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日野自動車/ヨーロッパのデザイン賞で最優秀賞を受賞 他

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10月15日 今年1月15日ダカールラリーで日野レンジャー(日野チームスガワラの日野レンジャー菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組)が総合12位でジェッダ(サウジアラビア:ヤンブ~ジェッダ間)を完走・ゴールし、排気量10リットル未満クラス12連覇を達成している。華々しい戦果とは裏腹に日野自動車の第109期(2020年度)業績は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、原価低減活動を推進、営業利益は確保しつつも、北米工場の生産停止に伴う特別損失計上等により、当期純利益は赤字だった。同社は経営環境の変化を受け、トータルサポートの拡大や固定費の最適化、原価低減により競争力強化を目指す。中長期的には「Challenge2025」のもと環境や安全技術、デジタル化等を含む事業基盤強化、人流・物流の課題解決に取り組んでいる。同社はそのような中、10/15に電動モビリティのREE Automotive Ltd.(REE/イスラエル)と連携し、European Product Design Award 2021の「Design Society」部門において最優秀賞を受賞した。同賞は、実用的で熟考されたProduct(作品・製品を作るための戦略的思考)で日常生活の改善に貢献することを目指す国際的なデザイナーの努力を称えるため設立されたもの。主催するのは、1985年に設立されたFarmaniGroupであり、同団体はInternational Design Awards、Prix de la photographie in Paris、London International Creative Awards、Annual Lucie Awards for Photographyの主催者でもある。 日野自動車とREE社が出展したのは、「次世代商用モビリティソリューション」。乗客や商品を運ぶカスタマイズされたモビリティサービスモジュールを搭載するモジュラーEVプラットフォーム「PowerdbyREE」。商用モビリティはモジュール構造(動力部分は単独でも機能を発揮できるが、普通は上部に組み合わせる居住・荷室空間モジュールとの組み合わせで使う構造)。EVシャシ(動力部分)が両社の共同開発となる。低床・フラットのニーズや自動運転にも対応する。両社はこの次世代商用モビリティを通じて、CO2排出量の削減やインフラへの負荷の最小化、交通渋滞の緩和、企業の経営資源の最適配分などにより、新たな社会的価値を提供、生活の質の向上に貢献できるとしている。今回出展されたイメージを見直すと、上部に積載する居住・荷室空間モジュール部分は、物流トラックをはじめ、宅配BOXや二階建て観光バス、工事用のクレーン車、救急車、移動オフィス、キッチンカー、移動スーパー、待合室などにも利用出来、多彩な機能実装・サービス展開を想定したことが伺える。この企画には日野自動車が2月に発表、横浜の都心臨海部(横浜駅東口~山下ふ頭間)にデビューさせた国産初のハイブリッド連接バス「BAYSIDE BLUE」の仕掛け人でもある同社車両企画部のチーフエンジニア山口誠一氏が加わっている。

