うため「国・地方脱炭素実現会議」などが開催されている)は、政府が2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言している経緯がある。国内においては、これが脱炭素化社会へ潮流のの起点となった。その中でキーワードとされた「カーボンニュートラル」とは、(温室効果ガスの)「排出を全体としてゼロ)というのは、二酸化炭素を始めとする温室効果ガスの「排出量」から、植林や森林管理等による「吸収量」を差し引き、合計を実質的にゼロとすることを意味している。これらの動きは遡ると、地球規模の課題である気候変動問題の解決に向け、2015年にパリ協定が採択され、「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること」「今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成すること」が世界の共通目標とされ、合意されたことによる。企業はなぜ、脱炭素に取り組むのか?一つは「持続可能な社会を実現するため」。もう一点は「ビジネスチャンスがあるから」だ。カーボンニュートラルは、世界が持続可能性を維持するために必要とされ、ある意味約束された達成目標(≒市場)だ。その為、各国はカーボンニュートラルを成長戦略に組み入れている。2020年~の約30年間で、122兆ドル(約1.3京円)の関連投資が必要と試算されている(ボストンコンサルティング・グループ)。国内では、新日本エネルギー・産業技術総合開発機構が2兆円の「グリーンイノベーション基金」を創設している。カーボンニュートラルの実現にあたり、企業等は従来のビジネスモデルや戦略を抜本的に変更し、対応することが求められるが、そのハードルは高い。これを乗り越えるため「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、今後成長が期待される14分野を示し、各分野での目標を設定すると同時に、予算、税、規制・標準化、民間の資金誘導など、「政策ツール」を総動員して取り組みを後押しする。こうした取組みにより、2030年で年額約140兆円、2050年で年額290兆円の経済効果を見込んでいる。国が実行計画を策定している重点14分野は、①エネルギー関連産業(洋上風力、太陽光、地熱産業、水素・燃料アンモニア産業、次世代熱エネルギー産業、原子力産業)、②輸送・製造関連産業、③家庭・オフィス関連産業(住宅・建築物産業・次世代電力マネジメント産業、資源循環関連産業、ライフスタイル関連産業)に分かれ、特に②では、自動車・蓄電池産業、船舶産業、食料・農林水産業、半導体・情報通信産業、物流・人流・土木インフラ産業、航空機産業、カーボンリサイクル・マテリアル産業などがある。つまり、いま企業には脱炭素化に取り組むことで、ビジネスモデルや戦略の組み換え、設備投資などは必要だが、国の「政策ツール」群を利用し、大きな成長機会が与えられていると言える。これはエネルギー・モビリティ業界においても、然りとなる。そしてもう一つ、日本の部門別二酸化炭素排出量の割合(2019年度)を見直してみると、間接排出量は約11億794万トン、一位は産業部門(34.7%)、次いで運輸部門(18.6%)となる。運輸部門のEV化(EV化だけではないが)がいかに大きな影響を及ぼすかは、自明の理と言える。EVシフトが進む中、なぜエネルギーとモビリティ領域が融合していくのかを考えるなら、それはまさに「EVのエネルギー源が電気である」ことに他ならない。これらの領域を融合し、事業化するには、サービス提供領域とマネジメント領域が必要となり、それぞれにモビリティ系事業とエネルギー系事業を当て嵌め整理して考える必要がある。極めて単純化して説明すると、①EV販売やMaaS事業を成り立たせるには、②エネルギーの供給とエネルギー商材(PV、LiB、IH、EQ)が必要となる。また②を販売するためには、③バックヤードにVPP(仮想発電所)が必要となり、①には④EVバッテリーマネジメントなどのフリート管理が必要となり、反面バックヤードでマネジメンント領域を補う③④からすれば、仕組みを利用してくれる①や②などの事業体が必要という図式だ。エネルギーとモビリティーの二者は、極めて密接な相互補完関係にある存在と表現できる。これらのプレイヤーとなる各社、(特に)モビリティ事業者は、先ずは前述した「事業化の図式」の中で、自社の事業ドメインを特定し、自社に不足するアセット(資産)を補うアライアンス先を見つけ、事業を軌道に乗せることが第一だ。カーボンニュートラルの潮流の中で、上手く足場を築くことが出来れば、中長期的には隣接する事業分野を取り込んでいくことも自社の「成長戦略」となるのではないだろうか。

米政府、ハンドルない自動運転車認可へ 安全基準修正 他

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3月14日 先日、日本では警察庁交通局より策定された「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン」が発表になったばかりだが、海の向こう米国では、10日に運輸省がハンドルやブレーキのない自動運転車の公道走行を認める規制緩和(「自動運転システム(ADS)を搭載した車両」を加えること)を発表した。今回の修正で、NHTSA(米国運輸省の幹線道路交通安全局)は、ハンドルやその他の手動制御機能を伴わない車両に義務付けられる安全基準を明らかにし、自動運転化レベル4、5に当たる自動運転車の開発と実用化や、自動運転分野における国際的な開発競争をリードする目的だ。NHTSAは、2021年には自動運転車の運用会社およびメーカーに事故報告書の提出を義務付ける命令を発令し、2020年には、州や企業が自動運転車試験に関する情報を提出し、市民が閲覧できる仕組みなどを立ち上げている。今回の決定は、FMVSS(連邦自動車安全基準/連邦行政命令集 タイトル49 パート571に記載)の用語を修正した。FMVSSは、基準の内容により101-500番の小項目に分かれるが、今回の修正はそのうち、200番台に記載されている「乗員の衝突安全基準」に関する項目で、従来型の車両では想定されていなかったADS搭載車両の内装設計を説明するため、関連する用語を修正し、現行基準への読み替えが行われた模様だ。具体的には、エアバックの設置要件や性能テスト手順の説明で必要とされる車内空間における装備の取付位置に関する表現は、これまでなら「運転席(driver's seat)」が「前列または前部ドア側座席(front row or the front outboard seating position)」に変更され、従来車とADS搭載車双方に適用される表現となった。自動運転車の室内空間を表すのに、運転席、ハンドル、助手席といった概念は既に過去のものとなり、不要な語ということになるようだ。ブティジェッジ運輸長官は、10日に出した声明で「2020年代を通じて自動運転や運転支援システムの開発に安全基準が追いつくようにすることが米国運輸省の安全に関する重要な任務の一つだ」と述べている。GMの傘下で自動運転車のメーカーとなるCruiseは「自動運転対応の電気自動車の商用ライドシェアサービス」を提供するため、NHTSAに安全性を確認するよう求めている。本サービスで利用される自動運転EVは「Cruise Origin」だ。車両は、ADS搭載車両となるため、ハンドルやアクセルペダル、ルームミラー、ワイパーなど自動運転に必要ない装備は搭載されていない(*一般向け乗用車としては販売せず、配車サービス専用に提供する車両だ)。GMとCruiseは同車両の安全性を、NHTSAから認めてもらった上で米国国内における自動運転ライドシェアサービスを実現させる考えで、同車両の量産を2020年後半に開始し、2023年には配備可能な状況にして行きたい。NHTSAの承認時期が重要となる。ブティジェッジ運輸長官の発言からすると、NHTSA自身も自動運転車両や自動運転支援システムの「安全基準の確立」や、今後各メーカーから要求されるであろう自動運転車両に対する「安全性の承認」について、開発側であるメーカーの水準や理解度を上回り、様々なシチュエーションへの対応事例を積むには、今しばらくの時間を要すると考えているようだ。同じことは、日本の警察庁や様々な関係機関(特に承認機関)にも言えると思われる。日本国内では、レベル4における公道実証実験のガイドラインが整った段階だ。法や規制の整備、安全基準整備の進捗についても日々メディア上で様々な意見が交わされているところだ。仮に既存車両がADS搭載車両に置き換わっても、乗員や車両周辺に存在する人の「安全性確保が最優先」であることは間違いない。またルールの整備後も、実際にADS搭載車両を公道で走行させた際に、噴出した課題が山積することも想像に難くない。市場への投入順位ばかりが、将来の自動運転車の売れ行きを決める訳ではないから一刻も早くとは言わない。「世界に通じる安全基準」や「より安全性に優れたADS搭載車両」を世界の道に走行させるため、いまは、より一層官民の連携密度を高め、じっくりこのステージに取組んでいただきたい。

