MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、運営主体を問わず通信技術の活用により、マイカー以外の交通手段による移動を1サービスとして捉えシームレスにつなぐ新たな移動手段の概念です。AOSデータ社は、MaaSをより安心して利用できるよう、リーガルテクノロジー(自動車フォレンジック)で貢献します。
自動車フォレンジック関連サービス(Related forensics services)
AOSデータ社の自動車フォレンジック関連サービスは、予期せぬインシデントが起きてしまった場合、事後対策として車載デバイスやメディアなどから、お客様の必要とされるデータの抽出・解析調査・レポーティングを迅速に行うサービスです。
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Impressions:6月7日 JXホールディングスと東燃ゼネラル石油が統合され、いまや国内の石油元売り最大手と言われるENEOS。グループは新日本石油(1888年~)、ジャパンエナジー(1905年~)、東燃ゼネラルグループ(1893年~)からなる。グループの連結売上高(*2020年度実績)は7兆6,580億円、連結営業利益は2,542億円となる。連結従業員数(*2021年度3月末時点)は、40,753人、時価総額(*2021年度3月末時点)は1兆6,203億円となる。事業としてはエネルギー事業と非鉄金属の二分野となり、前者は原油・天然ガス、輸送、精製・精算、物流、販売、最終製品となり、後者は非鉄金属資源採掘、輸送、銅精錬、電材加工、最終製品となる。エネルギー事業はENEOSが、石油・天然ガス開発事業はJX石油開発が、金属事業はJX金属がそれぞれ担う。国内におけるガソリン販売シェアは第1位、約50%を占める(2020年度実績)。発電能力は164万kw(2021年12月末現在)。昨日6月6日、ENEOS㈱は日本電気㈱(以下、NEC)から承継した電気自動車充電サービス事業の運営開始について発表した。これまでNECが運営してきた電気自動車充電設備を用いたEV充電サービスについて事業譲渡契約を締結し、EV充電器約4,600基の運営を開始するとした。周知の通り、日本政府は2050年カーボンニュートラル実現に向け、EVを含めた電動車の普及を促進するため、2035年までに新車販売における電動車比率を100%とする方針で、電動車の普及を下支えするインフラ面では、2030年までにEV急速充電器30,000基、普通充電器120,000基の設置を目標に掲げている。ENEOSも「2040年グループ長期ビジョン」の実現に向け、次世代型エネルギー供給・地域サービス事業の育成・強化を図るとしている。同社は電動車普及促進に向けた環境変化を商機とし、EV充電器、150,000基のうち 6,100基(約4.06%)の運営・管理及びシステム運用を行うNECとの間で、EVネットワークの拡充および関連した新たなサービスの創出に関しての協業検討を進めて来た。今回、ENEOSがNECと譲渡契約を結んだのは、NECの持つEV充電器うち約75.4%ということになる。今後は、EV充電器の運営・管理業務をENEOSが担い、運用管理システムは、引き続きNECが提供することで合意している。ENEOSは、引き続きNECが展開する全EV充電器の運営承継および新たなサービスの創出に向け、協議を行いつつ、経路充電によるEV充電ネットワークの拡充を推進して行くとしている。ENEOSは、経路充電事業について、サービスステーション及び他社との協業によるEV急速充電、普通充電ネットワーク拡大を検討するとしており、具体的な「EV急速充電器」(*1)設置数計画については、2025年度時点で1,000基以上、2030年度時点で数千基~10,000基としており、普通充電器(*2)の設置数計画については、検討中としている。(*1)急速充電器:高速道路のSAや公共施設など外出先で行う短時間での充電を指す(10kW以上)。(*2)普通充電器:主に自宅やレジャー施設などで行う長時間駐車しての充電に用いられる(10kW未満)。