マイカー相乗り公共交通「ノッカル」、富山でスタート…デジタル&アナログが絶妙 他

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10月14日 黒部川の河口に広がる扇状地の東岸、北陸街道の宿場町として栄えた富山県朝日町。朝日岳~白馬岳への登山口であり朝日岳登山の本拠地とも評される北又小屋や北アルプスの清冽な流れを集めるヒスイ海岸を有する朝日町は自然の宝庫だ。町内には、あいの風とやま鉄道と公共バス「あさひまちバス」、北陸新幹線の宇奈月温泉駅までの連絡バス「あさひまちエクスプレス」、黒東タクシーが走る。人口11,355人の足を支えてきた(2021年9月末現在)。昭和56年の最深積雪量は125cm、平成30年度の最低気温の極値は-8.1度(資料:富山地方気象台)だった。「あさひまちバス」は、高齢者の移動の不安解消を図り、通勤通学の公共交通の利用を促進している。中型バス1台、ワゴン車2台で町内7方向に12路線を運行する。平日の朝と夕は在来線への接続を重視、毎日61便が運行している。この朝日町で新しい公共交通サービスが稼働する。「ノッカルあさひまち」。博報堂と朝日町が国交省の「事業者協力型自家用有償旅客運送制度」を活用した新しい相乗りタクシーである。運行主体は朝日町自身、サービスの設計、コミュニケーションデザイン設計は博報堂が担った。予約と配車受付は長年地元でタクシー事業を担ってきた黒東自動車商会が、サービス設計と、実験中の一部車両の貸与・維持管理サポートはスズキが行う。「ノッカルあさひまち」は朝日町内の各集落と、泊地区中心部を結ぶコースを中心にこの10/1~本格運行が始まった。ドライバーは役場の職員と町内や雪道も熟知していると思われる住民ドライバー7名から始まり、現在は22名を数える。今回の「ノッカルあさひまち」の運行開始の背景には、既に運用中の「あさひまちバス」の負荷分散の意味もあると推測される。その便利さ・好評ゆえの悩みとも言える。これまで実証実験を続けて来たところ「ノッカルあさひまち」のリピーターも急増しているという。会員登録者数は164名、利用者はサービス開始以来、のべ799人。「ノッカルあさひまち」に乗車するための無料会員登録はWebサイト(https://buscatch.jp/nokkaru_asahimachi/)か、会員登録窓口:0765-83-1100に電話が必要だ。乗車時の予約は登録後に送付されてくるメールのURLか、予約窓口:0765-83-1189で電話予約が必要となる。利用料金はあさひまちバス回数券(*デジタルチケットではない)が必要となり、1人で利用の場合は回数券3枚(600円)、2人で利用の場合は回数券2枚(400円)を朝日町役場、あさひ総合病院、アスカインフォメーション、笹川簡易郵便局、朝日町漁業協同組合本所、みな穂農業協同組合あさひ支店、七沢商店(セブンストア)、関の館、あさひまちバス車内などで購入出来る。回数券はシルバータクシー券、福祉タクシー券、マタニティバスも使用できる。事故発生時の損害賠償責任の負担割合はすべて実施主体が負う。但し、協力事業者の故意または過失により、協力事業者が実施主体から受託した業務内容について適切に履行されていなかった場合は、故意の有無や過失の程度に応じて、両者が別途協議して定めることとなる。被害者との協議は実施主体と協力事業者の双方が協力して解決に当たる。その為、協力事業者の業務は道路運送法等関係法令に基づいて明確化されていなければならない(運行内容、運行管理及び車両整備管理の方法、運送の対価に係る収受の取扱い、事故の際の報告、協力事業者が行う実施主体への業務報告の内容及び頻度)。国自旅第318号 令和2年11月27日では、自動車局長が各地方運輸局長、沖縄総合事務局長宛の「事業者協力型自家用有償旅客運送における事故時の責任関係について」の中で、この他、地域の実情に応じ取り決めの内容を適宜追加することを妨げないとしている。実施主体の責任は、第一義的であるが故、運行中の事故における損害賠償責任について、特段の取り決めなく運転者に負わせることのないよう留意するものとする、となっている。(詳しくは、https://www.zenkoku-ido.net/_laws/201127kaisei_syorei_tsutatsu/318/【本文】事業者協力型自家用有償旅客運送における事故時の責任関係について.pdf)収益はドライバーと朝日町、黒東自動車商会で三等分する。ドライバーは1人を乗せて走ると200円となり、1000円分が貯まると同額の商品券と引き換えられ、同町商工会議所の加盟店で利用できる。この他朝日町はシステム設計を担う博報堂に別途システム利用料を支払う。住民参加による運行協力が、住民自身の移動と自治体による運行コスト削減にも貢献、地元交通事業者も運転業務負担を減らしつつ、予約受付管理に協力し、自治体から委託費を得られる仕組みだ。車両に広告掲載する、貨客混載などの収入要素を付加してドライバーの持続可能性を高める必要性が出てくるだろう。「事業者協力型自家用有償旅客運送制度」は4月1日現在、全国9カ所で導入されていることが分かっている(東京交通新聞6月7日掲載)。導入した自治体間でも、更なる知恵を出し合うことが必要と思われる。(「写真提供:(公社)とやま観光推進機構」)