AIが教習指導員に?人とシステムが共生する安全運転のあり方 他

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3月11日 昨日の続きとなるが、令和4年3月4日に警察庁交通局より策定された「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン」の内容について説明して行きたいと思う。ガイドラインは趣旨を除く9項目で構成され、2.基本的制度、3.実施主体の基本的な責務、4.公道実証実験の内容等に即した安全確保措置、5.テストドライバーの要件、6.テストドライバーに関連する自動走行システムの要件、7.公道実証実験中の実験車両に係る各種データ等の記録・保存、8.交通事故の場合の措置、9.賠償能力の確保、10.関係機関に対する事前連絡などが項目となっている。昨日4.までの詳細を書かせていただいたので、本日は5.~の内容となる。5.は、テストドライバーの要件についてだが、ここでは免許の保持、道交法や関係法令における運転者の義務を負うこと、仮に交通事故または交通違反が発生した場合には、テストドライバーが運転者としての責任を負うとの認識を持つこと、実施主体は実験施設等における確認後、当分の間テストドライバーについて、相当の運転経験があり、運転技術が優れていること、実験車両の自動走行システムの仕組みや特性を十分に理解していること、実験の実施前に実験施設等において、自ら実験車両の自動走行システムを用いて運転、緊急時の操作に習熟していることなどを求めるとともに、この要件を満たさない者をテストドライバーとする場合等についても補足している。テストドライバーは自動走行システムを用い走行している間は、必ずしもハンドル等の操作装置を把持する必要はないが、常に周囲の道路交通状況や車両の状態を監視し、緊急時に直ちに必要な操作を行う必要があるとしている一方、見通しの悪い場所、交通量が多い場所等、緊急時の操作を行う蓋然性が高い状況では、操作装置を把持し、または瞬時に把持できるよう手を操作装置の至近距離の位置に保つべき、など細かな要求もある。6.はテストドライバーに関連する自動走行システムの要件だが、先にも述べたように、テストドライバーが緊急時に安全を確保するために必要な操作を行うことが出来るものである必要が、第一に要求されている。また自動走行システムは、自動走行を開始または終了する場合、警報音を発するなどして、テストドライバーにその旨を報せ、テストドライバーとの間における実験車両の操作権限の委譲が適切に行われること、特にテストドライバーとしての要件を満たさない者が、テストドライバーを務める場合には、自動走行システムが機の限界達し、もしくは間もなく達しようとすることを検知したとき、または当該システムの故障を検知した時などにおいて、十分な余裕を持って、テストドライバーに操作を要請し、テストドライバーが円滑に操作を行うことが出来るものとすべき等、未熟なテストドライバーを保護しようとする反面、ガイドラインによる要求のハードルが高くなる箇所も見受けられる。また、サイバーセキュリティ基本法等を踏まえ、「適切なサイバーセキュリティの確保」に努めるべきなど、詳細な要求に踏み込まない箇所も見受けられる。7.は実施主体が公道実証実験中に発生した交通事故または交通違反の事後検証を十分に行うことが出来るように、実験車両に車両周辺の状況や車両状態情報の記録を行うドライブレコーダーやイベントデータレコーダー等を搭載すること、公道実証実験中の実験車両に係るセンサ等により、収集した車両状態を含む各種データ、センサの作動状況等について、交通事故または交通違反が発生した場合の事後検証に利用することが可能な方法により、適切に記録・保存することなどを勧めたものだ。8.は交通事故の場合の措置についてとなる。事故が発生した場合、テストドライバーは、道路交通法72条の規定に基づき、直ちに運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止するなど、必要な措置を講じ、警察官に当該交通事故の状況等を報告する必要を述べている。また、交通事故が自動走行システムの不具合や当該システムへの過信を原因として発生した場合には、実施主体は、当該交通事故の原因について調査した上で、再発防止策を講ずるまでの間、同種の公道実証実験を控えるべきとするものだ。これまで各地で起こった実証実験中の事故についても、このガイドラインに従い、長期に亘る実験の休止を余儀なくされているケースも散見される。事故による関係者への影響が大きな箇所でもあるが、真摯に原因究明を行い、実証実験を再開させた事例もあることを申し添えたい。9.は、実施主体は自動車損害賠償責任保険に加え、任意保険などに加入するなどして、適切な賠償能力を確保すべきことを示している。2022年2月4日には、損害保険ジャパン㈱、㈱ティアフォー、アイサンテクノロジー㈱の3社が、国内初とする、レベル4自動運転サービス向け「自動運転システム提供者専用保険」の開発を発表している。これは、自動運転導入事業者が事業に活用する自動運転車に対して、自動運転システム提供者が保険を付保する契約方式となる。また遡ると、2017年12月20日には、三井住友海上火災保険㈱、あいおいニッセイ同和損害保険㈱、㈱インターリスク総研が、「自動走行実証実験総合保障プラン」(道の駅版)の販売開始などを発表している。10.は、実施主体は実証車両および自動走行システムの機能、実施場所における交通事故や交通渋滞の状況、道路上の工事の予定、道路環境・道路構造等を踏まえた助言を受けるため、十分な時間的な余裕を持って、実施場所を管轄する警察、道路管理者ならびに地方運輸局(支局を含む)および沖縄総合事務局に対し、当該公道実証実験の計画(実施期間、実施場所、実施体制、実験車両及び、自動走行システムの機能、安全確保措置の内容等)について事前に連絡すべきことを述べたものだ。今後、国内で行われる自動運転「レベル4」の公道実証実験において、本ガイドラインが示された意義は非常に大きい。ゼロからスタートし、取りまとめに奔走したすべての関係者の労をねぎらうとともに、本ガイドラインが公道実証実験における実施主体の安全確保策の創意工夫を促進させ、核心となる「レベル4」の発展の礎となることを願って止まない。*出典:警察庁ウェブサイト:https://www.npa.go.jp/laws/notification/guideline_220304.pdf