これに対しNECは、昨年2021年5月20日に「サービスステーションを中心とした電動車両の充電ネットワーク拡充に向けた協業検討開始」をニュースルームに掲載しているが、電動車両(EV、PHV)の充電事業において協業検討を開始することで合意し、「基本合意書」を締結したと発表しているだけで、素っ気なさも感じる。*NECの発表時点では両社の共同発表だったが、今回のリリースはENEOS一社から発表されている。NECのリリースの中で、ENEOSは「2040年長期ビジョン」において、現在、地球温暖化問題の深刻化を受け脱炭素が世界的な潮流となる中で、日本国内においても脱炭素化に繋がる電動車両の普及が想定されるため、ENEOSのサービスステーション(SS)網を活用し、電動車両への充電サービスの創出を目指すとしている。また同時に地域のモビリティ関連や生活関連サービスを提供する拠点として、SSの生活プラットフォーム化を掲げている。NEC自身は「NEC 2030VISION」において「地球と共生して未来を守る」を掲げ、NECが持つAIやIoT技術を駆使し、企業などが保有するエネルギー設備の効率的で最適な運用を図ることなどを通じて脱炭素社会の実現に貢献するとしている。このリリース中では、ENEOSが全国に展開するサービスステーションは13,000ヶ所とされており、SS網および電力事業を持つENEOSの強みと、充電(実績・状態)管理や設置工事・トラブル対応など、電動車両充電器運用にかかわるシステム全般のノウハウを持つNECの強みを活かし、両社は電動車両充電ネットワークを通じた新たなサービスの創出、電動車両充電ネットワークの拡充の事業領域で協業するとしていた。1994年度末に国内に6万421店あったガソリンスタンド店舗数は、2020年度末で2万9005店と、20数年で急激にその数を減らしている。原因にはガソリン自体の需要縮小で経営が立ち行かなくなる店舗が増加していることなどがある。店舗を集約したり、自治体が整備して企業に運営を任せる「公設民営型」店舗を設けた場合などには、政府が補助金を出すなどしている。経済産業省は2022年度の概算要求で14億円を要求する。政府が補助金を出すケースとしては、利用が減った店舗を集約したり、幹線道路沿いをはじめ利用が見込める場所へ新設する場合も想定している。コンビニエンスストア、飲食店の併設など、経営の多角化も促す。店舗対策だけでなく、後継者や人手不足に対応するため、利用客の監視業務を省人化出来る技術の開発を支援するなどしている。今後も、脱炭素の流れを受け、2035年までに国内で販売される新車は、EVやハイブリッド車と言った電動車になっていく。このような流れを受け、ガソリンの需要は減速を続け、同時にガソリンスタンドの廃業も進むことが懸念されてきた。電動車への切り替えまでの過渡期には、ガソリン車は交通手段が限られる地方などで、引き続き利用・維持されていくため、現在のガソリンスタンド数の減少は、地方で深刻な問題となっている。ガソリンスタンドは、自動車への給油機能だけでなく、寒冷地での灯油配送などの機能も担って来たため、この問題への対応が急がれる。ENEOSがEV充電器の運営・管理業務と同時に、SSで進めようとしているモビリティ関連・生活関連のサービス提供が、充電事業の進展により、家庭で行われる充電とは一線を画した新サービスに育ち、再活性化することを期待したい。一方でENEOSは、燃料電池自動車(FCV)の普及も見据え、水素事業も手掛けている。政府は2014年4月に「エネルギー基本計画」を閣議決定し、同年6月に経済産業省が「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定しており(2016年3月に改訂)、その後2017年12月には2050年までの普及ビジョンと2030年までの具体的な行動計画を示した「水素基本戦略」などが関係閣僚会議により策定されている。経産省の「水素・燃料電池戦略ロードマップ」によると、燃料電池自動車(FCV)は2020年までに4万台程度、2025年までに20万台程度、2030年までに80万台程度の普及台数目標があり、2025年頃に、より多くのユーザーに訴求するため、ボリュームゾーン向けの燃料電池自動車の投入を目指すとしている。