国交省、タクシー需要に応じて運賃を変動する「事前確定型変動運賃」の実証実験をスタート 他

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10月13日 10/7に国土交通省が実証実験を開始すると発表した「事前確定型変動運賃」。これに伴い、10/11(月)より、ダウンロード数No.1タクシーアプリ「GO」を運営する株式会社モビリティテクノロジーズ(2020年4月1日にJapanTaxi株式会社より社名変更)が東京都内でタクシー事業者と実験を始めた。今回、国交省の実証実験に参画するのは、同社とウーバージャパン。*2021年10/19(火)~11/1(月)までの間は、運賃を変動させずに事前確定運賃を適用。「事前確定型変動運賃」をおさらいすると、各タクシー会社が、公定幅の範囲内(390円~420円)で運用する運賃を決定、更に該当運賃に2割増し・1割引をすることができるとの現行運賃制度に対して、「事前確定型変動運賃」は、現行制度下で各タクシー会社が取り得る最大・最小の範囲内(351円~504円)で運賃を変動させ、その変動させた運賃の平均単価が、公定幅の範囲内(390円~420円)に収まることを条件とするとのルールだ。各社にとっては、延べ36%の値幅(運賃変動幅)を活用した「顧客獲得キャンペーン」開始を意味する。これまで、一律だった運賃を天候やイベント開催などに伴うタクシー乗車需要の変化に合わせ、各社が任意に運賃を変動させることが出来る。タクシーアプリを通じて乗車前に運賃を確定することで「明朗性」を保つ。「流し営業」には適用しない。深夜割増や、障害者割引については別途付加することが出来る。モビリティテクノロジーズは11/30(火)まで、東京23区と武蔵野市・三鷹市において8,100台の、営業車で本実証を行い、ウーバージャパンは12/13(月)まで、東京都北区と板橋区、練馬区を除く東京都特別区で約1,000台で本実証を行う。ウーバージャパンは、日本国内においては、Uber Eatsのフードデリバリーのイメージが強いが、東京都内でも2020年7月から、日の丸リムジン、東京エムケイ、エコシステムと提携、その後も第一交通産業グループなどと提携し、タクシー配車サービスを展開している。21年2月現在の情報では、都内13区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、目黒区、品川区、文京区、台東区、墨田区、江東区、豊島区の全域と、世田谷区の一部)に展開している。国土交通省は本実証実験を通して、運用上の課題の抽出と今後の制度化に向けた検討の素材にする。

飛騨高山の名産品を買いに行こう! 中部地方インフォメーションプラザ in 京王新宿にて「高山グリーンホテル in 京王新宿」10月14日~10月24日開催 他

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10月12日 9/1(水)から、京王電鉄が進めるMaaSサービス「TAMa-GO(タマ・ゴー)」上で、京王プラザホテルを定期利用したい得意客向けにデイユース利用の回数券(Webチケット)の販売を始めたのは記憶に新しい。今回、10/14(木)~24(日)にかけ京王電鉄が「高山グリーンホテル」(岐阜県高山市)及び、新宿京王モール内にて首都圏側の接客窓口となる「中部インフォメーションプラザin 京王新宿」と連携する。高山グリーンホテルで取り扱う飛騨土産品を期間限定で販売する。「高山グリーンホテル」敷地内に立地し、7000点以上の飛騨の名産品・土産物が並ぶ「飛騨物産館」より、さらに厳選した朴葉味噌(ほおばみそ)、めしどろぼ漬(漬物)など、飛騨の幸(さち)を取り寄せ、新宿京王モール内の「中部インフォメーションプラザin 京王新宿」にて販売する。同時にプラザ内にて、2020年6月に新館「桜凛閣(おうりんかく)」をOPENさせた「高山グリーンホテル」の紹介、飛騨高山の観光名所、首都圏から飛騨高山への旅路をサポートするMaaSサービス「TAMa-GO(タマ・ゴー)」などのプレゼンテーションも行われる。意外にも!飛騨高山と新宿が便利な直行便で結ばれている事実をご存知の方は少ないのではないか?京王新宿モールの目と鼻の先にある「バスタ新宿」~「高山濃飛バスセンター」、終点となる「飛騨古川」は、高速バス(所要時間:約5時間30分)で結ばれている。今なら、人気アニメ「呪術廻戦」に登場し、一躍有名になった飛騨の伝説的な鬼神「両面宿儺(りょうめんすくな)」(*岐阜県の在地伝承で毒龍退治や寺院の開基となった豪族との逸話もある)が全面にラッピングされた濃飛バスの高速バスが、2021年7月に就航したばかり、約1年間運行される予定だ。ちなみに高山市では、ラッピングバスSNS投稿キャンペーンを開催中で、先着300名様限定で素敵なプレゼントを用意しているそうだ(https://www.hidatakayama.or.jp/)。それが、MaaSと関係するの?と訝しがる向きに。実はこの高速バスこそが本企画の立役者だ。実はこの高速バスと京王電鉄により、乗客と飛騨高山の幸(さち)が「貨客混載」される。地元、飛騨高山の名品を満載し「高山グリーンホテル」を出発した高速バスは、一旦京王バスの永福町営業所(東京都杉並区)に向かう。営業所からトラックと台車で京王線八幡山駅まで運ばれ、さらに京王電鉄で京王新宿駅に向かう。同駅からのラストマイルは台車で輸送し、新宿京王モール内の「中部インフォメーションプラザin 京王新宿」の棚に陳列されることになる。「TAMa-GO(タマ・ゴー)」では、現在「飛騨高山エリア」において、①レンタルサイクル・レンタカーのオンライン予約、新宿からの高速バス企画乗車券や高山市内での周遊バスチケットを発売中だ。1973年開業の老舗「高山グリーンホテル」の庭園露天風呂を配した良質な天然温泉や、歴史の面影が色濃く残り「紅殻格子(べんがらごうし)」の町家が並ぶ、さんまち通りや白川郷の合掌集落の秋の散策を楽しみたい方は、ぜひ!