自動運転「レベル4」の公道実証実験ガイドライン 警察庁が策定 他

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3月10日 令和4年3月4日に警察庁交通局より「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン」の策定についてとの通達が各都道府県警察の長宛に出された。参考送付先としては、庁内各局部課長、各附属機関の長とされた。国内において近年、レベル4の実現に向け、公道を使用した実証実験が各地で盛んに行われていることが背景となっている。諸外国との競争上、或いは日本市場への参入を計画する自動運転技術に関係する関係各方面が、待ちに待ったガイドラインとも言える。日本では「日本再興戦略」改訂2015(平成27年6月30日閣議決定)において、レベル4のまでの技術開発を目指し、適切に実証実験を行い、その効果を検証していくことが必要、かつレベル4を見据えた安全性に関するデータ収集等に必要な公道実証実験を積極的かつ安全に行うための環境を整備し、道路交通法等を含め、事故時の責任関係の他、運転者の義務等のあり方についても、これらの実験により得られたデータも踏まえつつ、我が国として引き続き十分な検討を進め、完全自動走行の早期の実現を目指す、との方針を掲げた。平成28年度3月11日の中央交通安全対策会議決定においては、「平成32年までに24時間の死者数を2,500人以下とし、世界一安全な道路交通を実現する」との目標達成に向け、従来施策の深化、先端技術の積極的に取り入れ、新たな時代における対策に取り組むことを決めている。その折「自動走行技術等の開発・普及のための環境整備を行う」ものとしている。警察庁はこれらの前提を踏まえて、この度自動走行システムに関する公道実証実験を実施するに当たって交通の安全と円滑を図る観点から留意すべき事項等を示すことにより、適正かつ安全な公道実証実験の実施に資することを目的とし、別添のとおり「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン」を策定した。各都道府県警察の長には、公道実証実験の実施主体から事前連絡または事前相談を受けた場合には、このガイドラインを活用しつつ、実施場所の交通実態等を踏まえた助言、情報提供等を行うなど、自動走行システムに関する公道実証実験について適切な対応を求めている。ちなみに別添とされた「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン」(平成28年5月 警察庁)には、上記の趣旨とともに、本ガイドラインは、これらによらない方法で行う公道実証実験を禁止するものではないとの断り書きが付されており、ガイドラインは、関係法令や自動走行システムに関する公道実証実験についての調査検討結果を踏まえ、同実験を行い、または行おうとする実施主体にとって有用な情報を提供し、その取り組みを支援することを意図しているものであり、「ガイドラインに適合しない公道実証実験を行おうとする場合」には、十分な時間的余裕を持って、実施場所を管轄する警察(各都道府県警察本部交通部交通企画(総務)課)に事前相談を行って欲しい旨などが付記されている。ガイドラインは趣旨を除く9項目で構成され、2.基本的制度、3.実施主体の基本的な責務、4.公道実証実験の内容等に即した安全確保措置、5.テストドライバーの要件、6.テストドライバーに関連する自動走行システムの要件、7.公道実証実験中の実験車両に係る各種データ等の記録・保存、8.交通事故の場合の措置、9.賠償能力の確保、10.関係機関に対する事前連絡などが項目となっている。2.は公道実証実験に用いる実験車両は、道路運送車両の保安基準に適合したものであること、運転者となる者が実験車両の運転者席に乗車し、常に周囲の道路交通状況や車両の状態を監視し、緊急時には他人に害を及ぼさないよう安全を確保するために必要な操作を行うこと(運転者となる者が緊急時等に必要な操作を行うことができる自動走行システムで)、道路交通法を始めとする関係法令を遵守して走行することなどを求めている。また、3.の実施主体は、十分な安全確保措置を講ずる責務があるとされている。4.は、(1)実施主体に実証実験の実施前に公道において発生し得る様々な条件や事態を想定した走行を十分に行い、実験車両が自動運転システムを用いて安全に行動を走行可能であることを確認することを求める他、公道以外に自動車安全運転センター安全運転中央研修所、独立行政法人自動車技術総合機構交通安全環境研究所、国立研究開発法人産業技術総合研究所、一般財団法人日本自動車研究所、指定自動車教習所、サーキット上などを実験施設として利用することも想定している。これは、実験施設等における確認後も、実証実験は安全性を確認しながら段階的に環境を変えて、実施すべきとの考えに基づくものだ。(2)また、新たな自動走行システムを用いた実証実験は、公道実証実験の内容に応じて、改めて実験施設等における確認から始めるべきとしている。(3)実施主体は、必要と考えられる場合は安全確保措置を講ずるべきとしており、緊急時に必要な操作を行うために、運転席に乗車するもの(テストドライバー)の同乗を求めるとともに、テストドライバー以外の者による自動走行システムと道路交通状況の監視を行う等の役割分担を措置を講ずるべきとしている。また、実験車以外に並走し安全を確保する車両を用意すること、公道実証実験中である旨を表示すること、地域住民や道路利用者に対し、チラシや看板等で公道実証実験の実施日時や実施場所を広報することなどを進めている。(4)実施主体は、自動走行システムが故障した場合や、交通事故が発生した場合等の緊急時における具体的な対応要領や連絡体制の共有と書面化、関係者間での周知を図るべきとしている。(明日に続く)*出典:警察庁ウェブサイト:https://www.npa.go.jp/laws/notification/guideline_220304.pdf

