自動運転バスが“絵にかいた餅”で終わる理由 他

MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、運営主体を問わず通信技術の活用により、マイカー以外の交通手段による移動を1サービスとして捉えシームレスにつなぐ新たな移動手段の概念です。AOSデータ社は、MaaSをより安心して利用できるよう、リーガルテクノロジー(自動車フォレンジック)で貢献します。

自動運転バスが“絵にかいた餅”で終わる理由


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自動車フォレンジック関連サービス(Related forensics services)


AOSデータ社の自動車フォレンジック関連サービスは、予期せぬインシデントが起きてしまった場合、事後対策として車載デバイスやメディアなどから、お客様の必要とされるデータの抽出・解析調査・レポーティングを迅速に行うサービスです。


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    Impressions:4月6日 自動運転サービスの導入検討が各自治体で進み、自動運転サービスのビジネスモデルや事業自体の採算性についての議論が取り交わされることと思う。国土交通省に「自動運転サービスの採算性の検討事例」との資料がある。試算の前提は、導入車両は6人乗りゴルフカート+牽引車(貨物積載用)、インフラは電磁誘導線を敷設した場合:6km×上下線、運行条件は一日5往復(所要時間は片道30-40分)、運行体制は、安全監視員(1名)、運行管理センターオペレータ(1名)、沿線人口は600人、430世帯(6km)となっている。初年度の年間支出入の比較は、【支出】一般車両による運行では870万円/年(運転手とオペレータ計=人件費610万円、減価償却費=車両費70万円)、燃料費30万円、運行システム費、諸経費、修繕費・利子)となる。これを自動運転車による運行に置換えた場合(有償ボランティア活用)560万円/年としている。(乗務員とオペレータ計=人件費320万円、減価償却費=車両費80万円)、電気代7万円、運行システム費、諸経費、修繕費・利子、これに減価償却費=(電磁誘導線)190万円)が加わる。*車両購入費は補助を活用する前提。【収入】430万円/年となり、内訳は高齢者等の送迎210万円、商品配送155万円、自動送迎34万円、みかん搬送28万円、これに道の駅等地元企業・団体からの支援、自治体からの支援(既存コミュニティバスの補助の充当、道の駅等における介護活動の実施による運行補助の活用等)が加わる。自動運転車による運行に切り替えた場合、初年度は約130万円の赤字が出る計算だ(この赤字は10年以内に100万円以下/年に抑制される見込みになっている)。計算のモデルとなったA市におけるコミュニティバスの運行状況を見ると、運行の主体は自治体である。車両はマイクロバス2台、大型ワゴン3台、大型ワゴン1台、運行路線は、9路線15系統、運行条件は各路線とも2-5.5往復/日、所要時間は片道30-160分、年間の利用者数は、46,800人/年(H30年度見込)、うち自動運転路線と並行する路線では、14,000人/年だ。収支は支出/収入とも4000万円/年で、トントンだが収入の内訳には自治体負担が2900万円(約300万円/路線)とある。つまり自動運転車両を運行することで、年間130万円の赤字が出るが、単一路線で比較しても、現行のコミュニティバスより、自治体の負担は減少するということらしい。この試算が成り立つには、車両購入費の補助や道の駅等の地元企業・団体からの支援、自治体の支援の割合が重要となる。この発想で終始するなら、SDGsが示す「持続可能な」地域の足は作り得ない。赤字路線廃止の負のスパイラルに逆戻りだ。個社のリストラクチャリングやコスト削減といった努力の範疇は超えている。重要なのは、運行主体側(自治体や協議会、公共交通事業者を含めた参加企業)の経営努力だろう。国はビジネスモデルの情報収集や公開に本腰を入れるべきだし、自治体は自治体クラウド*の導入を思い出し、ベネフィットが一致する周辺自治体や遠隔の都市部自治体との「割り勘」の道を模索してはどうだろうか。自治体間の取引にも可能性がある。極端な例だが、都市部で不足する病床も地方なら場所の確保がしやすいケースもあるだろう。自治体間におけるCO2排出権取引の可能性なども研究されているようだ。地方で産出した太陽光や風力などで生み出した電力を都市部に送るなどの手もあろう。都市にないものが地方にあり、地方にないものは都市にあり。互いにメリットは享受できる筈だ。*自治体クラウド:地方公共団体が情報システムを庁舎内で保有・管理することに変えて、外部のデータセンターで保有・管理し、通信回線を経由して利用できるようにする取組み。複数の地方公共団体の情報システムの集約と共同利用を進める事により、経費の削減及び住民サービスの向上等を図るもの(「経済財政運営と改革の基本方針~脱デフレ・経済再生~」(平成25年6月14日閣議決定)24頁脚注より)。