ボタン一つで駐車「自動運転」最新技術を体験 京都・久御山で催し 他

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10月11日 京都府の久御山町にある日産京都自動車大学校で、自動運転技術の勉強会が開かれた。同校は「走る」「曲がる」「止まる」ためのクルマの基礎技術からEV(電気自動車)のような最新技術までの教育過程を持つ。文科省では同校を「職業実践専門課程」設置校として認定している。学科は一級自動車工学科、自動車整備科、自動車整備・ボディリペア科、自動車整備・カスタマイズ科、国際自動車整備課など。2019年度の実績だが、国家一級自動車整備士の合格率は全国平均51.8%に対し、95.2%を誇る。国家二級自動車整備士の合格率は98.8%だ。栃木、横浜、愛知、愛媛にも大学校が設置されている。日産が誇るスペシャリストの養成校と言える。本校にて勉強会を開催したのは、京都府久御山町地域公共交通協議会だ。こちらは、平成29年11月10日に道路運送法及び地域交通の活性化及び再生に関する法律の規定に基づき、同町における需要に応じた住民の生活に必要なバス等の旅客輸送の確保、その他旅客の利便性増進を図り、同町の実情に即した輸送サービスの実現に必要となる事項を協議し、実施するために設置された組織だ。今回の勉強会は地元の有識者や公共交通事業者(京都京阪バス)、近畿運輸局などが作る同協議会が初めて主催した。同町は鉄道駅を持たないため、これまではコミュニティバス「のってこバス」やデマンド型乗合タクシーを運行してきた。道路交通としては、国道1号、同24号、久御山ジャンクションで結ばれる第二京阪道路と京滋バイパス、国道478号線などの開通により、周辺の市町や大阪都心を結ぶ道路交通ネットワークは充実しており、物流センターや工場等の事業所も多く立地している。産業活用促進エリアとなる東一口東島・モタレ地区に新たな物流・加工拠点施設が進出、同町東部では「新市街地(みなくるタウン)整備事業」も進む。このため、企業立地や新市街地の整備による流入人口増加を見据え、隣接する市町の鉄道駅と町内の企業等を結ぶ広域移動手段、及び町内の移動手段を再構築する必要に迫られている。また2020年には高齢者化率が33.0%まで上昇するとされ、住民アンケートでは「自動車を運転できない、誰かに頼っている、もしくは頼る人がいない」方が3割を超える。「高齢化する地域に対応した公共交通」も課題と言える。住民と通勤者の移動需要を、路線バスネットワークとデマンド乗合型タクシーの再編でどのように持続してカバーできるかが、協議会の腕の見せ所となる。久御山町「地域公共交通網形成計画-概要版-」(平成31年3月)の32頁、基本方針6には、まちの発展と一体となった交通ネットワークの構築があり、施策の方向性には、市街地整備と合わせた新たな交通手段の導入検討とある。概要には「自動運転技術」に関連した町内企業や交通事業者、関係機関と連携し、実証実験の実施を検討とある。また興味深い記述としては、同欄に新たな交通手段となるLRT等の導入可能性検討や事例調査を実施が挙げられる。同じく、日産、工業団地、鉄道を持たない栃木県芳賀郡芳賀町の宇都宮ライトレールの事例が思い浮かぶところだ。

