日本の「自動運転」普及を阻む道路事情とは? 一歩先を行く米国との差は何か 他

MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、運営主体を問わず通信技術の活用により、マイカー以外の交通手段による移動を1サービスとして捉えシームレスにつなぐ新たな移動手段の概念です。AOSデータ社は、MaaSをより安心して利用できるよう、リーガルテクノロジー(自動車フォレンジック)で貢献します。

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日本の「自動運転」普及を阻む道路事情とは? 一歩先を行く米国との差は何か


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    Impressions:5月26日 少し前の話題となるが、国土交通省に「電動バスガイドライン概要」(平成30年12月)がある。同省は地域交通のグリーン化に向け、電動バス導入費用の一部を補助する「地域交通グリーン化事業」により、同年まで計30台の導入支援を行い、次年度以降も普及加速を狙った。同ガイドラインは、地域交通のグリーン化を促すため、電動バスに関する評価や普及に必要な取組について検討、「地域交通グリーン化事業効果検証・ベストプラクティス委員会」の議論を踏まえ、バス事業者の手引きとなるよう、導入の検討から運用開始までの手順、効果評価等をまとめたものだ。資料は電動バスの性能や特長、計画的に導入を進めるための手順、電動バスのCO2排出削減量の算定方法、導入効果、現状(当時の)課題、導入事例を掲載している。電動バスは、ゼロエミッション(CO2削減)、低騒音・低振動、快適な乗り心地、災害時の電力供給減などの特長を持つ。導入効果の最たるものはCO2削減(ディーゼル比:最大4割程度の削減効果)、その経済性は運行費用(ディーゼル比:最大4割程度の削減効果)、整備費用(ディーゼル比:最大5割程度の削減効果)という。電動バスの導入課題は、車両価格が高価、航続距離が短い、保守体制の構築などがあり、各車両メーカーの特性を把握の上、車両メーカーや充電メーカー等と協議の上、導入とある。ちなみに①電動バスの価格は約6,000万円~1億円程度、②プラグインハイブリッドバスの場合は、約6,500万円程度、③燃料電池バス(トヨタのSORA)は約1億円と言われる。この他、インフラとして①は普通充電、急速充電施設、②は給油所+①、③は水素ステーションが必要となる。導入検討から運行開始までは、およそ1年半。運行路線に見合うスペックの割り出しと、導入後の運用及び保守体制含め、メーカー等(車両販売会社、地方自治体などの車両導入事業者、電力会社・燃料メーカー、蓄電池メーカー、車両メーカー及び車両改造メーカー、充電器メーカーなど)との協議が必要とされる。一方、2021年4月16日に(株)みちのりホールディングスが「みちのりグループの電動化に向けた取り組みについて」をまとめている。同資料の15頁ある「電動バスの本格導入に向けた課題と対応の方向性」によると、電動化はCASEの一角でありバス事業者の持続可能性の視点からも重要な取組との認識が示されつつ(深圳市:市内路線バス:18,000台を転換済、ロンドン市:2035年に市内全ての路線バス8,800台の電動化を目指すなどの事例が併記されている)、投資余力に限りのある「地方部における導入モデルの構築」が必要とされる。2018年度の民間バス事業者の経常収支率(収入/支出)は東北エリアで75.2%、京浜エリアで109.9%である。都市部と地方の投資余力の「格差」などが導入障壁となっている様子も垣間見える。またこれらに加え、運転士の教育や運行オペレーションや車両整備体制の構築等、これまでのディーゼル車中心のものとは異なる組織能力の獲得、運行中の車両のガス欠ならぬ電欠を防ぐ「エネルギー管理」などの必要もあり、運行状況を監視する「エネルギーマネジメントシステム」導入など、新たな投資が必要とされ事業者にとって頭の痛い問題だ。ちなみに東京交通局では、2017年の市場投入以降、水素を燃料とする燃料電池バス(FCバス/路線バス)の運行を開始している。2019年3月からは東急バスなども導入を果たしている。