自動運転バスは雪道を走れるか? 北海道で実験、見えた期待と課題

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3月9日 2021年の12/15~19まで、に北海道の上士幌町で、ボードリー(BOLDLY/ソフトバンクの子会社)が自動運転バスの冬季運行の実証実験を行った。同社の発表によれば、氷点下となることが予測される環境下で、行政と連携し除雪や凍結防止の道路環境整備を施した上で、自動運転バスを走らせ、積雪による周辺環境の変化や、ぼたん雪などが各種センサーにどのような影響を与えるのか、また氷点下の環境における車両の走破性、路面凍結への対策の有効性などを確認するための実験とのことだ。実験では、フランスのNavya社の「NAVYA ARMA」と呼ばれる自動運転車両に、スタッドレスタイヤをはかせて走行を試みた。ボードリーは過去にも、上士幌町で自動運転バスを走行させた実績がある。ボードリーの自動運転車両運行管理プラットフォーム「Dispatcher」を使い、遠隔からリアルタイムに自動運転バスの運行状況の記録や把握を行い、運休や再開などの運行情報を利用者などに報せることで、利用者の利便性向上、サービスの品質向上にも役立てる。上士幌町では、本冬季運行試験について試験中の乗車を「どなたでも」(但し予約者優先)として町民の利用を促進している。コース上の停車場所の一部は、十勝バス、北海道拓殖バスのバス停やタクシー乗り場と共用することとしている。また、町内の停車場所には「道の駅かみしほろ」や「かみしほろ情報館前」「カミシホロランドリー」「カミシホロホテル」「上士幌町交通ターミナル」「かみしほろシェアオフィス」など、何れも上士幌町の活性化のため近年整備されたと思われる施設を選定しており、新たな公共交通の利用と同時に、これらの施設の利用・活性化も垣間見られる。バスは実証実験期間中、一日20便が設定されており、朝8時台から、夕方18台までほぼ1時間おきに運行される。上士幌町では、町役場から半径1km以内に主要施設や住宅が密集しており、コンパクトなまちづくりが進む。18時台は日没後となるため、自動運転車両はヘッドライトを点灯し、走行する夜間走行もこなすことになる。今回のルートは、町のブロードウェイとも言える337号線にほぼ並行して設定され、上士幌町交通ターミナルの部分だけ、337号線にアクセスすることとなる。言うなれば町域の全てから、新ブロードウェイ沿いの新たな施設に、自家用車ではなく公共交通を利用して足を運んでもらうお試しコースとも読める。新たな足が定着するなら、カミシホロホテルや道の駅かみしほろ等は、観光客用のプチ観光ルートを想定しているのかも知れない。しかし、これらの期待も冬季に自動運転バスが少なくとも足と言える頻度で運行できなければ、元も子もなくなってしまう。このため、今回の実験では冬季に積雪が予想される当地において、自動運転バスが安全に走行できる環境を整えるため、除雪車を動員し、自動運転バスの走行路の路肩白線まで除雪作業を行ったり、交差点や停止線付近に凍結防止剤を散布するなど、車両側だけでなくインフラ側にも雪や氷点下などの環境にも対応できるよう配慮している。これらの対策を施した上で、積雪時の自動運転バスの運行を前提とした適切な除雪作業の実現、積雪などによる周辺環境の変化が、自動運転バスのセンサーによる自己位置推定機能に与える影響度合いを把握したり、降雪時にぼたん雪などが自動運転バスのセンサーにより障害物として検知される度合いの把握、氷点下における車両の基本的な動作性能の確認(「NAVYA ARMA」の動作保証条件は気温が氷点下10度以上、上士幌町の12月平均気温は氷点下4.8度)、路面凍結においては、スタッドレスタイヤの走破性、凍結防止剤によるスリップ防止の有効性などが確認されることとなった。この他にも様々な国や団体において、雪道での走行を実現させるための取り組みが行われている。雪道において技術的なハードルが上がると言われるのは、自動運転に必要とされる「認知」や「判断」機能に天候や走行環境の影響があるからと言われる。具体的には車両に搭載されているカメラやセンサー等の認知機能の低下などが課題となる。これにより影響を受けるのは、車載カメラで車線の白線を認識し、車線逸脱を防ぐレーン・キープ・アシスト機能である。また、車両周辺の物体との距離や位置を測定するLiDARも、降雨や降雪の影響を受ける。またLiDARなどの情報をもとに生成される、高精度3次元地図なども、除雪された雪山や雪に埋もれ標識が認識できなくなる等、既に登録された位置情報との差異が大きくなるため、正常な判断ができなくなる。しかし、北米、アジア、欧州などの市場において、雪道の走行はほぼ必須条件となる。このためフォードなどは、豪雪地帯となるミシガン州の大学などと雪道走行の実験を重ね、積雪により車載カメラやセンサーなどが路面の表示を読み取れない状況においては、解像度の高い3Dマッピング技術と高精度のLiDARの組み合わせ、これらにESC(横滑り防止機能)やトラクションコントロール(エンジン出力の調整)を連動させることで安全な雪道走行の実現を目指しているという。「宇宙のまちづくり」を目指し、1980年代に「航空宇宙産業基地」の候補地とされた北海道の大樹町では、航空や宇宙分野での実験や飛行試験の誘致に積極的だ。「大樹町多目的航空公園」では、JAXAを始めとする民間企業や大学により様々な実験が行われており、2021年4月より宇宙港「北海道スペースポート」(HOSPO)を本格稼働させている。同町では、2017年12月に20人乗りのマイクロバスを使用し、衛星から送られる測位情報や道路に敷設した磁気マーカーを利用した雪道の走行実験が行われている。2021年2月には、中小企業庁の「サポインマッチナビ」(ものづくり中小企業のビジネスマッチングサイト)において、㈱ヴィッツ、アーク・システム・ソリューションズ㈱が「AIやセンサーを活用した状況確認技術を積雪環境に対応させ、積雪寒冷地域での自動運転技術を開発」プロジェクトへの参加を募っている。同社では、寒冷地域での自動運転には、積雪により車両周囲の状況認識が困難になることを技術課題と捉え、「状況認識技術」を積雪環境に対応させ、雪道走行が可能な自動運転車の開発を加速させ、地域が抱える交通弱者の課題解消に貢献することを目的に開発に取り組んでいる。同社はこれまで、積雪環境で機能する自己位置推定技術の開発(ダイナミックマップを利用しない「Snow-SLAM」方式)や、積雪環境の仮想シミュレータ開発、グローバル経路計画との連携技術開発などの開発成果を上げている。実験のアドバイザーには、トヨタ、アイシン精機、日本自動車研究所、情報処理推進機構、北海道立総合研究機構などが名を連ねる。フィンランドのSensible4(センシブルフォー)は、フィンランドのエスポ―市発のスタートアップだ、同市はフィンランドの南部都市だが、冬季には、平均気温2℃未満の日が続く。2月の平均は-8℃にもなる。同社は、このような都市で全天候型自動運転ソフトウェアの開発を続ける。ちなみに同社の自動運転ソフト「DAWN」を搭載して、同地で走行するのは日本の無印良品の「GACHA」だ。バスの自動運転化が先か、除雪車の自動運転化が先となるかは、まだわからないが、極寒の地を自動運転バスをはじめとして多様なサービスカーが生き生きと走る日を楽しみに待ちたい。