山形県高畠町の自動運転、南北2ルート 11日から実証実験 他

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10月8日 10/11(月)~11/12(金)まで、山形県東置賜郡高畠町で自動運転車両を用いた交通サービスの実証実験が行われる(*平日のみ運行)。平成27年4月1日現在の人口は24,470人、世帯数は7,520世帯であった。町域の可住地面積は42.4%、林野面積は52.4%。市内にはJR東日本奥羽本線の高畠駅(山形新幹線の停車駅でもある)があり、市内には山交バスが乗り入れていたが、2020年4月1日に乗り入れ廃止となった経緯がある。高畠町では平成29年10月から3台のデマンドタクシーも導入しているが、新たな移動選択肢も検討している(或いは持続可能との意味でコストダウンも念頭にあるのかも知れない)。本実証実験では、高畠病院、げんき館、町立図書館、高畠町役場、スーパーキムラ、高畠町役場、町立図書館、げんき館、高畠病院の北ルートと、高畠病院、薬局(ヤマザワ・あいのもり薬局、ほし薬局、ツルハドラッグ)、周辺のスーパー(ヨークベニマル)、町立図書館、げんき館、高畠病院の南ルートを、5人乗りの自動運転車両が巡回する予定で、公共交通手段としての適応性や操作性の確認、近距離移動サービスの有効性や、住民の受容性の確認、ビジネスモデル構築の課題抽出および自動走行支援の技術的な検証が行われる。走行ルートには磁気マーカが敷設されており、車両にはドライバーとスタッフを同乗させた上でマーカを読み取りながら、時速12㎞以下で走行するが、一部区間は手動運転となり、時速20㎞未満で走行させる。利用料金は1回200円 *デマンド交通と合わせて利用の方、小学生以下の方は無料としている。デマンド交通との一番の違いは、運行ダイヤを持つことかもしれない。南ルートも北ルートも1日5便ずつ。高畠病院前の自動運転サービス案内所の受付は、一足早く10/7から11/12まで、10時~16時となる。利用登録(無料)した方には「利用者カード」が発行される。チラシ(https://www.town.takahata.yamagata.jp/material/files/group/10/zidouunten.pdf)の裏面にある登録申込書に必要事項を記入し、FAXで高畠町デマンド交通予約センター(FAX:0238-51-1256)に送っても良い。この場合「利用者カード」は高畠病院前の自動運転サービス案内所にて受け取る。乗車予約は、スマートフォンからWeb予約(https://automatic-vehicle-architecture-system.com/takahata/)をするか、案内所で予約するか、或いは電話予約(TEL:080-1414-2968)することが出来る。乗車当日は「利用者カード」をお忘れなく。乗車後のアンケートにもご協力をお願いしますとのこと。試乗にご協力いただく市民の声次第で、季節を問わず、出来立ての図書館に通ったり、地酒を心行くまで楽しんだり、果樹園からもぎたての果物を運んだり、生活の中でより使い勝手の良い、或いは観光客がまちを周遊しやすい魅力的な公共交通が生まれることになる。

