バッテリーEVの重要課題「発熱対策」どうする? メーカーで分かれる「冷却方法」とは 他

MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、運営主体を問わず通信技術の活用により、マイカー以外の交通手段による移動を1サービスとして捉えシームレスにつなぐ新たな移動手段の概念です。AOSデータ社は、MaaSをより安心して利用できるよう、リーガルテクノロジー(自動車フォレンジック)で貢献します。

自動運転と東京(2022年最新版)


EV充電、最速1分で イーメックスが高容量の蓄電装置


バッテリーEVの重要課題「発熱対策」どうする? メーカーで分かれる「冷却方法」とは


自動車フォレンジック関連サービス(Related forensics services)


AOSデータ社の自動車フォレンジック関連サービスは、予期せぬインシデントが起きてしまった場合、事後対策として車載デバイスやメディアなどから、お客様の必要とされるデータの抽出・解析調査・レポーティングを迅速に行うサービスです。

関連記事

自動運転時代、「充電マネジメント」に商機 他
fireman_w150.png

6月13日 6月4日の午後11時ころ、韓国釜山市の南海高速道路のトールゲートを通過中であった現代自動車(Hyundai)の「IONIQ 5」が緩衝具に突っ込み火災が発生した。消防隊が午後11時15分頃現場に到着し、消火作業を行ったが、同車は全焼し乗員2名は車外に脱出出来ず、死亡した。監視カメラの映像からは、車両が衝突から約3秒で炎に包まれたと聞く。同車は2021年2月に現代自動車が公開した中型のクロスオーバーEVだ。衝突後、バッテリーの温度が一気に高温(約800℃とされる)になるバッテリー熱暴走が […]

韓国、8月からソウル江南で「自動運転タクシー」走る 他
Climber_w150.png

6月10日 昨日本稿の筆者が、MaaSはどうして実証実験で終わるのか?「LIGARE」(提供:リブ・コンサルティング)という「つい気になってしまう」タイトルを見かけた為、MaaSを社会実装する際、プレイヤーにとって、なにが実装過程の障害となり、なにを理解出来れば課題解決に繋がるのかを、PwC Japanグループが2020年10月に発表した「モビリティサービスにおける事業開発」を参考に引き続き […]

北京で自動運転タクシー始まる 「中国のグーグル」百度やトヨタ出資企業 他
busta-shinjyuku_w150.png

6月9日 MaaSはどうして実証実験で終わるのか?「LIGARE」(提供:リブ・コンサルティング)につい気になってしまうタイトルを見かけた。6月から、外国人観光客の団体受入れが始まったばかりだが、この記事では、ポストコロナを見据え、都市型や地方型のそれぞれで模索が続く一方、モビリティーサービス開発には数多くの失敗パターンがあり、タイトルの通り「実証実験だけで終了、サービスを […]