2028年に869.1億米ドルに達する世界の自動車データ収益化市場規模 他

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3月8日 3/3に株式会社HYAKUSHOは、長野県飯島町にてスマートモビリティシステムの企画・開発・製造・販売を手掛けるZenmov株式会社と共同実証実験として「二次交通用のEVカーシェアリング実証実験」を始めた。同町は長野県の南部、伊那谷のほぼ中央に位置する。東に南アルプス、西に中央アルプスを望む位置にある。町内の交通は、中央自動車道、JR飯田線、国道153号線となり、東京や名古屋からの交通の便も良い。町の面積の55.66%は森林・他、山林が13.57%、田が9.38%、宅地は僅か3.43%というから、自然豊かな町と表現できる筈だ。西には南駒ケ岳、空木岳(うつきだけ)、越百山(こすもやま)が目前に迫り、東には仙丈岳から赤石岳まで3000m級の峰が連なる南アルプスがある。長野地方気象台飯島観測所のデータによれば、海抜728mにある典型的な内陸型気候の飯島町の平成30年度の最高気温は34.5度、最低気温-11.5度だった。江戸時代に幕府の陣屋が設置(延宝5年/1677年)され、伊那郡を中心とする幕府直轄両を支配する拠点としての役割を担った。明治維新以後に伊那県庁(~明治4年11月まで)が置かれる。町政の施行は昭和29年1月。その後、七久保村と合併、現在の飯島町となる。令和4年3月1日時点の人口は、9,194人(うち外国人が283人)。同町の「伊南観光地域づくり基本戦略」(2019 Ver1.0)によれば、今回の実証実験も基本戦略に含まれる。戦略のもととなる基本構想に「ピュアライフ~二つのアルプスに護られた自然が寄り添う暮らし~」とのブランドコンセプトを置き、地域ブランドの確立を目指す。戦略のモデルユーザーは「故郷がなくどこか里帰りにあこがれる都会のファミリー」だ。同町のコンセプトに共感してもらえるモデルユーザーを設定し、ユーザー視点による価値を追求し、ブランドイメージの形成を図るとしている。将来的には「帰りたい故郷であり続ける~「ただいま」と「おかえり」の声が溢れる場所に~」を掲げ、地域人口の安定、労働人口の確保、交流人口の増加を図り、地域の文化・経済を持続させ、次世代に受け継ぐことを周辺の3市町村と共通の目標に据える。これらの目標を実現するため「100年先も選ばれる故郷であるために、地域を「紡ぐ」「伝える」「磨く」」をミッションに据える。「紡ぐ」は伊南地域の日常や暮らしの豊かさに価値を掘り起こし、つなぎ合わせることで地域ならではの魅力的なコンテンツや体験を創出することを意味する。また「伝える」は住民自身が地域を知り、地域の情報を集め、発信することを意味する。地域情報が集約出来る仕組みを作り、効果的な発信、戦略的なプロモーションを通じて、モデルユーザーに働きかけを試みる。最後の「磨く」は伊南地域全体を面としてブランド価値を磨き上げ、無垢な故郷「ピュアライフ」を地域のブランドイメージとして確立、ユーザーとの信頼関係を構築することを指す。伊南地域の地域づくりを推進するのが「みなこい観光地域づくり推進機構」だ。同地域を一つの会社になぞらえ、各組織の合意の形成・意思決定、観光地域づくり戦略のための検討・計画策定や組織の役割分担などを行うプラットフォームとなる。会社組織の総務部に当たるのが市町村(行政)だが、その役割に「地域二次交通整備」が置かれている(参考:https://www.town.iijima.lg.jp/material/files/group/1/kihonsenryaku20191210001.pdf)。飯島町では、鉄道や高速バスなどの都市部から町までの基幹交通は整備されているものの、町内の観光的な周遊を促す「二次交通」の存在がほぼない。公共交通は日に4便の「いいちゃんバス」とバスの時間に合わせて、地域線として「予約制乗り合いワゴン車・タクシー」が運行されているが、観光向けというより市民の生活の足の色が強いようだ。今回の実証実験では、この二次交通部分にEVシェアリングの仕組みを導入し、バス停に設置、市内ローカルエリアへのアクセス向上を図る。駅やバス停など公共交通の停留所にEVを配置し、同町を訪れる観光客に利用してもらう想定だ。また二次交通の充実により、観光客の来訪意欲が高まるかを検証するため、町内の千人塚公園キャンプ場を目的地とした利用状況を検証するとしている。さらに町内を移動するための二次交通としてもEVを利用してもらい、地域周遊を促すことが出来るのかについても検証していく。飯島町では、現在町内の千人塚講演キャンプ場内にある施設をテレワークやサテライトオフィスとして利用できるよう整備を進めている。同町の令和2年度飯島町移住・観光パンフレット「iijima note」を拝見すると、千人塚公園(オートキャンプ、SUP、トレッキング、テントサウナなど)をはじめとして、依田切公園(BBQ、キャンプ、テニス、プール、信州の名水・秘水に選ばれた「越百の水」)など、観光・レジャー面、市内のカフェやスイーツ、農業体験、移住・定住のお試しなどが紹介されている。これらの情報がEVを利用する観光客の周遊を促進する仕掛けとなると思われる。このパンフレットを通しても「移動」が地域で生活する市民や町への来訪者に与える影響・恩恵の大きさや地域交通大切さが伝わってくる。実証実験が成功し、二次交通が持続可能と言える道筋が付くことを願いたい。