ロードマップ中にある「水素ステーション」の項目には、整備目標や自立化目標が明示されている。2020年度までに160ヶ所程度、2025年度までに320ヶ所程度となっている。2030年度時点のFCV普及台数目標に対し、標準的な水素供給能力を持つ水素ステーション換算によると、1000基程度が必要とされる。また2020年代後半までに水素ステーション事業の自立化を目指すとしている。これまでENEOSの成長の一翼を担って来たのは、全国津々浦々にあるサービスステーション(SS)だ。ガソリンの需要減少にあえぐSSに対し、EV急速充電設備の投入は急がれるべきだが、充電スポットという意味では、他にもカーディーラーやコンビニ、多様な商業施設、道の駅、サービスエリアやパーキングエリア、集合住宅、個人の住宅など競合が多い。それゆえ、SS救済においてEVの急速充電設備の投入だけでは、十分な救済策とは言えない。反対に太陽光パネルや水素製造装置の新設を要する既存SSの水素ステーション化は、競合を退けることは出来る可能性が高いものの、当面ガソリン車程の消費需要を取り込むことは出来ない。ENEOSの視線は、次世代型エネルギー供給・地域サービスに注がれている。大きな視点としては洋上や陸上風力、太陽光発電、CO2フリー水素の輸送・発電、太陽光+蓄電池、モビリティサービス、エネルギーサービス(*充電含むSS)、ライフサポートなどだ。これらをVPP(バーチャル・パワー・プラント)で結び、インフラネットワークを構築、データベースやデータ分析PF構築につなぐ。ENEOSが構築するプラットフォームは、「モビリティサービス」として、カーメンテ、カーシェア・リース、お届け車両、経路充電、EV関連サービス、EVライドシェアが、「ライフサポート」として、コンビニやカフェ、ランドリー、宅配BOX、ヘルスケア、洗濯宅配・代行、訪問型生活サービスが、「エネルギーサービス」として燃料油、ENEOSでんき・都市ガス・水素、自家消費支援、VPP事業、コミュニティ向け事業などが想定されており、あらゆるデータを連携・データベース化し、アプリを通じて顧客が必要とする利便性の高いサービスの構築に力が注がれている。これらのモビリティサービス、ライフサポートサービスを包含することで、これまで培ってきたENEOSのブランド力、SSの顧客接点や、特約店の地域密着性などの強みを活かすことが出来るとしている(参考:「JXTGグループ 第2次中期経営計画 2020~2022年度」)。ENEOSは、2021年8月に「国内初となる水素ステーション内で製造したCO2フリー水素の商用販売開始について」として、横浜旭水素ステーションにて水電解水素の製造販売を始め、それまで、同社の水素製造出荷センターで製造した水素の販売を行って来たが、今後はそのような水素に加えて、当該水素ステーションに設置した太陽光パネルで発電した電力と、ENEOSグループから調達した再エネ電力を使用して、横浜旭水素ステーションの敷地内で水を電気分解し、製造したCO2フリー水素を販売するとしている。SSの水素ステーション化を具現化した試みだ。このステーションに、「モビリティサービス」「ライフサポート(サービス)」「エネルギーサービス」とのコンテンツを付加し、全国に展開してゆくことは(これまで燃料共有に携わって来た人材の再教育や育成などの難しさはあるものの)、SS救済策として現実味のある取組みであると評価出来よう。カーボンニュートラルの最前線に立つエネルギー産業。地球温暖化の回避(脱炭素)、再エネ蓄電池のコストダウン加速、省資源化などマクロな視点から、インターネットやブロックチェーン技術の利用や取り込み、AIやIoT・ロボットの活用による生産性の向上、EVシフト・自動運転などデジタル革命への対応、アジア各国の経済成長、人生100年時代、都市過密化、まちづくりニーズ、利便性追求(コト消費)、所有からシェアリング、SS持続に至るミクロな視点まで、顧客やパートナーのライフスタイルの変化にも、非常に幅広い対応が求められている。今この時も、創業から100年を数え様々な時代の変化に対応し生き抜いて来た企業の真価は、世界から問われ続けている。
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