記事一覧へ 〉

Impressions:6月14日 首都圏の空の玄関口、成田国際空港で「自動運転トーイングトラクター」が実運用を開始した。「自動運転トーイングトラクター」のボディに貼られたステッカーを観察すると、JALを含め、TLD、EASY MILE、SASなどの文字が誇らしげに輝いている。走行ルートは、第二ターミナルの荷捌き場(ソーティング場)からサテライト側のソーティング場までの往復1.2kmとなる。車両は、事前にルートを記憶させ、自己位置を推定しながら走行し、周囲の障害物などの検知機能を備える。コロナ禍後の旅行需要の回復に向け、成田空港第二ターミナルのサテライトエリアの稼働が再開されたことに伴う、荷捌き量の増加に備える。同社内ではコロナ禍以前の航空需要の拡大に対し、グランドハンドリング業務において、生産年齢人口の減少に伴う労働力不足が課題となっていたが、JALは先進技術を活用して航空イノベーションの推進を図り、コロナ禍後の航空需要に対しても、きちんと対応できるよう、自動運転を利用したトーイングトラクターの自動運転に向け、官民連携し導入を推進してきた。ちなみにJALグループでは、手荷物や航空貨物を運搬する「トーイングトラクター」をに日本国内に約900台保有(空港内で使用する車両としては最多)しており、社内資格を取得した社員が日々安全第一に運行を続けている。JALは、2022年5月に日本の航空会社で初めて、成田国際空港の車両通路において手荷物用の自動運転トーイングトラクターを「運用」*を始め、危険時の回避操作をする運転者が乗車する「自動運転レベル3」でのを実現させている。*2019年10月より成田国際空港の制限区域内において、自動運転トーイングトラクターの運用に向け、課題解決の取組みを開始。実証実験(JAL、成田国際空港㈱)は10月31日より開始している。*ちなみに、2019年10月31日~2020年3月31日まで行われた、実証実験に用いられた車両は、仏TDL社の「TractEasy」、自動運行管理システムはSBドライブの「Dispatcher」、実証実験のサポートはSAS(Smart Airport Systems)社が行った。「TractEasy」には、予め設定した経路を自動で走行させることが出来、走行時には、車両屋根に搭載されたGPSアンテナ、LiDAR、バンパー両脇に設置されたLiDARなどから、収集されるデータで車両の位置情報や他の車両、歩行者との距離を検知することで、精密で正確かつ安全に走行することができる。車両にはその他、走行距離計や慣性計測ユニットが搭載されているようだ。自動運転ソフトウェアとしては、仏「EasyMile」社のソフトを用いている。遠隔運行管理システム「Dispatcher」は、自動運転車両の運行管理を行うシステムであり、オペレーターは遠隔地で車両の速度や位置を把握し、管理することが出来る。加えてEV車である「TractEasy」に搭載されたバッテリー残量や走行距離など車両の走行ログの記録や分析が出来、走行経路上で課題になりやすい場所も抽出することが出来るので、より安全性の高い車両運行に向けた検証を可能としている。2019年9月20日当時のJALリリースにおいては、今後は自動運転車両の運行経路を、設定済みの経路の範囲内で任意に組み合わせる機能や、車両に運行指示を出す機能などの実装を目指すとしていた。導入までの道のりは平坦ではなく、ソフトウェアの改善や走行経路の微修正などを重ねてきたという。実証実験以降では、雨粒がLiDARのレーザー光を乱反射させないよう、雨粒が直接当たらないようカバーを設けたり、走行コース上の段差によるLiDARの走査に誤差が生じる問題を改修したり、交差点などで対向車を認識しやすくするため、LiDARの走査範囲を広げたり、加減速をスムーズにする、また安全に配慮しながら、走行スピードを段階的に引き上げる、牽引機材を追加して走行させる、などの工夫もしてきた。現場では、作業負担の軽減を図ることで、安全性の向上につなげようと試みる。具体的には、車両運転を自動化させることで、走行する車両周囲の監視に専念できるため、全然状のメリットは大きいという。二つ目のメリットとして、「自動運転トーイングトラクター」はEVであり、軽油燃料を必要としないため、CO2を排出しないことだ。同社は、今回の運用を開始した「レベル3」に止まらず、「完全自動運転」(レベル4)を目指すとしている。*国土交通省は、空港内の牽引車について2025年に「レベル4」を導入することを想定している。一方、JALの永遠のライバル、よき相方とも言えるANAの動きはどうだろうか?ANAは、羽田空港において豊田自動織機と手を携え、自動運転トーイングトラクターによる貨物搬送を念頭に置いた実証実験を2021年3月29日~4月2日に羽田空港内の制限区域において行っている。この実証実験に使用した豊田自動織機の車両(*本製品は、2021年度グッドデザイン賞においてもグッドデザイン・ベスト100を受賞している)は、周囲の状況や自車および目的地の位置を的確に認識し、安全かつ正確に走行するための技術として、2D/3D LiDARによる障害物検知と自動停止、路面パターンマッチング、GNSSによる自己位置推定、誘導機能が搭載されている。実証実験に使用されたトーイングトラクターは(3TE25)*https://www.toyota-shokki.co.jp/news/2021/10/25/004567/、豊田自動織機が2021年10月に全国40社のトヨタ&F取扱店を通じて販売された車両。2021年7月には、成田空港や羽田空港等国内21空港が、国土交通省より「重点調査空港」に選定され、空港施設や空港車両から排出されるCO2削減の取組みがスタートしているが、このようなニーズの下、3TE25は電動化され、高効率モーターやドライブユニットを搭載し、牽引力・走行速度・登坂能力などエンジン車と同等の走行性能、高容量バッテリーの採用により長時間の連続稼働を実現している。