風雲児テスラ、ソフトを主役に 「進化する車」で自動車業界揺さぶる 他

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3月7日 この3/3にデロイトトーマツグループは、全世界25か国以上の消費者を対象に自動車産業に影響を与える様々な課題に関して調査した結果をもとに、日本や米国を含む13か国の地域の消費者意識を考察しまとめた「2022年 デロイトグローバル自動車消費者調査」を発表した。※本調査は2021年9月~10月に実施され(コロナ禍における生活環境の影響を受けた調査結果であると考えられる)、今回の調査は世界25か国で26,000人以上の消費者に対し調査が行われているが、うち日本のサンプル数は1,000(3.84%)である。サンプルの分布については、18-34歳が21%、35-54歳が34%、55歳以上が46%で、女性が48%、男性が52%、居住地域は、田舎が23%、郊外が39%、都市が39%となる。同社Webサイトからグローバル版と日本市場編のダウンロードが出来る。この調査はコネクテッド、自動運転、モビリティサービス、電動化といった「CASE」「MaaS」に対する消費者の意識を調査したものだ。うち日本市場編では【①先端技術と車両のコネクテッド】、【②車両の電動化】、【③今後の車両購入意向】、【④モビリティアプリケーション】、【⑤モビリティサービス】がテーマに据えられた。①については、安全性、代替エンジン技術、自動運転には追加コストを支払っても良いと考える消費者が7~8割に上り、自動運転・代替エンジン技術には、比較的高額の追加料金を払っても良いと考える人が4割を超える(代替エンジン技術・コネクテッドを含む先端技術に対して積極的にお金を支払う消費者は、世界のほとんどの国・地域において限定的である)。また約7割の消費者は、コネクテッドカーが安全な、或いは最適なルート提案をしてくれるのであれば、個人データを共有しても良いと考えている。(世界においても、コネクテッドカーが渋滞の迂回ルートや安全なルートの提案、車両のコンディションの遠隔チェックや整備コスト削減方法などの提案を行ってくれるのであれば、個人情報を提供しても良いと考える消費者は比較的多い)。②については、消費者の約6割が電動車に乗り換えようと考えているが、4割弱はハイブリッドを考えている。電気自動車(BEV)への乗り換えを考える人は1割程度に止まる(韓・中・独では多く、日はHEVの比率が高い、米はICEを考える人が7割)。次の車両購入にかける金額は、電動車(BEV/PHEV/BEV)80%、内燃機関車(ICE)75%と、ともに500万円未満が最多価格帯となった。消費者にとって、電動車の魅力は「燃料費の削減」ができる点にあり、気候変動への懸念を背景とした「排出量の削減」を大きく上回る(世界では、低燃費、気候変動への懸念、CO2排出量削減が電動車の取得決定に影響を及ぼす理由)。電動車の購入を考えているものの、充電コスト(電気代)が化石燃料代と変わらないのであれば、購入を再考する(≒買わない選択肢も考える)と回答した人は35%に上った(世界では電気料金が値上がりすれば、相当数の消費者が電動車の購入をためらう可能性がある)。消費者の76%が充電場所に自宅を選択する(日・印・米では「自宅」が多く、韓・東南アジアでは「路上/公共充電スタンド」を考える人が多い。*自宅での充電を考える人の中で、通常の電力網と再生可能エネルギーの両方を電力源と考える消費者は、印・中・東南アジアに多い)。それ以外を選択した消費者の半数は「自宅に充電器を設置できない」ことを、その理由に挙げる(世界では自宅充電を想定しない理由に「充電器を設置できない」「充電設備の設置費用が高額である」が挙がる)。消費者が電気自動車(BEV)の購入をためらう最大の理由は、充電インフラの欠如である(世界では、航続距離と公共充電インフラの不足を懸念、フル充電時の航続距離は、米では凡そ805kmに対して、中・日・印では凡そ402kmが期待されている)。電気自動車(BEV)が内燃機関車(ICE)よりも環境への影響が少ないかどうか、消費者の見方は分かれている(東南アジアでは環境への悪影響は BEV<ICEとの理解が最も高く、最もその比率が低かった韓の消費者の2倍)。③については、COVID-19をきっかけに、公共交通を回避する手段として車の購入を考える消費者は、都市部に多い(印・東南アジアにおいてコロナ禍で車購入の意志決定の理由は、公共交通機関を避けるため)。消費者の約3分の1がローンで車の購入を考えており、うち約半数が1~3年のローン期間を希望している。車の購入は、いまだ対面取引が好まれるものの、若年層ではオンライン購入を考える人が比較的多い(世界でも対面購入が好まれる)。オンラインでの購入を希望する消費者のほぼ半数は、自動車メーカーからの購入を望んでいる(世界ではオンライン購入の場合、ディーラーからの購入が好まれる)。消費者は「利便性」と「取引のスピード」をオンライン販売に求める(世界でも同様)。それでも、現物を見て試乗したいと思う消費者が大半であり、車両購入のデジタル化は進んでいない。④については、モビリティサービスのアプリは、サービス内容が不十分だと思っている消費者が大半である。消費者はワンストップで様々なサービスを提供してくれるアプリを望んでいる。年齢に関わらず、全ての消費者は、モビリティアプリの「価格」と「使いやすさ」を最も重視している。消費者は、「交通アプリ」よりも「地図」や「旅行」のアプリに興味を持っている。⑤については、一回の移動で、複数の交通手段を使用しない人が半数近くに上る。毎日、複数の交通手段を利用して目的地に向かう人はわずか7%に留まる。公共交通機関と自家用車は依然として最も使用されている移動手段である(世界では、自家用車が最多。韓・日では公共交通機関が3割を占める)。シェアリングサービスは、自転車/電動スクーター/自動車など、全ての形態においてあまり使用されていない。自家用車と公共交通機関を、今後も主な移動手段と考える人が最多に。若年層ほど、自動車のサブスクリプションに興味を持っている(中・印・東南アジアではサブスクリプションへの関心が圧倒的に高い、サブスクに求められるのは、利便性の高さ、柔軟なサービス内容、入手のしやすさ)。中古車・異なるメーカー・同一メーカーの異なる車種の全てにおいて若年層の関心が最も高い。ただし、半数以上の消費者は、通常のカーリースよりも少ない金額、もしくは同額でなければサブスクリプションを選択する意向はない。自動車メーカー(と系列の自動車金融会社)はMaaSソリューションの提供者として、最も信頼されている。一方、消費者の3割は誰が最適なプロバイダーかを決めかねている。調査項目によってはコロナ禍であるが故の回答と推測される箇所も見られたり、各国の交通事情や様々な前提を含め、あらためて調査結果を俯瞰する必要があると思われるが、調査結果はまぎれもなく各国の消費者意識の「いま」を表すものだ。今後のCASEやMaaS市場の発展のため、CASE・MaaSに関わる全ての方々に、国・地域による市場ニーズの差異に柔軟に対応できる、優れた製品・サービス・ソリューションの創出に期待したい。