MaaS普及啓発カンファレンス(第1回)を開催します ~ 生活MaaSは、どうやったらビジネス化できるのか? ~ 他

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10月7日 日本全国の中山間部や過疎地における住民の移動手段として、自治体が運行するオンデマンド交通が活躍する。人口減少やドライバーの高齢化による引継ぎ、公共交通の維持費問題を抱える自治体は少なくない。広域をカバーしていた赤字ローカル線時代から、自治体補助により地域カバーする筈であった公共交通事業者の経営も乗客の減少に歯止めが利かず、自治体が公共交通事業者やNPOに運行を委託するオンデマンド交通が住民の日常移動を支える状況がある。公共交通を取り巻く社会情勢は厳しさを増し、自治体や地域も移動に関する知恵を絞るが、根底にある課題は、いつの時代も維持費の捻出であろう。この問題について、経済産業省北海道経済産業局が、10/13(水)15:00-16:00にオンライン配信(参加無料)で主催する「MaaS普及啓発カンファレンス(第1回)を開催します~ 生活MaaSは、どうやったらビジネス化できるのか? ~」は興味深いタイトルだ。自治体や交通事業者、MaaS関連事業者等を対象に、地域の交通課題解決を目指す新たなモビリティサービスであるMaaSについて、道内における一層の普及啓発と導入促進を図るためのカンファレンスを全2回オンラインで開催する。続く第2回目のカンファレンスは、「生活MaaSと観光MaaSの両立 赤井川村の課題(ビジョン)解決に向けての議論」(12月開催予定)。第1回目のパネラーには、同じく道内の南幌町(なんぽろちょう)役場のまちづくり課企画情報グループが参加する。南幌町では一足早く、これまでダイヤ型だった交通空白地域の交通手段を、運行ダイヤ・停留所を定めないドア・ツー・ドア型の交通体系(オンデマンド交通)「あいるーと(AI-route)」がスタートしている。(https://www.town.nanporo.hokkaido.jp/transport/)AIによるリアルタイムな便乗配車計算を行う「SAVS」(株式会社未来シェア)、WAONカードでの運賃支払いが可能な非接触決済「バスWAON」(イオン北海道株式会社、モバイルクリエイト株式会社)を導入している。予約は電話でも、Webサイトからも可能だ。一方、赤井川村は地域課題として、乗務員不足や少子化を背景として、村内唯一のバス路線が来年3月末に廃止される見込みで、まさに待ったなしの状況にある。通学・買い物・通院に欠かすことのできない公共交通の新たな体制確保が急務だ。同村では、この10/1から地域公共交通の実証運行が始まったばかりだ(https://www.akaigawa.com/info/ver2_210827_実証運行周知用.pdf)。赤井川村は人口 1,101人、602世帯。南幌町は人口 7,464人、3,451世帯の自治体だ。美しいカルデラの村、赤井川村には観光資産としてキロロリゾート、同スノーワールドが在り、南幌町は著名と言える観光スポットは少ないものの南幌温泉などがあり、なんぽろ冬まつり、芸能発表会、花市、朝市、商工会ふれあいまつり、なんぽろ夜まつり、南幌神社秋祭り、たくみ祭り、キャベッジマラソン、ボランティアフェスタなんぽろ、町民総合文化展などの体験型コンテンツに注力している印象を受ける。また札幌や江別、北広島などへの通勤者も多い。両者は地勢から言えば中山間部(赤井川村)と平野部(南幌町)であり、過疎地であり(赤井川村)、且つて過疎を経験した自治体(南幌町は長く過疎指定を受けていたが、1990年代から札幌市のベッドタウン化が進み、人口が急増した経緯を持つ)であるため、成り立ちそのものは異なる。単純に比較はできない。しかし、MaaS導入過程と導入後の関係にあることは確かなようだ。導入時の初期投資や導入後の運用に関わるランニングコスト、そして運賃以外、補助金や助成金の活用、「生活MaaSは、どうやったらビジネス化できるのか?」とのお題に力点が置かれ、サービス開始後の収益の道筋をどのように設計したのかなどに言及があれば、道内だけでなく、全国の自治体にとっても興味深いカンファレンスになるに違いない。