ちなみに一台あたりの価格は、7,680,000円という(メーカー希望小売価格)。*同じ型番が付されているが、実証実験で使用された車両(https://www.anahd.co.jp/group/pr/202103/20210322.html)とは、意匠が異なる点にも注目した。豊田自動織機が新たに開発した車両で、レベル3で運行されている。コースは西貨物上屋~407番スポット~西貨物上屋までの1週3kmとなった。この実験では、6連結ドーリーを牽引し走行した。両社は、これまで(2019年2月~)、九州佐賀国際空港と中部国際空港において、自動運転トーイングトラクターの実用化に向けた実証実験を重ねて来た。これらの成果をもとに、多くの航空機や、複数種の支援車両が混在する国内最大の羽田空港でも、自動運転トーイングトラクターが実用に耐え得るかについて検証を進めている。本実証実験において導入された豊田自動織機の新型車両は、取り扱い貨物量が多く走行条件の厳しい羽田空港での運用に対応するため、屋内外をシームレスに自動走行できる自己位置推定機能を有し、牽引重量の増加、坂路走行にも対応可能な走行性能を実現させたものだという。さらに豊田自動織機が開発した樹脂製のウィンドウをキャビン部分に採用、雨天や強風などの環境下においても、走行の安全性を向上させるとともに、意匠や車体軽量化にも配慮したデザインとなっている。実験に用いられた車両の制御技術は、路面パターンマッチング(車両に搭載したカメラで撮影した路面画像と事前に作成した路面画像マップデータをマッチングすることで、車両の位置・姿勢情報を取得する技術)と、GNSS(高精度衛星測位)、3D LiDAR(対象物にレーザー光を照射し、その反射光を測定することで対象物までの距離を正確に測定できるセンサー、車両の周辺状況の把握に使用)だ。両社は、羽田空港での実証実験を通じ、大規模空港における運用面での課題を抽出するとともに、2021年10月からの実運航便での試験運用への布石とするとしている。両社においても、国交省の航空イノベーションの一環として、生産年齢人口減少に伴う労働力不足等に対応するため、2025年の無人搬送(レベル4)の実現を目指し、取組を推進していくという。現在もJALとANA、各社において自動運転トーイングトラクターの「レベル4」化への取り組みが進められているが、2025年を目途とする国交省は実証実験の進捗について、どのように捉えているのだろうか。ANAによる羽田空港の実証実験から、およそ1年後、2022年3月10日に行われた「第11回空港制限区域内における自動走行の実現に向けた検討委員会」の議事概要(*1)を覗いてみると、自動運転トーイングトラクター実証実験結果・進捗の項目があり、ANAが「令和3年度 自動運転トーイングトラクター実証実験結果・進捗」に基づき、説明を行っている。この委員会において、ANAは「実験車両が自己位置推定技術として路面パターンマッチングとGNSSを併用し、その他に車載センサや3Dマップ等の組合せによって安定した走行が可能であったか?」との質問に対し、GNSSとSLAMに加え、場所により磁気マーカと路面パターンマッチングを併用し、各技術の強みと弱みを補完しながら、安定した走行が出来たと回答している。実験における「課題」に関する質問には、手荷物搬送の実験当日に当初設定したルートに含まれないスポット変更により、自動搬送の検証ができなくなる事象が生じたと回答、実際のオペレーションにおいては走行可能なエリアを拡大して臨機応変な対応が求められると回答。また、手荷物ソーティング場内は、狭隘であることに加え、従業員が怪我をしないように、(車両は)極力ベルトコンベアの際まで寄り付かなければならないが、豊田自動織機の協力を得て、ルート上を性格に走行できたとアピール。今後「臨機応変」な対応を見据えるとFMSのようなシステムとの連携が重要になると発言している。現在、スポットにおいては各スポットに設定された停止位置まで自動運転を行い、そこからハイリフトローダーへの寄り付きなどは手動で実施、一方、ソーティングエリアでは作業員が手荷物を降ろすベルトコンベアの横まで、すべて自動走行を実施したと回答している。AiRO㈱からも「令和3年度 自動運転トーイングトラクター実証実験結果・進捗」に基づき説明がなされている。「今回はデータ取得を目的として実験したが、悪天候時のデータが取得できなかった理由、また夜間データは取得できているか」との質問に、同社はあ起点工事のデータ取得については、あらかじめ定めた期間に実験を実施しているため、タイミングが合わなかった旨を説明、雨天のデータを取得出来そうな日があったが、結局雪になったため、やむなく走行を断念した経緯を説明、夜間についてはデータ取得を行っていると回答している。同社の実証実験への希望はもう少し幅広にデータが取得できるよう検討して欲しいとしている。また「運用上最大200m先の認識が必要という「認識の要件」を示しているが、どのような状況下において、それが必要であるのか、どのような場合には90mで良いのか?との質問に対して、現在の車両性能では約90m先までの車両しか認識できないが、空港内には車両の走行速度もそれほど早くない、衝突は十分回避できる認識距離ではと考えている。一方空港内の規則では、あくまでもサービスレーン上を走行している車両が優先となるため、最大200mの車両が認識が必要であり、今後運用ルールも含め、検討の余地があると回答している。この点に関しては、200mや90mといった数字が独り歩きしないように、今後可能な範囲で具体的な対象個所や、判断基準について情報提供して欲しい、と締め括られている。(*1)https://www.mlit.go.jp/koku/content/001475366.pdf

(※)上記記事の閲覧は各社の利用規約等に従うものとします。リンク先が各WebサイトのTopページに遷移する場合や、全文を閲覧するためには、ご覧になりたいサイトに会員登録が必要となる場合などがあります。予めご了承ください。