自動運転本格化を見据え、クルマを走るエンタメ空間として再定義 他

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3月4日 MaaSアプリの普及に伴い、MaaS運営主体ではアプリの「使い方」に知恵を絞っている。2022現在のMaaSアプリをいくつか挙げるなら、小田急のEMot(エモット)、西武のSeMo(セーモ)、沖縄MaaS、仙台MaaS、広島電鉄のMOBIRY、京王のTAMa-GO(タマ・ゴー)、トヨタのmy route、MaaSアプリの元祖とも言えるフィンランドのマースグローバル社のwhim、東京メトロのmy!東京MaaS、英・ロンドン発のシティマッパーリミテッドのCitymapper、JR西日本のsetowa、MaaS Japan、東京~伊豆半島における実証実験で名を馳せた東急のIzukoなどがある(参考:リブ・コンサルティング「マルチモーダルカオスマップ2022」)。アプリのカオスマップにおける軸に注目すると、アプリが存在する領域は、オリジナルアプリとホワイトラベル(ホワイトレーベル)、都市交通系と観光系との住み分けになる。アプリに実装される機能としては、混雑状況の可視化、O2O/OMO(O2O:インターネット上の情報を契機に実店舗への来店を促す販売戦略、OMO:ECサイトと実店舗を融合した顧客体験の向上を目的とするマーケティング手法)、決済、地図データサービス、ルーティング(検索)、運行情報、Pol情報連携(*Point of interest/移動の目的地)などが主なところとなる。全国ではこれまで主流であった路線バスやコミュニティバスに加え、より身近な移動をカバーするデマンドタクシー、シェアリングサービス(乗合い)などの、実証や運行が始まっている。これらの「足」と基幹交通をワンストップで結ぶ「移動のDX」や「移動の高付加価値化」がアフターコロナの移動と周辺経済を支えると期待される。しかし、交通事業者にとってはアプリの開発には膨大な開発の手間やコスト(参考:「MaaS戦記 伊豆に未来の街を創る」講談社/森田創著)が必要となることから、先行する企業のアプリに「相乗り」する事例も増えている。この結果、先発組となる大手企業のアプリは各地の実証実験に用いられることとなり、当初は利用者の「移動スイッチ」を入れるため、アプリ内にポイント発行、スタンプ、デジタルチケット販売などの機能を仕組みを取り入れていた。最近では、アプリ内のこれらの機能がJR各駅などに設置されていた「みどりの窓口+α」を置き換えつつあるようだ。これらの状況を踏まえ先行組は、自社のオリジナルアプリをホワイトラベル(ホワイトレーベル)化し、グループ内以外の交通事業者などと協業を始めている。日経新聞によれば、小田急EMotの、2021年度のチケット取扱額は3億円を超える見込みで、2020年度の約5倍となる。コロナの影響で減便やサービスの縮小などが続く交通各社にとっては、久々の朗報と言えよう。しかし一方では、アプリの乱立状態や蓄積されたデータ利用の権利関係の調整、これまで投資して来た各社のアプリを他社と統合出来るのか?などの議論がある(2/20 産経新聞「移動の変革MaaS 鉄道各社が争うデータ取得」https://www.sankei.com/article/20220220-XZ57U24TERPPVGDUL5CDBUU5FQ/)ことも確かだ。大阪・関西万博を控える中国・四国や北陸を含む「関西圏」の事業者であれば、少なくとも2025年前後における経済的メリットが見通せるため、各社とも協調路線を選択しやすい状況にあると考えられる。他方、九州や、関東、東北、北海道などは、協調のメリットを打ち出すため、この時期に収益ツールとしてのポテンシャルを持ち始めた、MaaSアプリを活用し、「何を・どのように」仕掛けるかが、コロナ禍後の成長を促す戦略として重要となるのではないか。JR東日本は、2/10に昨年11月から開始している「TOHOKU MaaS」の通年実施を発表したところだ。アプリ上では東北6県の8エリアで共通の電子チケットを販売したり、周遊モデルコースを紹介し、各所のオンデマンド交通とも連携、目的地までの移動時間を計算させたりして、観光客の周遊を促進する。経済産業省では、スマートモビリティチャレンジの一環として、2021年6-7月に「地域や業種をまたがるモビリティデータ利活用推進事業」に参加する事業者を募っており、日本ユニシスが採択された経緯がある。業種をまたいで、人流、物流、モビリティデータ等を利活用することで、新たな価値を生み出す高度なMaaS実現のために、利用者にパーソナルデータの提供を仰ぎ、賛同を得られるか?について新潟市と金沢市において社会実験を行った。実験の背景として「地域住民の移動に関するデータは、交通事業者などの移動サービス事業者が個々に保有しており、統合的にデータ分析できる環境は整っていない」としていた。日本ユニシスは、主に地方の中核都市を対象として、生活者向けMaaSの企画実証や、MaaSデータを含む様々なモビリティデータの利活用に関する研究を進めて来た。また、アプリ利用者本人の意思に基づき、MaaSデータ等の生活者が所有するパーソナルデータを「業種・業界を横断して流通させる」ことを可能にするプラットフォーム「Dot to Dot」を2020年11月より、開発・提供している。同省の舵取り次第で、各地の交通事業者が受ける恩恵の器の整備が早まる可能性がある。期待とともに「コト」の成り行きに注目して行きたい。