GMの自動運転車部門クルーズ、配車事業の売上高500億ドルを想定 他

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10月6日 米国のカリフォルニア州で、Alphabet傘下のWaymo(ウェイモ)とGM(ゼネラル・モーターズ)傘下のCruise(クルーズ)が「商用」の自動運転サービスの認可を取得した。商用とは、同州の車両管理局(DMV)から自動運転車両に有料で乗客を乗せる許可を得たとの意味合いだ。カリフォルニア州では、実際に乗車料金を請求するためには、更にカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)の許可が必要となる。Reutersによると、Waymoの車両は、安全のためのドライバーが同乗する必要があるが、Cruiseの車両はドライバーなしで走行できるとのことだ。中国では、自動運転車両(ロボタクシー)の有償の営業運行に至るまでに、事業者に6つのステップが義務付けられている。1.閉鎖区域による試験走行→2.公道による試験走行→3.モニターを乗車させる試験営業→4.誰でも乗車可能な全面開放試験営業→5.常態運行による無料試験営業→6.有料営業運行)となる。正式営業に至る段階では、サービスによる利益創出の仕組みが課される。いまのところ、自動運転サービスを提供しようとする「技術開発会社」が配車サービス主体となるケースは多いが、今後「技術開発会社」が「自動運転サービス」をパッケージ化し販売した場合でも、パッケージユーザーとなる「配車サービス事業者」側において、自動運転車両を用いた配車サービスは「持続可能なビジネスモデル」として成り立つのだろうか?Waymoは、自動運転の「技術開発会社」であり「配車サービス事業者」でもある。「配車サービス」における競合は、Uber(ウーバー・テクノロジーズ)と言われる。Waymoは同時に「部品サプライヤー」でもある。自社のLiDARを競合しない企業に販売してもいる。このセンサー領域ではベロダイン・ライダーと競合する。またアルファベット傘下の英ディープマインドと共同で「画像認識やセグメンテーション(識別)」にも取組む。これらは「技術開発会社」の稼ぎ方であり「配車サービス事業者」のモデルとは一線を画する。国交省と経産省が平成27年2月に「自動走行ビジネス検討会」を設置し、令和3年4月に「『自動走行の実現に向けた取組報告と方針』Version5.0~レベル4自動運転サービスの社会実装を目指して~」がとりまとめられた。要旨を拝見すると、これまでのⅠ.実証プロジェクトの成果として、①ラストマイル自動走行実証【電動小型カートモデル(永平寺モデル)】レベル3 遠隔型無人自動運転サービスや、【バスモデル(全国5ヶ所)】インフラ連携、②高速道路におけるトラックの隊列走行実証【後続車無人システム(新東名の一部区間で実施)】、【後続車有人システム(2021年度中に商業化を発表)】が挙げられている。永平寺モデル場合、同町では、平成29年度の予算額、147億7,644万円(前年度比 +0.2%)、うち一般会計予算額は 92億4,984万円(前年度比 +1.1%)の中で、自動走行実証実験施設整備事業に 1億2,000万円が割り当てられ、平成30年度の予算では、道路環境などインフラを再整備しながら、人口減少対応として移住・定住施策の推進、住宅整備などに使われる予算のうち「自動走行推進事業【継続】」として607万円が、そこから3年後となる令和3年度予算では、予算額 139億2,763万円(前年度比 2.0%増)、うち一般会計予算は 84億6,075万円(前年度比 1.4%増)の中で、1,261万円が割り当てられている(参考:『広報 永平寺』)。同誌の中では「自動走行技術の実証を通じて、過疎化・高齢化が進む地域の課題を洗い出し、地域活性化のツールとして安全で新しい交通手段の実現に取り組んで行きます。また、自動走行環境の空間自体を観光資源と捉え、観光誘客による観光振興も併せて図って行きます。今年度は県事業として交差点の安全対策等を実証します」とされている。これら自動運転に投じた費用は、観光事業で回収を図りつつ、県の補助も活用しながらインフラの整備を進めると読むことが出来る。コロナ禍からコロナ明けにかけ、国内でも自治体(や地域の協議会など)が主導するなどして、配車サービスや自動運転サービスの立ち上げが横展開され始めている。人口が少なく、観光資源が潤沢でない地域でも二の足を踏むことがないよう、また赤字ローカル線の轍を再び踏むことがないよう、当面は必要だとしても「自治体補助から脱却可能なビジネスモデル」についても活発な議論が展開されるべき時期だ。

京都府亀岡市でMaaS実証実験実施 嵯峨野観光鉄道など地元事業者が連携 他

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10月5日 コロナ禍の影響を受け、厳しかった地方経済が回復を目指して様々な取り組みを始めている。10/1から京都府亀岡市で、観光活性化プロジェクト「KITTO MOTTO亀岡」が開始された。イベント開催に伴う交流人口の増加、今後の観光需要に対応可能で持続可能な地域交通網の構築や、観光拠点のネットワーク化などを目的としたMaaS実証実験を、亀岡市、嵯峨野観光鉄道、保津川遊船企業組合、京阪京都交通、京都タクシー、湯の花温泉観光旅館協同組合が「KITTO MOTTO亀岡事務局」を立ち上げ連携する。本プロジェクトでは、10/1~12/31まで利用可能な「亀岡周遊パス」(デジタルスタンプラリーや嵯峨野トロッコ 光の幻想列車、保津川下り特別便、eスポーツ大会、ナイトタイムイベントなど)を用意、「亀岡周遊パス」を使って購入者限定のコンテンツや飲食店での企画を楽しんでもらう。亀岡市の人口は京都府第3位。歴史は古く大堰川(保津川)左岸の川東に古墳なども見られ、戦国時代末期には明智光秀が丹波亀山城と城下町を築き、近代的な発展を遂げることになったと言われる。京街道・山陰街道・摂津街道の分岐点でもある。現在では、京都や大阪の衛星都市の役割も担う。晩秋から早春にかけ、亀岡盆地では深い霧が出る。「霧の都 亀岡」と言われる所以だ。「保津川下り」は創業400年、日本最古の川下りと言われる。保津川沿いの渓谷を時速約25kmで、片道7.3kmを往復する元JR山陰線の一部であった「嵯峨野トロッコ」は、この時期沿線を彩る紅葉が見頃となる。京都の奥座敷としても有名な「湯の花温泉」は、市の中心部から西へ約7km、山間にある静かな温泉は戦国時代の武将たちが刀傷を癒したという。新たにeスポーツゾーンが併設された府立京都スタジアム(サンガスタジアム by KYOCERA)など、豊富な観光スポットを「亀岡周遊パス」(購入方法:「Japan Travel Guide+Connect」のアプリ内からクレジットカード決済)がお得につなぐ。パスはプレミアム・スタンダード・ライトの3コース。プレミアムコースならば、保津川下り(1回)、トロッコ列車(1回)、路線バス・観光ルートバス(乗り放題)が大人1800円、4歳以上小学生以下900円となる。*オプションで区間限定タクシー(1台200円)の利用も可能。本プロジェクトの公式サイト http://kitto-motto-kameoka.jp では、観光スポット情報、期間中のイベント情報や「亀岡周遊パス」の詳細、SNSキャンペーン情報、コロナ感染(防止)対策などの情報が提供されている。保津川渓谷に観光客の歓声が戻る秋となる事を願いたい。