電動車や自動運転技術搭載車に関する安全確保策やデータ利活用方策の検討を行います ~自動車の高度化に伴う安全確保策のあり方検討会(第4回)の開催~ 他

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3月3日 国土交通省は3/7(月)に「自動車の高度化に伴う安全確保策のあり方検討会(第4回)」をWeb会議で開催し、電動車(EV)や自動運転技術搭載車に関する安全確保策やデータ利活用方策の検討を行うとしている。ここに示された「データ」とは、自動運転技術や電動車の普及等、自動車の変容・高度化に伴い、高電圧保護や各種センサーの作動不良、サイバーセキュリティなど、電動車(EV)や自動運転技術搭載車特有の課題に対応することを目的としてするデータ群を指す。このため、車上に搭載された機器から収集される不具合情報の収集がより重要となる。いわゆるOBD(On-Board Diagnostics)機能の導入により、今後、使用過程にある車両に記録された、故障データの「更なる活用」が可能となる見込みだ。想定される不具合・故障データの利活用の方向としては、ユーザーの安全・安心の確保、ユーザーの利便性向上などとなっている。情報収集の主軸となるODB機能により車両から読み取られる不具合・故障情報とは、具体的にどのような情報なのか、その詳細や収集方法も気になるところだ。3/9(水)~11(金)まで、日本唯一の自動車アフターマーケット国際展示会「第19回 国際オートアフターマーケットEXPO 2022」にその答えの一端がありそうだ。この展示会は、自動車のアフターマーケットビジネスの活性化を図ることを目的に、自動車の売買・整備・メンテナンスを始め、自動車を取り巻く環境・インフラ等、様々な領域を擁する「自動車アフターマーケット」に関する最新情報や業界動向を、展示、実演、セミナー等により情報発信する場であり、自動車関連ビジネスに関わる幅広い関係者の交流の場となっている。今回は3年ぶりのリアル開催となることもあり、出展者数も過去最多の225社を数える。展示されるのは、製品・サービス以外にも行政関連の動向、旧車市場や自動車販売戦略、地域連携やディテイリング(車両細部の美化・美装)、人材など多岐に渡るセミナーと(SDGsなどの環境課題に対応する)水性塗料の実演塗装、最新機器による「キャリブレーション」の実演なども実施される。後付けADAS(先進運転支援システム)装置を扱う丸紅オートモーティブ、(コロナによる車内の清浄化を念頭に置いた)エアコントータルソリューションのウルトジャパンなど注目の製品・サービスが展示される。このうち「キャリブレーション」実演セミナーでは、「特定整備制度の開始・点検基準改正」に伴い*、「エーミング作業」、最新機器・機材の「情報収集」を行える車両を使ったデモが行われる。電子制御装置整備時代に求められる(自動車整備工場などへの)入庫時の診断にもとづく整備、エーミング(衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装置を正しく動作させるための「校正作業」のこと、事故による衝撃や飛び石などでフロントガラスの交換が発生する場合、ガラス上部に取り付けられているセンサーにズレが生じるため、ズレを修正する一連の作業を指す)、そして完成検査等についての実演セミナーが行われる。車両整備などの関係者以外は聞きなれない言葉だが「エーミング」とは、ASV(アドバンスド・セーフティ・ビークル/先進安全システムを搭載した車両)の先進安全システム(衝突被害軽減ブレーキの他、ふらつき注意喚起装置、車線逸脱警報装置、ACCと呼ばれる定速走行・車間距離制御装置など)には、安全運転をサポートするこれらの装置のコンディションを常に正常に保つ必要があり、そのための整備・調整作業を指す。「エーミング」を行うためには、ターゲット・リフレクター、スキャンツール(外部診断機)、水準機、角度計、整備書(各自動車メーカー)、アライメント測定器などが必要とされる。ターゲットやリフレクターは、カメラに読み込ませるための「標的」のことを指す。これらのうちスキャンツールは、車の車載診断機に繋ぐためのツールで、エーミング作業はこのスキャンツールから行う(参考:https://www.resolution.co.jp/archives/62505)。ASV(アドバンスド・セーフティ・ビークル)の自動ブレーキなど前方や周辺を常時監視する先進技術などにおいては、車両整備時や修理時や走行距離が累積するに従い、センサのズレや誤動作が生じる可能性がある。このため、センサの取付角度の点検や調整が必要とされる。特にカメラやミリ波レーダー等のセンサの点検・調整には、スキャンツールが不可欠であり、点検の結果、異常が認められた場合には、センサの取付角度を調整するエーミングを行う必要が生じる。(エーミング作業を行うためには、一般に床が平坦、かつ広い空間が求められる。エーミングでは自動車の前方の正確な位置にターゲット(センサ調整用の標的)を設置した状態でスキャンツールの「実行)を選択すると、自動(一部ミリ波レーダーのエーミングは手動)で調整される。このセンサの角度調整に当たるエーミングのうち、ターゲットを使用する作業をエーミングといい、使用しない作業を「キャリブレーション」と呼び分けている。「自動車特定整備制度」は、従来からの分解整備に加え、自動ブレーキなどに使用される前方を監視するカメラやレーダーなどの調整や自動運行装置の整備について「電子制御装置整備」と位置付け、その整備に必要な事業場(電子制御装置点検整備作業場)や従業員、工具(整備用スキャンツール等)などの要件を定めた制度(参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001332203.pdf)だ。*道路運送車両法の一部改正(令和元年5月24日法律第14号〔第2条〕公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行(※令和2年1月31日(政令第20号)において、令和2年4月1日からの施行)により、①自動車の保安基準(省令)の対象装置に「自動運行装置」が追加、②自動車の電子的な検査に必要な技術情報の管理に関する事務を行わせる法人の整理、③分解整備の範囲の拡大及び点検整備に必要な技術情報の提供義務付け、④自動運行装置等に組み込まれたプログラムの改変による改造等に係る許可制度の創設などが行われるようになった。現在、車両へのADAS(先進運転支援システム)の導入が進んだ結果、「道路運送車両法の一部改正」が公布・施行された経緯を契機に、2020年4月1日から「自動車特定整備制度」(OBD点検や検査など)が、全国に約10万ヵ所以上あるとされる「整備に必要な事業場」に導入されはじめ、各自動車整備事業所は、その対応に追われている。今後は、その産物(成果物とも)として冒頭の「不具合・故障データ」の蓄積が進むことになる。今回、国交省が「自動車の高度化に伴う安全確保策のあり方検討会(第4回)」において、検討される「データ群」に安全・安心を念頭に、自動車メーカー、部品メーカー、ユーザー、アフターマーケット等、幅広い関係者に資する様々な「価値」が見出されることを期待したい。

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