北いわて圏域でMaaS実証事業を実施 10月6日から 他

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10月4日 10/6より北いわて圏域において「北いわてMaaS推進協議会」が、協働でMaaS事業を開始する。この協議会には、IGRいわて銀河鉄道株式会社、三陸鉄道株式会社、岩手県北自動車株式会社、ジェイアールバス東北株式会社が参画する。事業の内容は、1.バス・鉄道などの公共交通情報の標準データ化、アプリ等へのデータ提供、乗換え情報の発信、2.デジタルチケット(乗車券・クーポン券)や、旅行商品の案内、予約・決済。路線バス・三陸鉄道、IGRとの連携商品「きたいわてぐるっとパス/御所野(ごしょの)縄文きっぷ、浄土ヶ浜パックなど」、3.観光・文化施設、公共施設、飲食店、イベントなどの情報発信、4.観光施設や飲食店等で利用可能なお得なクーポン券発行、5.観光客向けの周遊モデルプランの提供、6.公共交通利用者のデータ(交通移動データ)の収集、運行経路と現在地の見える化などだ。上記2.の「きたいわてぐるっとパス」は、北いわての盛岡、二戸、久慈、宮古をループ状に結んだ広域観光ルートを、列車とバスを乗り継いで巡る。「一定方向乗り降り自由」のお得な3日間周遊パスだ。盛岡→二戸方向は、大人5200円、小児2600円(*現在、小児券は購入できません、少々お待ち下さい)だ。反対方向となる盛岡→宮古方向も同額だ。御所野縄文きっぷは、発地により額が異なるが、盛岡発は大人3700円、いわて沼宮内発は大人2400円、二戸発だと大人1500円だ。盛岡と二戸はIGRいわて銀河鉄道で結び、二戸と久慈は、バス旅、JRバス東北(「スワロー号」使用)が結び、三陸海岸沿いとなる久慈から宮古は、東日本大震災からの復興のシンボルともなった三陸鉄道で移動、宮古から盛岡までの宮古街道、別名「五十集(いさば)の道」は、岩手県北バスが担う。ちなみに「五十集の道」とは、江戸時代盛岡城下町と盛岡藩の外港、宮古湊(現在の宮古市)を結ぶ食の道でもあり、沿岸の海産物と盛岡城下町に集積される米穀の交易に利用されていたようだ。北いわてMaaSの専用サイト(https://iwatemaas.jp)をご覧頂くと、この他にも「宮古の味覚を満喫散策コース(路線バス)」大人2400円(*現在、購入待ち)、「藤七(とうしち)温泉絶景露天風呂とランチコース」大人4230円(*現在、購入待ち)、「奥中山高原こどもの森きっぷ」発地により異なるが、盛岡・青山・厨川発の場合、大人2700円、子供1350円、等々の豊かなラインナップが用意されている。「北いわてMaaS推進協議会」は、岩手県の「いわて次世代モビリティサービス実証事業(MaaS推進実証事業)」の委託を受け「北いわてMaaS」を実施し、当該事業の支援や地域の交通課題解決に向けたモデル構築を推進している。コロナ禍で減少した輸送・観光需要・地域経済の回復と拡大、キャッシュレス経済、デジタルチケット・クーポン等による新たな生活様式に対応したDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進、MaaSを通じた公共交通活性化や、地域・観光振興などへの貢献を目指す。*IGRいわて銀河鉄道は、車いすでご利用になれますが、乗車の2日前までにIGRインフォメーション(019-626-9151/ 受付時間 8:30-17:00)か、乗車駅に申し込みが必要となります。

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